巨大蜘蛛の乱入
試練と言う名の罠を突破したカイトたち。試練で流れてきた海水のせいで濡れた服を乾かす中、巨大な蜘蛛が上から落ちてきた。巨大な蜘蛛は牙のような物を動かしながら、ゆっくりとカイトたちの元へ近づいてきた。
「ウワッ、気持ち悪い。でかくなるとかなりキモいな」
巨大蜘蛛を見たカイトは、思わず本音を漏らした。セアンはカトラスとハンドガンを持ち、戦いの準備をした。
「皆、こんな姿だけどバトルだよ」
「一発でも攻撃を喰らったらやばいね。タオル一枚じゃあ防御面で不安だよ」
と、コスタはライフルを手にして後ろに下がった。ケアノスは仕方ないと呟きつつ立ち上がり、ライアは両足に魔力を溜めていた。カイトも戦う気を起こし、刀を握ったが、ラージュが近付いてこう言った。
「あいつはアマーンスパイダーっていうの。強い毒を持っているから気を付けてね」
「もし、刺されたらどうなる?」
「半日で死ぬわ。でも大丈夫。魔力を使った治療でどうにかなる。それに、あいつはでかいだけ。攻撃さえ受けなければ勝てる」
話し終えた後、ラージュは高く飛び上がった。それに合わせ、コスタはアマーンスパイダーの頭に向けて発砲した。放たれた弾丸はアマーンスパイダーの額に命中したが、弾丸は頭の奥まで届かなかった。
「弾を受けてもピンピンしてる。あいつの頭、固いのか?」
弾丸が額にめり込んだアマーンスパイダーを見て、カイトはセアンにこう聞いた。セアンはすぐにカイトの方を向いて答えた。
「うん。あいつの特徴は毒以外にも、体が硬いの。それと、あいつの足に気を付けて。結構鋭いし、足の先からも毒を出すから。ウワッと!」
会話中にアマーンスパイダーの毒がカイトとセアンに向かって飛んで来た。セアンはカイトに抱き着く形で毒をかわし、カイトを抱きながらアマーンスパイダーを睨んだ。
「もー、話している隙を狙うなんて酷い蜘蛛だなー」
「あの……そろそろ放してくれないか? 息が苦しい……」
と、セアンの胸で窒息仕掛けているカイトがこう言った。セアンはごめんと謝りながら、カイトを開放した。そんな中、アマーンスパイダーは二人に襲い掛かった。だが、背後にいたケアノスとライアがアマーンスパイダーを襲った。
「もう、いちゃつくなら船の中でやりなさいよね」
「今は戦いに専念してー! イチャイチャしている場合じゃないよー!」
ケアノスはレイピアに魔力を溜め、風の刃を放出した。攻撃は命中し、アマーンスパイダーの背中部分にひびが入った。それに目がけ、ライアは風の刃をいくつも放出し、アマーンスパイダーに攻撃した。そして、アマーンスパイダーの背中が割れた。背中が割れ、痛みを感じたアマーンスパイダーは悲鳴を上げた。その隙にカイトとセアンはアマーンスパイダーから離れ、魔力を開放した。いざ攻撃を仕掛けようとしたカイトだったが、上を見たセアンがこう言った。
「ちょっと待ってね。まだ攻撃は終わってないよ」
その直後、上空にいたラージュが大剣を振り下ろしながら落下し、アマーンスパイダーに強烈な一撃を与えた。この攻撃でアマーンスパイダーの背中に大きな傷ができ、緑色の血が噴水のように放出した。カイトは戦いが終わったと思ったのだが、それでもアマーンスパイダーは生きていた。
「あらまぁ、タフねぇ。でかくなると、生命力も上がるのかしら」
地面に着地したラージュは、大剣をしまいながらこう言った。ケアノスがラージュに近付き、呑気ねぇと言った後、カイトとセアンにこう言った。
「セアン! カイト! とどめは任せたわよ。今の奴は弱っているから、二人が攻撃すれば倒すことができるはず!」
「了解! それじゃ、一発かましますか!」
セアンは左手のハンドガンを三発発砲した。放たれた三弾の弾丸はアマーンスパイダーの額に食い込んでいるコスタのライフル弾に向かって飛んで行った。最初の一発がライフル弾に命中し、さらに奥へめり込ませ、続く二発目でライフル弾はアマーンスパイダーの額を貫いた。そして、三発目で一発目、二発目の弾丸が押し出され、更にアマーンスパイダーに傷を負わせた。
「カイト、後はお願い! あと一発で奴を倒せると思うから!」
「おう! 任せてくれ!」
カイトは魔力を開放し、刀を握った。弱ったアマーンスパイダーに接近し、頭に狙いを定めて刀を振り下ろした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
気合の入った叫び声と共に、カイトは刀を振り下ろした。振り下ろされた刀の刃は、アマーンスパイダーの頭を一閃した。頭を斬られたアマーンスパイダーは弱弱しく動いたが、しばらくしてその場に倒れ、動かなくなった。
「動かなくなった。倒したのか……」
「そうみたいだね。頭を真っ二つに斬られたし、これで動くことはないと思うよ」
「そうか……倒したのか。ふぅ、何とかなった……」
アマーンスパイダーを倒した。それを知ったカイトは、少し疲れたのかその場に座り込んだ。セアンたちもタオル一枚のみでの戦いだったため、一発でも攻撃を受けたら死ぬという極度の緊張感から解放され、安堵の息を吐きながらその場に座り込んでいた。
アマーンスパイダーとの戦いが終わり、しばらくカイトたちは座って心と体を落ち仕えていた。それから数分後、体調と精神面が落ち着いたカイトたちは集まり、話をしていた。
「試練もあるけど、アマーンスパイダーのようにモンスターもいるね。もしかしたら、ここに来たブラッディークローの連中も襲われてやられたかもね」
「ええ。アマーンスパイダーは雑魚だったから対処できたけど、試練の内容によっては面倒になるわ。気を引き締めないといけないわね」
真剣な表情でそう話しているセアンとラージュだが、二人はカイトにくっついていた。
「話すのはいいが、俺にくっつくのはちょっと……恥ずかしいよ」
「下着姿から寒いの。温めてよ」
「そんなことを言っているけど、本当は嬉しいでしょ? こーんなに顔を真っ赤にして」
ラージュは笑みを浮かべながらカイトの頬を触っているが、カイトは照れながらこう言った。
「恥ずかしいだけだよ。早く服が乾かないかな……」
カイトはそう答えながら、ケアノスに助けてくれと訴える視線を送った。話を進めてくれとカイトの助けを察したケアノスは、頷いて話をした。
「とにかく今は服が乾かしましょう。そして、次の試練に向かう。モンスターは出る可能性があるけど、さっきみたいに協力して戦えば何とでもなるわ」
「ケアノスの言う通り。寒いから早く服を乾かそう。風邪をひいたら大変だよ」
と、言いながらコスタはカイトに抱き着いた。いきなり抱き着かれたため、カイトは動揺したが、コスタは安堵した顔で呟いた。
「温かい……やっぱり寒い時は抱き合って暖を取るのが吉」
「俺で暖を……まぁ寒いし仕方ないか」
「私も寒い……カイト、カイロの代わりになって」
そう言って、ライアもカイトに抱き着いた。セアンはずるいと言ってカイトに抱き着きついた。その衝撃で、カイトたちは後ろに倒れてしまった。ケアノスはこの状況を見て、やれやれと思っていたが、ラージュは面白そうに笑みを浮かべていた。ケアノスは倒れたカイトたちを立ち上がらせて、こう言った。
「遊んでいる場合じゃないわよ。早く服を乾かして先に進むわよ」
「そうだな。ケアノスの言う通りだ」
「だね、とりあえずすぐに服が乾くようにいろいろとやってみるよ」
と言って、カイトたちは服がすぐに乾くようにいろいろとやってみた。
虫が嫌いな人はたくさんいると思います。仕事柄、よく虫が出る仕事場なので逃がすために触らざるを得ない状況が多々出ます。そのせいか、昔苦手だった蜘蛛とかはそれなりに平気になりました。ただ、ムカデとかハチとか刺されたら痛い奴は苦手だけど。
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