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新たなるモンスター


 セアンの一閃が、スーパーガイコツズを襲った。強烈な一閃は、魔力で強化されたスーパーガイコツズの骨を簡単に切り裂いた。


「嘘だろ……」


「俺たちの力を合わせた……合体技が」


「それよりも、こいつらの魔力……強い」


 ガイコツたちが弱音を吐き、魔力が弱まった。その時を見計らい、セアンはカトラスに魔力を発して力強く振り払い、刃から大きな竜巻を作り出し、スーパーガイコツズに目がけて放った。


「これで終わりだよ!」


 巨大な竜巻はスーパーガイコツズを飲み込み、合体して一つになっていたガイコツたちをバラバラにした。巨大な竜巻は威力があり、半世紀が経過して弱くなっていた骨を粉々に砕いてしまった。


「ああ! 俺たちの骨が!」


「魔力が弱まった。それで俺たちの骨の硬さも弱くなった。ああ、仕方ないさ。それに、古い骨だし」


「あーあ、せめて裏切り者の……何だっけ? まぁいいや、裏切り者だけは始末したかったなー」


 ガイコツたちはそう呟きながら、跡形もなく消滅していった。その一方で、竜巻から飛ばされた頭蓋骨が、後ろに隠れていたロガンの方へ飛んで行った。


「助かった……あ」


 頭蓋骨はロガンを見て、顎を大きく開けて驚いた様子を見せていた。ロガンは突如飛んで来た頭蓋骨を見て、茫然としていた。


「お前はロガ」


 頭蓋骨が大声を出し、自分の名前を出されるのはまずい。そう思ったロガンは持っていた剣で頭蓋骨を粉砕した。その時、ケアノスがロガンに近付いた。まさか話が聞かれたかと思ったロガンは、驚きながらケアノスの方を振り向いた。


「ど……どうかしたか? 何かあったのか?」


「いえ。さっきここに頭蓋骨が飛んで来たと思ったのですが」


「ワシが倒したよ。安心しろ」


 と、安堵の息を吐きながらロガンはこう言った。ケアノスはそうですかと言って、セアンの方へ向かった。


 竜巻を消したセアンは、その場に座って少し休んでいた。座っていたのだが、疲れが取れないので、その場で大の字になって寝そべった。


「あー、お腹空いたー」


「あれだけ強い竜巻を出せば、誰だってお腹は空くわよ。ほら、チョコバーを出すからちょっと待って」


 セアンに近付いたケアノスはリュックからチョコバーを取り出し、セアンの口に突っ込んだ。セアンはそのままチョコバーを食べた後、ケアノスにありがとうと告げた。ケアノスはしばらく休んでいこうと思い、その場に座った。




 行動を再開したカイトとラージュは先へ進んでいた。エスデレートカマキリのような凶暴なモンスターとは遭遇せず、何も起きずに進むことができた。だが、二人は何も起きないことを不思議に思っていた。


「変ね。今までモンスターとか出てきたのに、急に何も来なくなったわ」


「変な奴が出るって前触れかな。何かそんな気がする」


「その可能性もあるわね。カイト、身構えていて」


「ああ」


 話をしながら先に進むと、大きな羽音が聞こえた。二人は武器を構え、前を睨んだ。


「鳥か? それとも羽を持った虫か?」


「鳥みたいね。うっすらと鳥みたいな声が聞こえるわ」


「何でもいるな、この洞窟。半魚人もどきやでかい虫だけかと思っていたけど」


「ライアがこの洞窟を気に入りそうね。いろんなモンスターの食材を集めてそう」


「でも、ゲテモノのモンスターの料理を食べるのはごめんだな……」


「私も。でも、あの子ならちゃんと食べられるモンスターを見分けられるから大丈夫よ」


 そう話をしていると、二人の目の前から巨大な鳥が現れ、通り過ぎた。通り過ぎる際、強風が発生した。


「ウオッ! すごい風!」


「あれはアタンスクロー! 巨体を生かして強風を発生させ、動揺した隙に鋭利な爪で獲物を狩る鳥のモンスターよ!」


 ラージュがこう言うと、アタンスクローは二人の方に振り返り、再び襲い掛かって来た。カイトは刀を構え、アタンスクローが接近するタイミングで反撃をしようと思った。アタンスクローはカイトに向かって飛んで行き、鋭い爪で攻撃を仕掛けた。


「来い! 化け物! 俺の刀で斬ってやる!」


 カイトはアタンスクローが爪を振り下ろすタイミングに合わせ、アタンスクローの体に向けて刀を振り下ろした。刀の刃はアタンスクローに命中し、傷を与えた。


「ナイスよ、カイト! 命中したわ!」


 傷を受けて一瞬だけ動きが鈍くなったアタンスクローに対し、ラージュは大剣を振り下ろして攻撃を仕掛けた。巨大な刃はアタンスクローに命中し、奥深くめり込んだ。


「やった! 今の攻撃は効いただろ!」


「いえ、致命傷じゃないわ」


 攻撃を終えたラージュは大剣を握りながらジャンプして後ろに下がり、アタンスクローの様子を見た。大量の血を流すアタンスクローを見て、カイトはもう終わっただろうと思ったが、アタンスクローはまだ動いていた。


「あの傷で動けるのか」


「ええ。あいつは痛みを感じないと言われているわ。だから、大きな傷を受けても普通に動く!」


 その直後、ラージュはカイトを抱きしめながら横に逃げた。アタンスクローが二人に向かって襲い掛かってきたからだ。


「あの傷でこの動き。かなり厄介な奴だな」


 カイトは血を流しながらも、暴れまわるアタンスクローを見て呟いた。ラージュは周囲を見回し、アタンスクロー攻略に何か使える物がないか見回した。このまま攻撃を続けても、体力と魔力を消耗してしまう。その上、カイトは動けると言っても病み上がり同様の状態。あまり無理をさせたくないとラージュは考えている。どうしようと思いつつ、ラージュはこの状況をどう打破するか考えた。だが、ラージュの思考を遮るかのように、アタンスクローが再び襲い掛かって来た。


 ロガンの正体も分かり、徐々に今回の洞窟探検の話も終わりに近づいてきています。


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