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ガーティブとの決戦


 ロスの部下を倒した後、カイトたちは急いで遺跡の奥へ向かって走った。


「下手したら、先に向かった奴がメダルを手にしているかもしれない」


「それはそれでチャンスかもね。守護者と戦って疲れて魔力もない状態だし、戦いになっても勝てるかもしれないよ」


 セアンの言葉を聞いたメリスは、ため息を吐いてこう言った。


「私としては、あまり卑怯な手を使って戦いたくないけど」


「メリス。海賊の世界では、宝の奪い合いが常にあるのよ。喧嘩のルールがないと一緒で、宝の奪い合いもルールがない。卑怯も何もないのよ」


 と、ラージュがメリスにこう言った。しばらく走っていると、開いたままの扉がカイトたちの目に入った。カイトは部屋の奥を見ると、そこには守護者らしき男性と、剣を持って立っているガーティブの姿があった。


「あいつ……」


 カイトはガーティブの姿を見て、刀を鞘から抜いた。セアンたちも武器を持ち、部屋の中に入った。


「君たち……ロスさんやロスさんの部下を倒したんだね」


「ああ」


 カイトは短くこう答えると、ガーティブを睨んだ。カイトの視線を感じたガーティブはため息を吐き、剣を手にした。


「一度、君を斬ったはずなんだけど……また僕と戦うつもりですか?」


「そのつもりだ!」


「あれから二年少し、リラゴさんやロスさんを倒すほど強くなったと見えますが、まだ僕には勝てないですよ」


「うるせーよ。やってみねーと分からねーだろうが」


 と言って、カイトはガーティブに襲い掛かった。ガーティブはカイトの攻撃を防御したが、その隙を狙ってセアンとコスタが発砲した。ガーティブは素早くカイトを蹴り飛ばし、飛んでくる弾丸を切り落とした。その動きに合わせ、ライアがガーティブに接近して攻撃を仕掛けた。


「素晴らしいチームプレイですね」


 ガーティブは素早く剣を振るい、ライアの攻撃を対処した。


「そんな……攻撃が一発も入らない!」


 ライアは宙返りしながら後ろに下がり、ガーティブとの距離を開けた。ガーティブは下がったライアを見たが、その直後に後ろを見た。そこには、大剣を構えて飛び上がっているラージュの姿があった。


「はァァァァァァァァァァ!」


 ラージュは叫び声を上げながら、大剣を振り下ろした。


「この勢いは……普通のままじゃ防御できないな」


 ガーティブは少し魔力を開放し、ラージュの攻撃を受け止めた。だが、その隙を狙ったようにメリスがガーティブに接近し、剣を振るった。メリスの剣はガーティブの脇腹を斬った。


「うぐっ! 酷いことをしますね!」


 ガーティブはラージュの攻撃を防御したまま、魔力を開放した。その時に発生した衝撃波のせいで、ラージュとメリスは吹き飛んだ。


「うわぁ!」


「ううっ!」


 吹き飛ばされたラージュとメリスは、天井や壁に激突して悲鳴を上げた。周りを見たガーティブは、近くにカイトたちがいないことを察してすぐに治療をしようとしたが、カイトがガーティブに向かって風の刃を放った。


「治療の隙を与えてくれないんですか……」


 ガーティブはそう呟きながら、片手で風の刃を粉砕した。その時、カイトはガーティブの死角から攻撃を仕掛けた。




 シブヤ島のメダルの守護者、ラーソンはカイトたちの動きを見て笑みを浮かべていた。


 いいねいいね。強敵相手にチームプレイで挑んでいるのか。一対多数の場合、一人の方を応援しちゃうけど……まぁ、あいつも強いから、五分五分ってところかな。


 ラーソンは心の中でこう思っていた。カイトの攻撃がガーティブに命中し、勝負あっただろうとラーソンは考えていたが、ガーティブの魔力を感じて笑みを浮かべた。


 こりゃ、五分五分ってレベルじゃないな。あの男の方が、少し強かったね。


 ガーティブの動きを見て、ラーソンはこう思った。




 カイトは間近でガーティブの魔力を感じ、冷や汗を流していた。


 この魔力……強すぎる! 修行を終えた俺よりも……強いのか?


 カイトはそう思っていたが、ガーティブは顔色を変えずにカイトを見た。


「悪いけど、本気で君を斬る。これは殺し合いだ。僕に斬られて死んでも、恨まないでください」


 と言って、ガーティブはカイトを蹴り飛ばした。カイトはすぐに態勢を整え、迫ってくるガーティブを睨んだ。


「カイト!」


 セアンはハンドガンを構え、ガーティブに向かって発砲した。ガーティブは飛んでくる弾丸を見て、剣を振るって弾丸を叩き落とした。ガーティブはカイトを睨み、カイトに向かって剣を振るった。


「グッ!」


 カイトは刀を使って攻撃を対処したが、すぐにガーティブの二回目の攻撃が襲い掛かった。この攻撃もカイトは防御したのだが、ガーティブの動きは素早く、何度もガーティブの攻撃はカイトに襲い掛かった。セアンとケアノスはガーティブに接近し、奇襲を仕掛けた。


「下がってください」


 ガーティブはそう言って、魔力を使ってセアンとケアノスを吹き飛ばした。


「きゃあ!」


「うわっ!」


 吹き飛ばされたセアンとケアノスは悲鳴を上げて後ろに下がった。セアンはすぐにカトラスを構え、ガーティブに斬りかかった。


「邪魔をしないでくださいよ」


 と言って、ガーティブはセアンを蹴った。セアンは防御して、ガーティブに攻撃を仕掛けようとした。そんな中、カイトがこう言った。


「セアン、こいつは俺と一対一で戦うつもりだ!」


「え?」


 カイトの言葉を聞いたセアンは驚き、ガーティブはため息を吐いた。


「やっぱり分かったんですか。僕としては、一対一で戦って、君たちを倒したいんです」


「どうしてだ?」


「僕なりのポリシーです。弱い人は秒で倒し、強い人……戦士は一対一で戦う。強い人は、それなりに誇りを持っていると思うので」


「強者のプライドを守るってことか?」


「悪党とはいえ、僕も剣士としての誇りを少し持っています。気持ちが分かるんですよ」


 ガーティブはそう言うと、魔力を使ってカイトと自身の周りにバリアを張った。いきなり現れたバリアを見て、セアンたちはバリアに近付いた。


「うわっ! これ結構分厚いよ!」


「殴ってもびくともしないわね」


 ライアとラージュはバリアを叩いて壊そうとしたのだが、バリアにひびは入ることはなく、ケアノスやメリスも武器を使ってバリアを破壊しようとしたのだが、無理だった。


「こりゃーカイトが勝つのを待つしかないわね」


 セアンの言葉を聞き、ケアノスたちは動きを止めた。コスタはガーティブと睨み合いをするカイトを見て、小声で頑張ってと言った。




 カイトはバリアを見て、ガーティブにこう言った。


「あんたを倒せば、バリアは解けるってわけか?」


「その通りです。僕も、勝つためにはいろいろとやるので」


「そうか。それじゃ……俺も本気で行くぞ」


 と言って、カイトは魔力を開放した。ガーティブは剣を構えなおし、迫ってくるカイトの動きをずっと見ていた。


「うおォォォォォォォォォォ!」


 大声を上げながら、カイトはガーティブに迫った。振り上げた刀を見て、ガーティブはこう思った。


 まっすぐ剣を振り上げた。このまま、勢いを付けて振り下ろすつもりだ。強い魔力だ。このまま受け止めたら、剣が折れる!


 防御するよりも回避することを選択したガーティブは、刀の動きを見て横に移動して斬撃をかわした。だが、カイトは笑みを浮かべた。


「今だァァァァァァァァァァ!」


 カイトは再び叫び声をあげ、刀に力を込めて振り下ろした。刀は振り下ろされた位置、ガーティブのすねと同じ高さにあった。そのまま斬撃が襲ってきたため、斬撃はガーティブの右足のすねに命中した。


「なあっ!」


 足を斬られたため、ガーティブはバランスを崩して倒れそうになった。


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