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最後の試練


 カイトたちは次の試練の部屋に入り、周囲を見渡した。部屋に入って最初に目に入ったのは、剣を構えた大きな像。それ以外には、何もなかった。


「扉はこれだけ。じゃあここが最後の部屋かな?」


 ライアは周りを見ながらこう言った。ラージュはしばらく考えた後、カイトたちの方を向いた。


「ライアの言う通り、ここがゴールの可能性があるわ」


「でも、部屋に入っても何も起きないよ。今までだったら罠が発動してたのに」


「落ち着いてセアン、こういうのは何か仕掛けがあるかもしれない。油断してたら天井が落ちてくるかもしれないわ」


 コスタはそう言って、像に向けてライフルを発砲した。弾丸は像に命中したが、何も起きなかった。


「何かすれば反応あると思ったけど。予想が外れたかな」


「近くに行ってみるよ。もしかしたら何かあるかもしれないし」


「気を付けてね、何かあったら私たちも動くから」


 ケアノスの言葉を聞き、カイトは頷いて返事をした。その後、カイトはいざと言う時のために刀を手にして像に近付いた。その瞬間、像の両目は青く光出し、地響きが発生した。


「おわあああああああ! 何だ、地震か!」


「やっぱり仕掛けがあった! カイト、逃げて!」


「とにかく慌てないで! 何かあった時のために魔力を解放したり、武器を構えて!」


 ケアノスは慌てるカイトとライアにそう言った後、像を睨んだ。しばらくすると、像は動き出した。


「う……動いた。あれ、ただの像じゃなかったのかよ」


「驚いている場合じゃないよ! 先手を打たないと!」


 セアンは左手の銃を使い、像に向けて発砲した。だがその時、突如像の前に白く、大きな盾が現れ、弾を防いだ。


「んなっ!」


「盾が現れた! 何あれ?」


 カイトとセアンは突如現れた盾に驚いたが、攻撃を防いだ盾は煙が発するような音を立てて消滅した。動揺するカイトたちだったが、像は動きを止めた。次に何が起こるのかと身構えていたカイトだが、像の口元がゆっくり動くのを察し、攻撃を行う考えを捨てた。


「力を欲する者よ、数々の試練を潜り抜け、よくぞここまで到達したな」


「お前、喋れるのか?」


「ああ。こうして返事を返すこともできるぞ、少年」


 像が返事を返したと知り、カイトは動揺した。そんな中、一切動揺しないセアンは腕組しながらこう言った。


「それなりに知識があるようだね。それよりさ、あんた一体何者? モンスターじゃあないよね。答えてよ」


 セアンの言葉を聞き、像はゆっくりと首を回し、セアンの方に向いた。


「私は創造の守り主。創造の力を欲する者に試練を与えるための存在だ」


「守り主? 創造の力を手にするにはあんたを倒さないといけないってことか」


「そうだ。古の時代、創造の力を生み出した者が力を持つ者に力を譲るため、この試練の場を作ったのだ」


 像の話を聞き、セアンはため息を吐いてこう言った。


「とにかく、あんたが昔からここにいるのは分かった。でも、あんたがここにいるせいで力を望むあんぽんたんがこの島に来て、私たちの両親や島の人を虐殺したのよ! どうして助けてくれなかったのよ! 守り主でしょ!」


「私が守るのは創造の力だけだ。上のことを守るために作られたわけではない」


「あんたもあんぽんたんってわけね! 役立たずのデカブツ野郎! 上が危険だって察したら動けよデカブツ野郎!」


 セアンは叫びながらカトラスを持ち、像に斬りかかった。だが、白い物体が現れ、人形のような形になった。その人形は兵隊のような服を着て、銃や剣を持っていた。


「盾じゃなくて兵隊も作れるってわけね。創造の力、大体理解できたわ!」


 そう言って、セアンは現れた白い兵隊を切り裂いた。攻撃を受けた白い兵隊は、白い粒になって消滅した。


「試練だか何だかもうどうでもいい。あんたを倒して私たちが創造の力ってのを手にすれば、力を求めてバカ野郎共がこの島に襲い来ることもなくなる。皆、一気にあのデカブツを倒すよ!」


「おう! 本気で行くぜ!」


「落ち着いて戦おう」


「コスタの言う通りね。相手は強いから、気を付けて!」


「そうだね。だけど、皆でやればサクッて奴を倒せるよ!」


「そうね。でも、油断しないでねライア」


 セアンの言葉を聞き、カイトたちは戦闘の構えをとった。像は襲い来るカイトたちを見て、ゆっくりと口を開いた。


「やる気か。ならこちらも反撃と行こう」


 そう言うと、像の口から白い煙が発生した。カイトたちは毒ガスかもしれないと思い、口と鼻を塞いだ。だが、その考えは間違っていた。白い煙は人の形を作り、無数の兵隊を作り出した。


「あのデカブツ、数で勝負するつもりだね」


「上等! 量より質だってことを教えてあげる!」


 無数の兵隊を見ても、カイトたちは止まらず、走って行った。カイトは刀を持ち、兵隊たちを切り倒していった。セアンもカイトの横を走り、目の前にいる兵隊たちに攻撃を仕掛けて行った。


 カイトとセアンが攻撃を仕掛ける中、二人を狙った兵隊が上から襲い掛かった。コスタはスナイパーライフルを使い、その兵隊を狙撃した。ケアノスはカイトとセアンの前に立ち、こう言った。


「あまり前に出ないでね、先走るとろくなことはないから」


「そうだね。ちょっと落ち着くよ」


 セアンは深呼吸をする中、無数の兵隊が襲い掛かった。だが、ライアとラージュが現れ、兵隊を返り討ちにした。


「油断していると危ないわよ」


「あいつら雑魚だし、パパってやっちゃおうよ」


「ライアの言う通りだな。うし、行くぞ!」


 カイトは刀を構えなおし、目の前に兵隊を睨んだ。




 像はカイトたちの戦いを見て、関心の声を上げていた。恐怖を捨て、自分が生み出した兵隊に襲い掛かり、倒している。その中で、像は厄介なのは誰か見極めた。


リーダー的存在で、的確な指示で戦況を有利に動かしているセアン。


長距離から確実に敵を撃ち抜いて仕留めるコスタ。


兵隊の弱点を見抜き、そのことを素早く仲間に伝えるサブリーダー的存在のケアノス。


二つのナイフを使い、素早い動きで兵隊を翻弄しつつ撃破するライア。


手にしている大剣を上手く使って圧倒的攻撃力とリーチで敵を倒すラージュ。


ピラータ姉妹が厄介だと像は考えたが、一番厄介なのが誰か像は理解した。像が考えをまとめた直後、カイトの声が響いた。


「うおおおおおおおおおおおお!」


 カイトは刀の力を使い、水を発して凍らせてスケートのように滑って素早く動き、像の顔の前に移動していた。


「あんたには恨みはないが、あんたを斬る!」


 そう言って、カイトは刀を振るった。


「ぐっ! いい一撃を撃つではないか!」


 像は声を上げ、ゆっくりと後ろに下がった。攻撃を受けたせいか、ピラータ姉妹が相手にしている兵隊の数が急に減った。


「あの像、防御力が高いと思ったけど、普通に攻撃が通用するのか」


「いいこと知ったね! これで攻撃を与えても意味があるってことが分かったよ!」


「ナイスカイト! 皆、カイトに続くよ!」


 像がダメージを負ったと察したピラータ姉妹は、一斉に像に襲い掛かった。


 像が一番厄介な戦士だと思ったのはカイト。カイト自身大した魔力はないのだが、彼が手にしている神から受け取った刀が像にとって厄介な代物であり、それを自由に扱うカイトが厄介だと像は考えた。


 像はピラータ姉妹の攻撃を受けるが、大したダメージではなかった。像はカイトを倒すため、彼一人に狙いを定めることにした。


「その変な剣を持つ少年、まずお前から倒そう!」


「俺が狙いか! いいぜ、かかって来いよデカブツ!」


 宙にいるカイトは、襲い来る像を見てどう動くか考えた。


 創造の力の名前はそのまんまです。当時書いていた時、どんな名前をしようと考えたが、結局浮かばなくてそのまんまの名前にしました。高評価とブクマをお願いします!

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