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ガイコツの大将との戦い



 ガイコツに囲まれてしまったカイトとラージュだったが、敵があまり強くなかったため、簡単にその状況を打破することに成功した。さっさとその場から離れようとしたのだが、アホなガイコツのリーダー格、ボッドが現れた。ボッドはすぐにカイトとラージュを敵と判断し、襲い掛かる。ボッドは周りのガイコツと同様に少しアホだったため、カイトは他のガイコツと一緒だろうと考えていたが、カイトの攻撃は弾かれる。それを知り、カイトとラージュはボッドが他のガイコツとは違うと察した。動揺した二人に向かって、ボッドは巨大な体を使った体当たりを使い、襲い掛かった。


 突進してくるボッドを見て、カイトは魔力を解放しながらラージュの前に立ってこう言った。


「俺が受け止める。ラージュ、あいつに大きな一発与えてくれるか?」


「ええ。怪我しないでね、カイト。あの巨体だから、ぶつかったら大きな怪我に繋がるから」


「大丈夫だ。何とかするから」


 カイトは刀を構え、ボッドの体当たりを受け止める態勢を取った。ラージュは高く飛び上がり、攻撃の準備を行った。


「あ! 女! 上に逃げるとは卑怯だぞ! こっちは勢いが止まらないのに!」


 体当たり中、ボッドは上に飛んだラージュを見てこう言ったが、勢いをつけた体当たりは止めることができなかった。ボッドの攻撃はカイトによって受け止められ、その場に停まった。


「ググ……トラックの衝突を抑えてるみたいだ……」


 カイトは刀を構えながら、全身に力を込めていた。単純な体当たりの攻撃だったが、図体がでかく、勢いのあった体当たりを受け止めるのは簡単ではなかった。だが、これによってボッドの動きは止まった。


「ありがとう、カイト。あとは私が決めるわ!」


 壁の足を乗せられるスペースで待機していたラージュは、大剣を構えてボッドに向かって落下した。


「なっ! あんな大剣を受けたら俺でもやばい!」


 上から落下してくるラージュを見て、ボッドは慌てて両腕で防御の構えをとった。その隙に、カイトは水の魔力を発して床を濡らした。濡れた床に足を滑らせたボッドは体勢を崩した。


「あああ! 水を使うな! 防御していたのに!」


「ナイス援護よ、カイト! これで渾身の一撃を決められる!」


 ラージュはそう言って大剣の強烈な一撃をボッドに決めた。ラージュの大剣はボッドの頭蓋骨にめり込んだ。


「ぐ……この小娘が! こんな攻撃でこのボッドがやられると思うなよ!」


 一瞬だけ動きが止まったが、すぐにボッドは暴れだした。ラージュは地面に着地し、カイトの横に立った。


「結構タフなガイコツね。あの一撃を受けてもピンピンしているわ」


「でも、一瞬だけ動きが止まったぞ。あの攻撃が効いたかもしれない」


 二人が話をしていると、ラージュは先ほどの攻撃でボッドの頭蓋骨にひびが入っているのを目にした。


「あそこを見て。ひびが入っているわ。あそこを集中して攻撃すれば、あいつを倒せるかもしれないわ」


「うし。やろう! さっさとあいつを倒して先に進もう!」


 カイトは魔力を開放し、ボッドに向かって走り出した。カイトが接近してくることを察したボッドは、カイトを見て叫んだ。


「この小僧が! このボッド様を倒そうだなんて生意気なことを考えるなよ! お前みたいな小僧が俺に勝つなんて千年早いわ!」


「ここでお前を倒さないと、先に進めない! だから、何が何でもあんたをぶっ倒す!」


 カイトはそう言って、迫って来るボッドの左腕に飛び乗り、そのまま頭蓋骨に向かって走り出した。


「あ! こっちに来るな! 致命傷負ったんだから!」


 ボッドは右腕でカイトを追い払おうとしたが、ラージュが風を使ってボッドの右腕を斬り落とした。


「おわああああああ! 俺様の右腕が!」


「やっぱり。関節を狙えば簡単に斬り落とせたわ」


「あああああ! そんな酷い、何もそこまでしなくてもいいだろうが!」


 地面に落ちた右腕を見て、ボッドは悲痛な声を上げた。その隙にカイトは頭蓋骨に到着し、ひびが入った箇所に刀の刃を突き刺した。


「これで……終わりだ!」


「あ」


 刀が突き刺さったことを察したボッドは、悲鳴を上げた。地面に倒れ、弱弱しく呟いた。


「クソ……まだ……成仏できない……俺たちには……やることが……やることがある……」


「知らないわよ、そんなこと。さっさと成仏しなさいよ」


「ラージュ、敵は倒したから先に行こうぜ。この状態で俺たちに襲ってくるなんてできないだろ」


「そうね。扉も開いたみたいだし。こんな奴の最期の姿なんてどーでもいいしね」


 先に行く扉が開いたのを確認した二人は、先へ行ってしまった。体が朽ちる中、ボッドは周りの仲間が消えゆくのを目の当たりにした。


「死んで……死んでたまるか。もう死んでいるけど……あの裏切り者を……俺たちとリティーヒ船長を裏切った……ロガンの奴を殺すまで……消える……わけには……」


 そう呟いていたが、ボッドの体は完全に消滅した。ボッドが消滅した後、周りのガイコツも悲鳴を上げながら消滅し始めた。




 コスタとライアは共に行動していたが、不穏な空気が流れていた。コスタはずっと前を向いていて、一言もしゃべらなかったのだ。


「あの……コスタ」


 ライアは自分の不注意でセアンたちが落とし穴に落ちたことを後悔していた。だが、この不穏な空気の中で行動するのもあまり気が気ではなかった。ライアはコスタに話しかけようとしたが、コスタは反応しなかった。


「あれは……私のせいだよ。皆は無事だと思うけど……」


「皆は無事? 私はそう思わないわ」


 コスタの返事を聞き、ライアは驚いた。セアンたちが無事ではないと言ってそうな口調だったからだ。


「何? 皆死んだっていうの? セアンたちだよ? そんな簡単に死ぬわけがないよ」


「その可能性もあるってこと。死んだ……そんなことはあってほしくはないけど」


「だったら何でそんなことを言うのよ。心配させるようなことを言わないでよ」


「可能性の話。警告、ライア、こんな所であまり先走らないで。もう一度言うけど、可能性の話よ。もし、皆が死んでいたらあなたのせいになるわ」


 その言葉を聞き、ライアは言葉を失った。


「私のせい……せい……だよね。でも、これからどうすれば……」


 ライアはこれからのことを聞こうとしたが、コスタは何も言わなかった。


「む……ああああああああ! もう、コスタのバカ! 何も言う言葉がないならあまり不安なことを言わないでよね!」


 と言って、ライアはコスタとは別の方向を歩き出そうとした。ライアの声を聞き、コスタは振り返ったが、そこにはライアの姿はなかった。


ライアは不謹慎なことを言ったコスタに腹を立たせていた。小言でコスタの文句を言っていたその時、不意に後ろから甘い匂いが漂った。誰かがいると察したライアだが、振り向こうとする前にライアは意識を失った。その後、ライアが意識を失ったことを確認した二人組の男は、下品な声で小さく笑いながら話をした。


「さっき、一緒にいた奴は気付いていないか?」


「ケケケ。気付いていないぜ。離れた所にいるから、俺たちの存在に気付いていないようだ」


「そうか。そりゃあ好都合だ。それよりも驚いたぜ、こんな所でスケベな体つきの女と会えるのは……ヒヒヒ。さぁ、これからお楽しみの時間だ」


「早く隠れようぜ。今は気付いていないけど、いずれはいなくなったことに気付く」


「そうだな。あそこの陰に隠れよう」


 会話をした後、二人組の男はコスタに気付かれないように気を失ったライアを連れて近くの物陰に隠れた。


 ガイコツのモンスターって何回か出てこなかったって思う人がいると思いますが、あまり気にしないでください。この時、スカイリムってゲームをやっていたので、それに影響を受けてガイコツのモンスターを出しまくったんです。あのゲーム、洞窟にスケルトンってガイコツのモンスターがやたらと出て来たので。


 スカイリム、とっても楽しいよ! このあとがきを書いている時点では熱が冷めてるけど。また始めたら長くやっちゃいそう。そんな作者が書くこの作品に高評価とブクマをお願いします。

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