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キータマ島の遺跡の守護者


 リラゴに倒されたカイト、コスタ、ケアノスだったが、援護にきたメリスたちシーポリスの戦士によって助けられた。その後、先に遺跡へ向かったシアンたちを追いかけて遺跡へ向かったが、そこにあったのは質素な罠だった。


「何これ? かなり適当な罠ね」


 コスタは細い綱でくくられている先端が尖った丸太を見て、呆れてこう言った。メリスは丸太の先端を見て、血が付着していることを察した。


「それでもこの罠を受けてダメージを負った人がいるわね。血が付いているわ」


「でも、一度使った罠はもう使えないわよね……ここの守護者は一体何を考えているのかしら?」


「ああ。何がなんでも適当すぎる」


 カイトとケアノスは首をかしげながらこう言った。




 そんな中、シアンたちは遺跡の奥にいた。守護者と思われる天然パーマの男がいたのだが、その男はいびきをかいて寝ていた。


「ねぇ、あの人が守護者なのかな?」


「多分そう」


 ライアとシアンは短い会話をした後、天然パーマの男に近付いた。


「もしもーし。あのー」


 ライアの声を聞いた天然パーマの男は目を開き、あくびをしながら起き上がった。


「んあぁぁぁ……あん? 誰だテメーら? 俺はデリヘル呼んだ覚えはねーぞ」


「私たちはデリヘル嬢ではありません。全知の剣の封印を解くためのメダルを取りにきたんです!」


 シアンがこう言うと、天然パーマの男は首を回し、シアンに言葉を返した。


「メダルをねぇ……それじゃあ、戦う……でも、めんどくせーしなぁ」


「この人、やる気はあるのかしら?」


 面倒くさそうな態度の天然パーマの男を見て、ラージュは呆れてこう言った。しばらく天然パーマの男は何かを考えていたが、何かを思いついて座った。


「戦うのめんどくせーし、メダルはやるわ」


「いや、そんな適当でいいんですか? 他の守護者は戦ったのに」


「うちはうち。よそはよそ。俺はほかの連中と違って、戦闘狂じゃねーからよー」


 そう言って、天然パーマの男はポケットを探り始めた。


「あれ? おかしーなー。確かポケットの中に突っ込んだはずなのに。え? マジでない。うーん……便所か? あ、確かなーんかカランって音が聞こえた覚えが……悪い。ちーっと待ってくれ」


 と言って、天然パーマの男は急いでどこかに行ってしまった。


「なんか変な人だね」


「悪い人じゃなさそうね」


 天然パーマの男の言動を見て、シアンとライアは呆れつつも、楽にメダルを手に入れることができると思い、少しうれしく思っていた。だが、再び天然パーマの男の声が聞こえた。


「うっげぇ! 便器の中に落ちてた!」


 この言葉を聞き、シアンたちの体が固まった。それからしばらくして、木の棒をはしのように使って濡れているメダルを掴み、その濡れているメダルから目をそらしている天然パーマの男がやってきた。


「どもー。これがメダルでーす」


「ちゃんと拭けェェェェェェェェェェ!」


 シアンたちは大声で叫びながら、天然パーマの男の顔面に向かって飛び蹴りを放った。




 天然パーマの男がメダルをちゃんと拭き、消毒したことを確認したシアンは、メダルをリュックに入れた。


「さーて、一度戻りますか」


「だね。カイトたちが不安だし」


「魔力の衝突を感じたわ。無事だといいんだけど」


 メダルを手に入れたシアンたちは、カイトたちと合流しようと考えた。だが、天然パーマの男があくびをしてこう言った。


「変な連中がこっちに向かっているぜ。帰りには気をつけろよ」


 天然パーマの男の言葉を聞き、シアンたちは武器を構えた。数分後、プイーエ海賊団の船員たちが部屋に入ってきた。


「ここがゴールか」


「おい、見ろ! ピラータ海賊団のシアンたちだ!」


「クソッ! あいつらが先にメダルを手に入れやがったのか!」


「だったら、殺して犯して奪えばいい!」


 プイーエ海賊団の船員は、武器を持ってシアンたちに襲い掛かった。シアンはカトラスとハンドガンを構え、襲ってくるプイーエ海賊団の船員に反撃した。


「あんたらみたいな雑魚が、私を倒そうだなんて思わないで!」


 攻撃を受けたプイーエ海賊団の船員たちは、悲鳴を上げながら宙を舞った。別の船員は、ライアとラージュの方を見て、そっちに襲い掛かった。


「シアンが勝てないなら、あいつらを狙え!」


 ライアとラージュは襲ってくるプイーエ海賊団の船員を見て、大きなため息を吐いた。


「シアンに勝てないからって、私たちに襲い掛かるなんてねぇ」


「あいつら、なーんにも分かってないわね」


 話をしていると、プイーエ海賊団の船員の一人が剣を持って、ライアに向かって襲い掛かった。


「ヒャッハー! まず一人!」


 と言って、船員はライアに向かって剣を振り下ろした。ライアはその動きを察しており、船員の攻撃をかわして素早くナイフを振るって反撃をした。


「えがぁっ……」


「動きが見え見えなのよ」


 ライアはそう言って、ナイフで一閃した船員を蹴り飛ばし、他の船員を見た。


「おい……嘘だろ」


「あんなに早いなんて……」


「見切れねーよ、あんな動き」


 ライアの動きを見た船員は動揺し、戦意を失っていた。だが、大剣を持ったラージュに襲われた。


「ぐわァァァァァ!」


「クソッ! こっちは何も構えてないのに!」


「いきなり襲ってくるなんてずるいぞ!」


 ラージュに攻撃されている船員は、悲鳴を上げながらこう言ったが、その言葉はラージュに届くことはなかった。


 天然パーマの男は、シアンたちの戦いっぷりを見て、声を上げていた。


「へぇ。こりゃーすげぇ。やっぱりあの子たち、かなり強いな」


 笑いながらそう呟くと、プイーエ海賊団の船員が天然パーマの男に襲い掛かった。


「お前も仲間か?」


「俺が仲間? ちげーよ間抜け。俺はギンヤシャ。このキータマ島の遺跡の守護者だコノヤロォォォォォ!」


 ギンヤシャは剣を持ち、プイーエ海賊団の船員を一閃した。斬り飛ばされた仲間を見た船員は、動揺する声を上げた。


「おいおいおいおい、何だよこいつら」


「明らかに俺たちより強い!」


「勝てない……逃げるしかない! リラゴさんや、他の仲間には悪いけど、俺は逃げる!」


 勝てないことを察した船員たちは、悲鳴を上げながら逃げて行った。シアンは逃げた船員を追いかけようとしたのだが、ギンヤシャが止めた。


「雑魚はほっとけ。あんなのにかまっている暇はねーぞ。見ろ、残っている奴がいる」


 ギンヤシャの言葉を聞き、シアンは周囲を見回した。そこには、その場に残った船員がいた。ライアは魔力を探知し、シアンにこう言った。


「あいつら、結構強い魔力を持ってるよ」


「へぇ、私たちに勝てると思っているようね。上等」


 シアンは笑みを浮かべつつ、その場に残った船員の元へ向かった。


「あんたら、私たちと戦うつもりなの?」


「そのつもりだ。俺たちの実力なら、お前たちを倒すことができる」


 残った船員の言葉を聞き、シアンはにやりと微笑んだ。


「自信があるようね。面白いじゃない。徹底的にやるから、覚悟しなさいよ」


「それはこっちのセリフだ。ブラッディクローの邪魔をするピラータ海賊団は……ここで潰す!」


 と言って、シアンと残った船員は武器を持ち、戦いを始めた。ライアは周囲を見て、他にも残った船員が二人いると察した。


「他にも残った奴がいるね」


「数は二人。しかも女。どうする? 一対一でやりあう?」


「そうだね。魔力は強いけど、一対一でも問題ない」


「じゃあ、始めましょうか。ライア、あまり怪我をしないでね」


「うん」


 ライアとラージュは会話を終わらせ、残る二人に向かって走り出した。ギンヤシャはその場に座り、始まろうとしているシアンたちの戦いを見ることに決めた。


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