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ガイコツたちの奥の手


 ガイコツの群れに襲われたセアンとケアノスだったが、二人は難なくガイコツを返り討ちにする。セアンの攻撃によってバラバラになったガイコツは、地面を転がりながらセアンに近付いた。


「おい小娘! これで終わったと思うなよ!」


「俺たちにはとっておきがある!」


「じゃあ早くそれを出してよ。やる気があるなら付き合うよー」


 と、セアンは呆れながらこう言った。ケアノスもまだ戦うのと呟いて呆れている様子を見せた。ガイコツたちはにやりと笑い、魔力を開放した。


「いくぞ! ガイコツ合体!」


「おお!」


 掛け声を合図にし、ガイコツは魔力を使って宙に浮き始めた。セアンはワクワクしながらこの様子を見ていたが、ケアノスはセアンに近付いてこう言った。


「子供のような目をしないの! 今のうちに奴らの合体を阻止しないと大変なことになるわ! なんかやばそうな雰囲気が漂っているわよ!」


「うーん。仕方ないね。合体シーンを最後まで見たかったけど」


 セアンはハンドガンを使ってガイコツの合体の阻止をしようとしたが、弾丸は弾かれてしまった。


「あらま。弾かれた」


「そんな……もう面倒なことは止めてよね。こんな所で足止めを喰らいたくないのに」


 ガイコツの合体を止められなかったケアノスは、ため息を吐いてこう言った。しばらくし、ガイコツの骨が複数に交わり、重なり合い、巨大なガイコツとなっていた。


「絆の超合体! スーパーガイコツズ! どうだ、驚いたか!」


「驚いたけどさ……そのダサい名前、何とかならない? スーパーガイコツズって、見た目通りの名前だし」


 セアンの言葉を聞き、スーパーガイコツズは怒りの表情で叫んだ。


「うるさい! 今考えたのだ! センスの有無はどうでもいいだろうが! ええ、もういい! 貴様らとのお喋りはここまでだ!」


 スーパーガイコツズは右手を動かし、魔力を発した。すると、余っていた骨が宙に浮き、巨大な剣の形となった。


「喰らえ! ボーンブレイド!」


 巨体で動きが鈍いと思っていたセアンだったが、ボーンブレイドによる攻撃はとても速かった。間一髪セアンは攻撃を飛んで回避したが、ボーンブレイドは二撃目の準備を終えていた。


「死ね!」


「クッ!」


 セアンは魔力で風を発し、剣の軌道から避けた。しかし、ボーンブレイドの刃先はセアンの予想より大きく、体に傷はできなかったが、服が少し破れてしまった。


「うわっ! スケベ野郎! カイト以外に私のおっぱいは見せないよ!」


 大きく開いた胸元を右手で押さえながら、セアンは左手のハンドガンで発砲した。だが、弾丸は骨に傷を与えられなかった。


「フハハハハハ! そんな弾丸が俺たちに通用すると思っているのか? 魔力を使った分、骨も固く、強化されているのだ! それと、俺たちは小娘のおっぱいには興味がない! もう少し大人になれ!」


「くっそー」


「だからあの時にとどめを刺せばよかったのに」


 と、ケアノスがセアンにこう言った。セアンは素早くケアノスから借りた紐と魔力で針を作り、大きく胸部分が開いた服を縫い始めた。


「ケアノス、私が服を塗っている間にあのデカブツの相手、任せてもいい?」


「ええ。そのつもりよ」


 ケアノスはレイピアを構え、スーパーガイコツズに立ち向かった。ケアノスのレイピアを見て、スーパーガイコツズは笑い出した。


「ギャーハハハ! レイピアで俺たちと戦うつもりか? お前も見ただろう? ハンドガンの弾丸が俺たちの骨に通用しなかったのを! そんな細い刃で俺たちをどうにかできるのか?」


「ええ。見たわよ。それと、このレイピアであんたらをどうにかするわよ」


 そう答え、ケアノスは素早くスーパーガイコツズの胸元に接近した。


「おや、いつの間に」


「さっさと潰れて」


 ケアノスは魔力をレイピアの刃に注ぎ、スーパーガイコツズの骨に突き刺した。その直後、スーパーガイコツズは大きな悲鳴を上げた。


「痛い! 何で? 魔力で骨は強化したのに! レイピアが突き刺さった!」


「残念。あなたの魔力より、私の魔力の方が上回ったみたいね。魔力を高めて攻撃すれば、ダメージは通るのね。いいことを知ったわ」


「さっきは油断した! 今から本気で行くよ!」


 と、ケアノスの後ろからカトラスを構えたセアンが現れた。胸元はまだ見えるが、服は縫い終えたのだ。


「ああ! もう服を直しやがった! 時間を稼げると思ったのに!」


「変態ガイコツ野郎、お前はあの世に逝っちゃいな!」


 セアンの叫びと共に、カトラスの一閃がスーパーガイコツズを襲った。




 カイトは起き上がり、軽く運動を始めた。受けた傷に痛みはなく、手足も動かしても体に異常はなかった。


「もう起きたの? 早いわね」


 と、ラージュが欠伸をして起き上がった。カイトはラージュの上の下着が取れかかっているのを見て、顔を赤く染め、そっぽを向いてこう言った。


「上の下着……取れそうだぞ」


「あらごめんなさい。それより、体の調子はどう? 動ける?」


「ばっちりだ。ありがとう、ラージュ。おかげで治ったよ」


「ウフフ。どういたしまして。でも、あまり無茶はしないでね。この探検が終わったら、ヴィーナスハンドでもう一度様子を見るから」


 そう言ってラージュは服を着始めた。ラージュの着替えが終わった後、二人は再び動く準備を始めた。


「皆の様子はどうだろう?」


「時折魔力を感じるわ。まだ生きている」


「よかった。俺、倒れていたから分かんなかった」


「仕方ないわ。魔力は意識しないと感じることはできないから。さ、早く先に行きましょう」


 準備を終えて、二人は動き出そうとした。だがその時、二人の腹から大きな音が鳴った。


「その前に何か食べましょう」


「ああ。少し……いや、かなり腹が減ったな」


 動く前に、二人は食事をすることにした。


 やっと主人公、カイトが復活しました。俺が書く主人公って、しょっちゅう怪我をする気がする。


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