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襲い来る強い怨念


 ライアはコスタの援護の下、リティーヒにナイフでの一閃を与えることに成功した。しかし、リティーヒはダメージを受けた様子を見せず、地面に着地したライアを見て不敵な笑みを浮かべていた。


「嘘、きつい一撃与えたのに」


「魔力で守ったのだ。それと、こいつのおかげかな」


 と言って、リティーヒは首にぶら下げているネックレスをライアに見せた。


「こいつはウラミニクシーミという不思議な道具だ。こいつのおかげで、俺は怨念を武器にして戦うことができる。それと、怨念が強ければ強いほど、色んなことができる。例えば、洞窟を動かし、自由自在に改造したりなどできる優れものだ!」


 この言葉を聞き、洞窟内で起きた不思議な現象や、ガイコツが現れたりするなどの力は、リティーヒが持つウラミニクシーミのせいだと、ライアとコスタは把握した。ライアはコスタの所に戻り、話をした。


「確か日記に怨念を使う道具があるって書いてあったね」


「うん。あいつが持っていたのね」


「あれをどうにかすれば戦いは有利になるかな」


「多分。だけど、そう簡単にどうにかできないみたい」


「おいおい、仲良くお話か? そんな時間は与えぬぞ!」


 リティーヒはそう言って、二人に接近して斬りかかった。二人は攻撃をジャンプして回避し、コスタは空中でライフルを構え、リティーヒに狙いを定めて発砲した。


「弾丸は効かないと言ったはずだ!」


 そう言ってリティーヒは飛んで来た弾丸を斬った。だがその瞬間、弾丸は破裂して周囲に煙が待った。


「うわっ! 煙玉か! そんな物も持っていたのか!」


 煙により、リティーヒの視界が遮られた。その隙にライアは魔力を開放し、ナイフの刃に魔力を纏わせて強く振るった。ナイフの刃から刃の衝撃波が発し、リティーヒに向かって飛んだ。


「ぬ! 魔力の衝撃波か!」


 リティーヒは剣を振り回して周囲の煙を払った後、飛んでくる衝撃波に向かって剣を振るった。


「そんな弱い衝撃波で、俺を倒すことはできぬ!」


 と言って、リティーヒは衝撃波をかき消した。自分の衝撃波が消えた光景を見たライアは、嘘と言ってその場に立ち尽くしていた。リティーヒはライアに接近しようとしたのだが、コスタはライアが狙われているのを察し、ライフルを乱射した。


「ふん! ライフルの乱射か。そんな弾丸は効かないと言ったはずだぞ!」


 リティーヒがコスタを狙ったタイミングでライアは我に戻り、急いでコスタの元に駆け付けた。コスタはライフルの乱射を止め、ライアと一緒にリティーヒから距離を取った。


「まずいよ。あいつ、どんな攻撃も効かないよ。骨が硬すぎてダメージが通らない」


「だけど、きっとどこかに奴の弱点があるはず。思い出して、今まで出てきたガイコツは強かった?」


「雑魚だった。余裕でバラバラにできた」


「そう。あいつはただ魔力が強いだけ。それと、怨念の力を使っているから防御力が化け物のように高い。私の予想だけど、あのウラミニクシーミを何とかすれば状況は変わると思う」


「そうだね。あのおかげであいつは強いから……あ、いいこと思いついた」


 ここであることを思いついたライアは、コスタにこう言った。


「私が奴に接近戦を仕掛けるから、その隙にコスタはウラミニクシーミを狙って」


「分かった。気を付けて」


 コスタに返事をし、ライアはリティーヒに向かって走った。向かってくるライアを見て、リティーヒは笑ってこう言った。


「バカが! 俺に敵わないということがまだ分からないのか!」


「黙ってなよ、骨だけおじさん!」


「お……おじさ……俺はおじさんじゃない! 骨になっても俺はまだ若い!」


 おじさんと言われ、怒ったリティーヒは集中的にライアを狙った。攻撃の目標がライアに向かったのを察したコスタは、ライフルを構え、ウラミニクシーミを狙った。しばらくリティーヒの怒声と共に激しい攻撃の音が聞こえたが、一瞬の隙を狙い、コスタはライフルの引き金を引いた。発砲音を聞いたリティーヒはまた無駄なことをと思っていたが、ライフル弾の狙いがウラミニクシーミであることを察した。




 傷ついたアタンスクローと共に奈落の底に落ちたカイトとラージュは、下を見ながらこう会話をしていた。


「どこまで落ちるのかな、俺たち」


「分からないけど、無事であることを祈りましょう」


「それしかできないか」


 そんな話をしていると、カイトは下の方から強い魔力を感じた。その魔力がコスタとライアの物だと察したカイトは、ラージュの方を振り返った。


「あの魔力はコスタとライア」


「私も察したわ。コスタとライアが強い奴と戦っている。だけど……この状況じゃあどうしようもできないわね」


 ラージュはそう言うと、突如アタンスクローが苦しそうな声を出したことに気付いた。


「あれ? 声を出さなくなったわね、こいつ」


「俺、嫌な予感がする」


 カイトがこう言うと、アタンスクローは動きを止めた。アタンスクローから解放されたのだが、ここは奈落の上。周りには落下を防ぐような物はない。


「まさか……」


「また落ちるみたいね」


 その後、二人は声を上げながら落ちて行った。


「またこの展開かよ。この洞窟、落ちる場所が多いよな」


「そうね。その結果、何度も落ちたわね。もう慣れたけど……こういうの、慣れちゃいけないわね」


「そんなこと言っている場合じゃない。とにかく、魔力を開放すれば……何とかなるかな?」


「落ちた時の衝撃から身を守ることはできるわ。とにかく魔力を使いましょう」


 奈落に向かって落ちる中、落下に備えて二人は魔力を開放した。


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