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動く屍たち


 ガイコツとなったブラッディークローの団員を見て、哀れに思うカイトとコスタとラージュ。そんな中、ガイコツが身に着けている宝石類を剥ぎ取っていたセアンが何かを見て悲鳴を上げた。


「助けて! こいつら急に動き出した! 気持ち悪い!」


 何と、ガイコツが動き出し、セアンの右手を握っていたのだ。恐怖のあまり動けなかったセアンだったが、ライアが急いでガイコツの腕を蹴り飛ばした。


「大丈夫セアン? 変なことされてない?」


「ありがとう。エッチなことはされてないから大丈夫だよ」


 セアンは右手にくっついているガイコツの手を手で払って地面に落とした後、足で踏んで粉砕した。ケアノスはセアンを見て、ため息を吐きながらこう言った。


「セアン、あんたが宝石とか盗むから! 天罰が当たったのよ。いくらブラッディークローの連中だからって、物を盗むのはよくないわよ。私たち海賊だけど」


「そんなこと言われても動いたからには仕方ないよ! そもそも、ガイコツが動くだなんて思ってもいなかったよ!」


「ケアノスの言う通り、罰が当たったのかな……恐ろしや恐ろしや……」


 ライアは周囲のガイコツを見て困った顔でこう言った。カイトたちはセアンの援護に向かおうとしたが、近くに落ちていたガイコツも動き出し、カイトの前に立ちはだかった。ラージュは大剣を手にし、迫るガイコツを睨んだ。


「いろいろなことが起こる洞窟ね。でもまぁ、私たちに襲い掛かってくる以上、返り討ちにしてあげるわよ!」


「死んだ人をもう一度ぶっ飛ばすのは縁起が悪そうだけど……今回は仕方ないよな! 俺はもう一度死にたくねーし!」


 そう言って、カイトは目の前のガイコツを刀で一閃した。だが、後ろから別のガイコツがカイトに襲い掛かった。ガイコツの奇襲が来る寸前にラージュがカイトの援護に入り、大剣を振るってガイコツを薙ぎ払った。


「悪いラージュ。助かった。また死ぬかと思った」


「お礼は後でいいわ。それよりも、まだ奴らは残っているわ。気を抜かないで」


 ラージュの言う通り、この周辺には立ち上がったガイコツが多数いる。カイトはやるしかないと心の中で呟き、刀を構えた。その直後、三体のガイコツがカイトに襲い掛かった。カイトは最初の一振りでガイコツを一閃し、二振り目で別のガイコツを倒そうとした。しかし、二振り目を受ける寸前にガイコツは体を反らし、攻撃をかわした。


「ヤベッ! 脳みそはないのに、それなりに反応はいいのかよ!」


 攻撃をかわされたのを察したカイトは、反射的に後ろに下がった。その選択がよかった。何故なら、二振り目の攻撃の隙を狙った別のガイコツの攻撃をかわすことができたのだ。


「マジでやばかった……下手したら首がぶっ飛んでた……」


 冷や汗を流しながら、カイトは呟いた。その直後、コスタの弾丸が残ったガイコツを撃ち抜いた。カイトはコスタの方を見てありがとうとハンドサインを送ると、コスタもどうもとハンドサインを返した。それと同時に、セアンの声が響いた。


「今度はこっちの番だよ! このまま全滅させてやる!」


 セアンはカトラスとハンドガンを持ち、周囲のガイコツを相手に戦っていた。セアンの攻撃は一発で確実にガイコツを仕留めていた。しかし、いくら一発でガイコツを仕留めることができても、段々とガイコツの数は増えて行った。セアンはガイコツがどこからか来ていることを察していたが、どこから来ているのか分からずにいた。


「もう! どこからこのガイコツは湧いて出ているのよ! ゲームの雑魚敵じゃああるまいし!」


「まさか……あの部屋から!」


 ケアノスは針天井の部屋を見てこう言った。ケアノスの言葉通り、針天井があった部屋から次々とガイコツが現れていたのだ。


「あの罠の部屋にいたガイコツも来ているのね。それなら一か八か、これでどうだ!」


 これ以上ガイコツが増えたら時間がかかる。そう思ったライアは針天井の部屋の入口に向かい、風の魔力を発して入り口を塞いだ。


「細かい風のミキサーだ。無理矢理通ろうとすれば、バラバラになっちゃうよー」


 そう言いながら、ライアは部屋の中のガイコツを見た。ガイコツは風のミキサーが入り口を塞いだのにも関わらず、部屋を抜けようとした。その瞬間、ガイコツは風のミキサーによってバラバラにされ、粉状になってしまった。


「よし! これで数は増えない!」


 入り口を塞いだ後、ライアはセアンたちの援護に向かった。




 戦いが始まって数分が経過した。カイトが目の前のガイコツを一閃し、斬られたガイコツは地面に倒れ、地面に直撃した衝撃で骨は周囲に散乱した。


「の……残りは? まだいるか?」


「今のガイコツで最後みたい」


「お……終わったー。やっと倒した」


 全てのガイコツを倒した後、カイトたちはその場で横になった。


「覚えているだけで、俺はニ十体ほど斬ったな」


「私もカイトと同じくらい」


「弾丸……この探検が終わるまでもつかな?」


「もうガイコツとは戦いたくない。面倒だわー」


 カイト、セアン、コスタ、ケアノスは息を切らせながらこう言った。だが、ばてた表情のライアが四人にこう言った。


「皆……援軍を塞いだの……私ってこと忘れないでね……出した風をその場に長時間設置するの、魔力と体力を使うから……あと精神力も」


「お疲れ様ですライアさん。あなたのおかげで助かりました」


 四人はライアの方を向いて、頭を下げた。そんな中、ラージュが笑みを見せてカイトたちに近付いた。


「お疲れなら、私が作ったエナジードリンクでも飲む?」


 そう言っているが、ラージュが持っているエナジードリンクらしき水は、紫色の液体で、煮えた液体でも入っているかのごとく、泡が吹いている。さらに、魚の骨のような変な骨も水面から見えていた。


「ねぇ……これ、本当にエナジードリンクなの? 飲み物とは言えない色をしているし、煮えてもいないのに泡も出てるけど」


 不審に思ったセアンは、恐る恐るラージュにこう聞いた。


「ええ。いろんな薬草を混ぜてジュースっぽくしたエナジードリンクよ。魚の骨もあるからカルシウムも直で取れるわ」


「ジュース? 毒薬の間違いじゃあないよね? それ、飲んでも大丈夫……と言うか、一度試しで飲んだ?」


「いいから飲みなさいな」


 と言って、無理矢理カイトたちに飲ませようとした。飲んだら死ぬ。そう思ったカイトたちは早急に立ち上がり、ラージュから走って逃げた。


「あ! ちょっと待ちなさい! 人数分作ったのよ、もったいないから飲みなさーい!」


「ちょっと、置いてかないでー! 置いて行くなんて酷いよー!」


 カイトたちを追ってラージュは走り出した。その後を追うように、ライアは立ち上がって急いでカイトたちの後を追って走って行った。


 しばらく走っていると、カイトたちの目の前に扉が現れた。それを見たセアンは、次の試練があると察し、カイトたちを見てこう言った。


「どうやら休んでばかりじゃいられないね!」


「そのようだな。まだ試練は続くのか」


「やるからにはやる。それしかないわね」


「少しは休みたいけど……セアンの言う通り、休んでばかりじゃいられないわ」


 その後、ラージュとライアが追いつき、目の前に次の部屋があると察した。


「あらあら。もう次の試練ね」


「変な試練じゃなきゃいいけど……その前に何か対策とか練った方がいいんじゃない?」


 ライアがセアンにこう言ったが、セアンはニコッと笑ってこう言った。


「あれこれ考えるのはその時でいい。さぁ、行こう!」


 セアンがそう言った後、カイトたちは次の試練の部屋に入った。


 海賊ってどうしてガイコツが関係しているのが多いんだろう。海賊旗も頭蓋骨だし。そこんところが分からない。時間があればググってみよう。


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