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リラゴの傘下


 ピラータ海賊団を倒すため、リラゴは動き出すことを決めた。今まで傘下の海賊団がピラータ海賊団に戦いを挑み、破れて散った。


 このまま雑魚に任せていたら、ピラータ海賊団を倒すことは不可能。あいつらを倒すためには、私たち幹部じゃないとダメなようだ。


 そう考えたリラゴは、ピラータ海賊団が予想以上の力を手に入れていると察し、楽しみのあまり体がうずうずしてきた。


 リラゴは自室に戻り、電話の受話器を取って連絡を始めた。


「もしもし、私だ。リラゴだ」


 電話の相手はリラゴからの電話を知り、慌てた声を発した。リラゴは笑いながら言葉を続けた。


「そんなに慌てんなよ。私らの仲じゃないか。連絡したのは、あることを頼みたいからだ。聞いて驚くなよ? ピラータ海賊団を倒すため、私が動く。そのため、私を迎えにきてほしいんだ」


 リラゴの言葉を聞いた電話の相手は、すぐに了承の返事をした。返事を聞いたリラゴは、笑みを作って言葉を発した。


「ありがとう。私はいつもの場所にいる。で、あんたは今どこにいるんだい? そうか、ドッコイ島か。あそこなら、私がいる島までは半日で到着するかもな。急いでくるから半日もかからない? そうか、少し急いでくれ。だけど、急ぎすぎて事故を起こすのは止めてくれよ。それじゃ、待ってるから」


 電話を終えたリラゴは出かける準備を始め、いずれ戦うであろうピラータ海賊団の戦力を考え、楽しみのあまり笑みを浮かべていた。


 翌日、リラゴは今いる島の外にいた。どのタイミングで傘下の海賊団が迎えにくるのか分からないため、リラゴは外に出ていたのだ。そんな中、巨大な鳥のモンスターが上から現れた。


「おっ、モンスターか」


 リラゴは後ろに下がり、鳥のモンスターの攻撃をかわした。攻撃をかわされたことを察した鳥のモンスターは、すぐに後ろに下がったリラゴの方を向いた。


「へぇ、鳥の割に頭は回るんだね。鳥は三歩歩いたら記憶を失うって聞いてたんだけどね」


 笑いながらリラゴはこう言うと、鳥のモンスターは再びリラゴに襲い掛かった。リラゴは避ける構えをせず、その場で立っていた。鳥のモンスターのくちばしが近づいた直後、リラゴは大きな両手でくちばしを掴んだ。


「捕まえた」


 と、笑いながらリラゴはこう言った。そして、両腕に力を込め、武器を振り回すかのように鳥のモンスターを振り回した。勢いよく振り回されるため、鳥のモンスターは奇声を上げていた。


「うるせーんだよ、鳥野郎!」


 リラゴは力を込めて、鳥のモンスターを地面に叩きつけた。この一撃で、鳥のモンスターは命を落とした。


「さーてと、まだ迎えはこないようだし、腹ごしらえをしようかねー」


 そう言って、リラゴは鳥のモンスターの羽をむしり始めた。数分後、鳥のモンスターは骨だけになっていた。リラゴが口の周りに付着している食べかすをふき取る中、持っている携帯電話が鳴り響いた。


「もしもし? え? もうすぐで到着する? ありがとな、連絡してくれて」


 リラゴがそう言うと、遠くに見える海賊旗を見て、にやりと笑った。しばらくして、リラゴの傘下の海賊団の船がリラゴの近くに到着した。


「リラゴさん、お久しぶりです」


「ああ。私のわがままに応えてくれてありがとな」


 リラゴはそう言った後、海賊船に乗り込んだ。リラゴの姿を見た船員たちは、一斉に挨拶をした。


「ようこそリラゴさん! 我ら、プイーエ海賊団へ!」


「ははっ、そんな堅苦しい挨拶はしなくていいのに」


「礼儀は必要なので、教えました」


 と、プイーエ海賊団の船長がこう言った。その後、船長はリラゴに近付き、帽子をリラゴに渡した。


「これからはあなたが船長です。私たちは、あなたの部下となります」


「いろいろと悪いな、私が船長だなんて」


「あなたはブラッディクローの幹部、私たちより上の立場にいます。この世は弱肉強食。弱い者が強い者に従う。私たちはルールに従うまでです」


 船長の言葉を聞いたリラゴは、帽子を装備し、周りを見回してこう言った。


「よし! 今からすることを伝える! キータマ島に向かって、全知の剣の封印を解くメダルをピラータ海賊団より早く手に入れる! そして、私たちブラッディクローの怨敵ピラータ海賊団を始末する! 分かったか?」


 リラゴの言葉を聞いた船員たちは、大きな声を上げた。皆やる気だと察したリラゴは、力強く右腕を前に突き出した。


「よし、出航! 目標は、キータマ島!」


「了解! お前ら、今すぐに出港準備だ!」


 その後、リラゴを乗せたプイーエ海賊団の船は、勢いよく動き出した。




 キータマ島に到着したカイトたちだったが、夜遅く到着したため、ヴィーナスハンドの中で一泊し、朝になるのを待っていた。朝になり、カイトは目を覚まして外を見た。


「朝だと、普通の島に見えるな」


 カイトは、遠くから見たキータマ島を思い出しながらこう言った。色鮮やかなライトが照らされ、夜でも昼のように明るい印象があったが、今はそのライトは点灯されておらず、港もかなり静かだった。


 起きて着替えをしたカイトは、あくびをしながら部屋を出た。リビングには、すでに起きていたケアノスがコーヒーを飲みながら、後ろのモニターを操作していた。


「おはよう、ケアノス」


「あらカイト。おはよう」


 ケアノスはモニターから顔を出し、カイトにこう言った。カイトはケアノスの横に移動し、何を調べているのか聞いた。


「キータマ島のことを調べているのか?」


「ええ。噂ではいろいろと聞いていたけど……」


 カイトはモニターを見ると、そこには歓楽街のような光景が広がっており、下の画面には淫らな服を着た女性たちが映っていた。それを見たカイトは顔を赤くし、目をそらした。


「キータマ島には、いろんな大人の店があるって本当なのね。夜からいろんな店が開店するらしいけど、誘惑されないようにね、カイト」


「その前に、気を失いそうだ」


 カイトは顔を抑えながらこう答えた。この様子のカイトを見て、ケアノスはカイトが誘惑されないと察し、モニターの電源を消した。その直後、セアンとライアが姿を見せた。


「ごめん、遅くなっちゃった。今から朝ごはんの支度をするねー」


「おはよー。ふぁぁぁ……島のライトが眩しかったから、まともに寝られなかったよ……」


 セアンはあくびをしながらこう言うと、インスタントのコーヒーを用意し、一気に飲んだ。その様子を見たケアノスは、ため息を吐いてこう言った。


「あつあつを一気に飲んだら胃が驚くわよ」


「大丈夫だよ。多分」


「だったらゆっくり飲めばいいのに」


 ケアノスはそう言いながら、コーヒーを用意し始めた。カイトは周囲を見回し、ラジオを手にして電源を入れた。ラジオからは、エロい気分になる音楽が響いた。


「おわっ! 何だこの曲!」


「大人な雰囲気の音楽だねー」


「キータマ島が近いから、ラジオの電波がそっちに合っているみたいね」


 セアンはラジオのチャンネルを変え始めた。だが、どのチャンネルに合わせても、夜の話題やエッチな話題、挙句の果てにはお勧めの風俗街の紹介が流れた。その話を聞いたカイトは、大きなため息を発した。


「何これ? しょーもない話題しか流れない……」


「本当にそうね。キータマ島、入るとしたらいろいろと覚悟を決めたほうがいいかもしれないわ」


「そうね、その辺はコスタとラージュが起きてから話をしようよ」


 そう言いながら、セアンはコーヒーのお代わりを飲んでいた。カイトはあの島に入り、自分の精神がまともでいられるかどうか、不安に思っていた。


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