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暴れる怪鳥を倒せ


 ラージュの大剣の一閃を受けた大きな鳥のモンスター、アタンスクローは大きな傷を受けても暴れまわっていた。エスデレートカマキリとの戦いで負傷し、傷を負ったカイトに無理をさせないように、ラージュはアタンスクローを対処しようとした。しかし、アタンスクローの動きは早く、その状態でくちばしや爪が体に命中したら、大きな傷になるとラージュは考えた。


「ラージュ、俺が行くよ」


 と言って、カイトは刀を持って前に出た。その時に魔力を開放し、カイトは周囲に水を放った。アタンスクローはカイトの姿を見つけ、突進した。


「カイト! 無茶しないで、怪我は治ったばかりなのよ!」


 ラージュの言葉を聞いたカイトは、大丈夫だと手で合図をし、アタンスクローを見た。奇声を上げながら接近してくるアタンスクローに対し、カイトはタイミングを見計らって水を動かした。


「水を放ったの?」


「一か八かでやってみた。どうやら成功したようだ」


「一体どうするつもり?」


「見ていれば分かるさ」


 魔力の水を操ったカイトは、そのまま水をアタンスクローの体内に侵入させた。突如動きが鈍くなったアタンスクローはその場に落ち、悲鳴を上げ始めた。


「何をしたの?」


「水を体内に入れて、中で凍らせた。多分だけど、中に侵入した凍った水は鋭くなって、動くたびに体内から奴に傷を付けるかもって考えたのさ」


「いい考えね。でも……まだあいつは立つみたいよ」


 ラージュがこう言った後、アタンスクローは立ち上がり、大きな声を放った。二人はあまりのうるささに耳を抑え、その場に立ち尽くしてしまった。その隙にアタンスクローは二人に襲い掛かった。


「しまった!」


「まずい!」


 二人が身構える直前、アタンスクローの突進は二人に命中してしまった。アタンスクローはそのまま遠くの壁に向かって飛んで行って激突し、突進を受けて体に張り付いている二人を壁に激突させた。


「ぐう……」


「あっ……うう……」


 突進、そして壁に激突した時の痛みが二人を襲った。だが、それでも二人は立ち上がった。


「俺の水が……効かなかったのか? 痛そうにしていたのに……」


「効いていると思うわ。さっきの突進の攻撃、最初の頃よりもかなりスピードが落ちている。そのおかげでダメージもないわ……」


「じゃあ、その分奴に効いているわけか。でも……この状態でこの痛みは……」


「確かにね。何度も受けたら死ぬわね」


「ああ……」


 会話を終え、二人は武器を持った。呼吸をした後、カイトは水を放った。


「やり返す! 倍以上にやり返してやる!」


「私も同じ気持ちよ! もう一度この剣でぶっ叩いてあげるわ!」


 カイトは放った水をアタンスクローの足に命中させ、凍らせて足を封じた。足が使えないことを察したアタンスクローは飛び上がろうとしたが、その動きを読んでいたラージュが高く飛び上がり、大剣を振り下ろした。


「さっきの攻撃よりも数倍痛いわよ」


 そう言うと、アタンスクローは小さな悲鳴を上げた。しかし、それでもアタンスクローは近くにいるラージュに攻撃をしようと動いていた。


「あら、それでも私を攻撃するわけ? でも残念ね。あなた一人じゃどうしようもできないわよ。そうでしょ? カイト!」


 ラージュの声と共に、後ろにいたカイトが猛スピードでアタンスクローに接近し、素早く刀を振るった。鋭い刀の刃はアタンスクローの左の翼を斬り落とした。翼を斬り落とされた痛みで、アタンスクローは悲鳴を上げながら暴れ始めた。


「さて、あと少しよ」


「このままお前をぶっ倒す」


 大きな傷を負ったアタンスクローを見ながら、二人はこう言った。だが、アタンスクローはもう一度素早い突進を放ち、二人に激突した。


「グッ!」


「また同じ攻撃……でも、さっきより痛くないわよ」


 突進の威力がさっきより落ちていることを把握したラージュは、どう反撃しようか考えた。だが、アタンスクローはそのまま走り、二人と共に奥にある崖へ向かっていた。


「……あら。崖に向かっていたのね」


「どうする? 風圧で体が動かない。結構きつい」


「私も……魔力も上手く使えないし……」


「はぁ……また落ちるしかないな」


「ええ。その通りね……」


 その後、アタンスクローは二人と共に、崖に飛び込んでしまった。




 コスタとライアはまたガイコツに襲われないように、慎重に洞窟の奥へ向かっていた。


「そろそろ奥に着くかな?」


「だといいけど」


 コスタが言葉を返した時、目の前に薄い緑色の光が見えた。ライアもこの光を見ており、恐る恐るコスタに尋ねた。


「これ、何だろう?」


「分からない。でも、この奥に何かがあるかも」


 話をした後、二人は光の先へ向かった。その先には、緑色に光る石で壁になった大きな部屋があった。美しい緑色の光に二人は美しさのあまり茫然としていたが、ライアが部屋の中央を見て声を出した。


「あー! あれ、もしかしてリティーヒの宝じゃない?」


 コスタは部屋の中央を見て、驚きのあまり言葉を失った。中央にあったのは山のように積まれた金銀財宝。コスタはそのうちの一枚の金貨を手にし、じっくりと観察した。


「本で見たことがある。これ、昔の金貨よ」


「うわーい! 私たちが一番で宝を見つけたのね!」


「ええ。皆が早く来れば、宝を持って行けるけど……二人でこの量は運べないわ」


「確かにねー。あー、早く皆が合流しないかなー」


 のんびりと話をしていると、いきなり声が響いた。


「俺の宝を取ろうとする奴は誰だ? 絶対に俺の宝は渡さないぞ!」


 声が響いたその後、地響きと共に大きなガイコツが現れた。


 宝の主であり、度々名前が出ていたリティーヒがついに登場。この話も大詰めです。


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