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青き光に一撃を


 コスタとラージュが時間を稼ぎ、大きな傷を受けた四人の治療を終えることができた。治療が終わった四人が像に戦いを挑むが、攻撃によって二手に分かれてしまう。しかし、これを反撃のチャンスと考えたカイトは、セアンと共に像の弱点であるうなじ部分の青い光の元へ向かった。


「むう、あの攻撃で逆に自分の首を絞めてしまったようだな」


 像は自分を狙って攻撃を仕掛けようとするカイトとセアン、わざと目立つように動き回るケアノスとライアを見て呟いた。カイトの刀から放たれた水は大きなカーブを描くように動いているが、行きつく先は自身の弱点であるうなじ部分だろうと像は思った。弱点を攻撃される前にカイトとセアンを倒そうと考えたのだが、下にいるケアノスとライアが風を使って像の足を攻撃していたのだ。


「ただの風だが……攻撃を受け続ければいずれ、足は破壊されるな。早くどうにかしなければ」


 と言って、像はケアノスとライアを睨んだ。像からの視線を感じたライアは驚きの声を上げ、ケアノスの後ろに隠れた。


「うひぃ、あんな目で睨まれると怖いよ……迫力あるなー。作った人はどんなセンスをしているのやら」


「確かにね。でも、あいつも私たちを二手にさせたのを後悔していると思うわ。よーく見るとあの像、かなり焦っているわ」


「私もあいつが焦っていると思うけど、まだ冷静に見えるよ。カイトとセアンが近くにいるって知っているだろうし。はぁ、あの二人が大丈夫だといいんだけど」


 ライアがそう呟いた直後、像の左手が振り下ろされた。ライアはやれやれと呟き、両手のナイフをバツ印になるように構え、魔力を開放した。二本のナイフから大きなバツ印が発し、像の左手を防いだのだ。


「むう! まだこれだけの魔力があるとは!」


 像は無理矢理攻撃を仕掛けようとしたが、ライアが発したバツ印は像の攻撃を防いでいた。防御を行う中、ライアはケアノスの方を向いた。


「ケアノス、一発お願い。あの像に一撃入れちゃって! 今ならでかいのをぶち込むのができるわ!」


「ええ。任せて。とっておきの一発を入れてあげるわ」


 像が怯んだ隙を見て、ライアが像の左足に接近し、すねの部分にレイピアで攻撃を仕掛けた。魔力を纏ったレイピアの刃は、像の左足のすねを突き刺した。攻撃が命中したのを見たライアは喜んだのだが、ケアノスの顔には喜びの色がなかった。この攻撃を放っても、ダメージが入ったかどうか分からないのだ。


「人間ならこれで大きな痛手になるけど、物質相手に通用するかどうか……」


 レイピアの刃をすねから引き抜いた後、ケアノスは後ろに下がった。像は痛みで苦しむ様子を見せず、ケアノスとライアを睨んだ。


「また睨んだよ。ダメージが通っているのかなー? でも、あの像に痛覚ってあるのかな?」


「睨んでいるんだから、もしかしたら痛覚があるんじゃない? でも、さっきの攻撃で十分私たちに注目が行ったわ。あとは二人に任せて、私たちは様子を見ながら動きましょう」


 ケアノスはライアにこう言って、動き出した。ライアは慌てながらケアノスの後を追い、走り始めた。それから、像は二人を狙って攻撃を始めた。白い柱が二人を襲ったが、二人は何とかその攻撃を避けていた。




 カイトは魔力を使い、水を出し続けていた。長時間魔力を使って水を出していたせいで、カイトは魔力も体力も尽きそうになっていた。


「セアン……攻撃は任せていいか? 魔力を使いすぎた」


「うん。あとは任せて。カイトは休んで」


「ああ……すまない……」


 苦しそうな声を上げ、カイトは像に接近するため体力も魔力を振り絞り、刀から水を発した。そして、ついに二人はうなじ部分に到達した。


「よし、これで終わらせる!」


「頼んだ……セアン」


 そう言って、体力も魔力も尽きたカイトは下に落ちて行った。セアンはうなじ部分に着地した後、手にしたカトラスに魔力を込めた。


「あんたみたいなのがいたから、この島に悪い奴らが来た……お前がいたから……お前がいたから! 皆が滅茶苦茶になったのよ!」


 ブラッディークローに殺された両親、島の人々、そして滅茶苦茶にされた故郷のことを思い出しつつ、セアンは強い魔力を開放した。像はうなじ部分にいるセアンを指で弾き飛ばそうとしたが、セアンから放たれる強い魔力が像の指を逆に弾いた。


「うむう! これほど強い魔力があったとは……」


「あんたの力がなくても! 私たち人間は……サビナの人間は島を守れる! ブラッディークローが来た時も、お父さんや皆が戦った! 目の前の物しか守らなかったあんたよりも立派だ!」


 セアンは叫びながら、カトラスで像のうなじ部分を一閃した。切り裂かれたうなじの中には、心臓のように動く青い宝石のような物があった。それが弱点だと理解したセアンは、左手に持つハンドガンを何発も発射し、青い宝石を撃ち抜いた。


弱点を撃ち抜かれたと察した像は、目を丸くしてセアンを見つめた。今すぐにでもセアンをどかそうと思ったが、急激に力が抜け、魔力も急に弱まった。負けたと思った像は口をパクパクしながら呟いた。


「ま……まさか……こんな手で……負けるなんて……」


「終わりよ、デカブツ。さっさと倒れなさい」


 像の宝石を破壊した後、セアンはうなじ部分から飛び降り、地面に着地した。




 宝石が破壊された像は、その場で動きが止まった。足元にいるケアノスとライア、地面から落下したカイトは動きが止まった像を見つめていた。


「終わったのか? あのデカブツ、全然動かなくなったけど……イテテ」


 たんこぶをさすりながらカイトはケアノスにこう尋ねた。ケアノスは像の様子を見て、少し間を開けて答えた。


「多分……セアンが弱点を壊したんだと思う。ハンドガンの発砲音と、何かが撃ち抜かれる音がしたから」


「弱点を撃ち抜いたならいいんだけど……不安なのは、あの像が崩れなきゃいいんだけど」


 ライアがこう言った直後、像は音を発しながら崩れ始めた。音を聞いたカイトたちは悲鳴を上げながら後ろへ逃げた。


「うわ! 崩れ始めた! やっぱり予想通りになっちまった!」


「騒いでいる場合じゃないわ、後ろに逃げるわよ! 早く逃げないと瓦礫に巻き込まれる!」


「おえっ、砂煙が口に入った」


「ライア、そんなことを気にしていたら逃げるのが遅くなっちゃうわよ」


 カイトたちは逃げ始めたが、セアンが戻っていないことを気にしたカイトたちは途中で引き返し、崩れる像の元へ向かった。


「セアン! 大丈夫かー!」


「今助けに行くわ! それまで耐えて!」


「生きてたら返事してー! 何が何でも返事してー!」


 三人がセアンを助けに向かったのを見て、自分たちも行こうとしたコスタとラージュだったが、それと同時に大きな砂煙が発生し、二人を遮った。


「うっ……セアンたちは……」


「ゴミが目に入ってよく分らないわ」


「こうなったら……風でぶっ飛ばす!」


 コスタは風の魔力を使い、砂煙を吹き飛ばした。砂煙が晴れた場所には、崩れて瓦礫と化した像があった。


「皆は……まさかあの下敷きに……」


「コスタ、最悪な流れを考えるのは止めましょう。皆は無事よ。きっと」


 動揺するコスタを見て、冷静にラージュはこう言った。だが、ラージュも体が震えていた。最悪な展開になってしまった。二人がそう思っていると、瓦礫の上部分が上空に吹き飛び、そこからセアンが姿を現した。それからケアノスとライア、そして少し遅れてカイトが姿を見せた。


「無事みたいね」


「よかった……生きてた!」


 四人の姿を見た後、コスタとラージュは四人の元へ駆け寄った。


 よく格ゲーをするんですが、前はギルティギアとかのめりこんでやっていました。大分前にギルティギアの最新作が出たんですが、今はプレステのオンラインができる状況じゃあないんで持っていないです。あーあ、ギルティギアの最新作がスイッチで出てくれないかなー。高評価とブクマをお願いします!

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