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外道たちに制裁を!


 ドンパチ島に到着したカイトたちは、港らしき場所に停泊していたネクラレンの海賊船を攻撃し、沈めた。


「船の中に誰もいなかったな。狙われるかもしれないのに、何も考えてない奴らだなー」


 沈んでいくネクラレンの海賊船を見て、カイトはこう言った。その言葉を聞いたラージュは、頷いて返事をしていた。そんな中、魔力を抑えながらセアンがカイトたちの方を振り返り、口を開いた。


「早く先に行こう。奴らが暴れているに違いない」


 セアンの言葉を聞いたカイトたちは、武器を構えて走り出した。




 走り出して数分後、カイトたちは目の前の残酷な光景を見て言葉を失っていた。建物は崩壊し、住人らしき死体がいくつも存在した。


「これは……酷い。やりすぎだよ」


 ライアは近くに落ちていた子供の死体を見てこう言った。男女、老若男女構わず奴らは殺しをしている。そう察したカイトたちはさらに怒りを感じた。すると、ネクラレンの船員たちが走ってやってきた。


「あ! ヤベェ、あいつらはピラータ海賊団だ!」


「クソ! もしかしたらあいつらが俺たちの海賊船を沈めたんだな!」


「だから言っただろうが、一人か二人、見張りを置けって!」


 ネクラレンの船員が話を始める中、瞬時に魔力を解放したカイトとセアンがネクラレンの船員に近付き、攻撃を仕掛けた。


「ガハッ!」


「グッハッ!」


 攻撃を受けたネクラレンの船員は、血を吐きながら宙を舞った。攻撃を仕掛けられたと察したネクラレンの船員は、攻撃の隙をさらしているカイトとセアンに向かって銃を向けた。


「隙だらけだぜ!」


「その口、一生閉じてなさい」


 そう言いながら、ネクラレンの船員の上空から、ケアノスが攻撃を仕掛けた。強烈な攻撃を受けたネクラレンの船員は、小さな悲鳴を上げてその場に倒れた。カイトたちと遭遇して一分にも満たない時間で、三人の仲間がやられた。そのことを察したネクラレンの船員は、悲鳴を上げて逃げようとした。しかし、コスタが逃げようとするネクラレンの船員に向かって発砲した。


「逃がさないよ。お前たちは絶対に許せない」


 そう言いながら、コスタは発砲を続けた。カイトたちの攻撃が続く中、戦意があるネクラレンの船員が武器を持ってカイトたちに襲い掛かった。


「相手は子供だ! この島にいたクソガキと同様にぶっ殺してしまえ!」


「ああ! 俺たちが本気を出せば、あいつらなんて楽に殺せる!」


「誰が誰を楽に殺せるって?」


 話に割り込む形で、ナイフを持ったライアが現れた。ライアの存在を察したネクラレンの船員は武器を構えようとしたのだが、その前にライアは目で追えないほどの速さでネクラレンの船員を攻撃した。


「んなっ……バカな……」


「早すぎ……る……」


 攻撃を受けたネクラレンの船員は、ナイフをしまうライアの後姿を見ながら気を失った。そんな中、銃を持ったネクラレンの船員がライアに銃口を向けていた。


「バカだな。接近戦が無駄なら、遠くから撃てばいーんだよ」


 と言って、引き金を引こうとした。だがその前に、ラージュの大剣がその船員を一閃した。


「ガアッ! 魔力を……感じなかったのに……」


「バカね、ちゃんと周りを見なかったからよ」


 ラージュは大剣を構えると、近くにいた船員に斬りかかった。暴れだしたラージュを見て、ネクラレンの船員は怯え始めた。


「何だよ……こいつら、滅茶苦茶つえーじゃねーか」


「俺たちじゃ手に負えない。ここは船に……」


「バカ野郎! 俺たちの船はこいつらに沈められたんだろうが! クソッたれ、見張りを置けばこんなことにならなかったのによー!」


「見張りがいても、私たちに倒されるのがオチよ」


 ネクラレンの船員たちは、後ろに近付いていたセアンに気付き、悲鳴を上げた。その直後、セアンの攻撃がネクラレンの船員を襲った。




 ネクラレンの船員を一掃した後、ラージュは周囲を見回していた。


「誰かいる。助けましょう」


 ラージュの言葉を聞いたカイトたちは、急いで救助活動を始めた。がれきに埋もれていた人、ネクラレンの船員によって傷を負った人など、様々な人を助けた。


「ありがとうございます……あなたたちがいなかったら、我々は死んでいました」


 治療を受けた男性が、深々と頭を下げた。ラージュは別の人を治療しながらこう言った。


「当たり前のことをしただけよ。その前に、あいつらはどこに行ったか分かる?」


「隣村に行ったと思います……奴ら……そこの村でも暴れているに違いありません」


「そう……分かったわ」


 治療を終えたラージュは、カイトたちを呼んで話を始めた。


「皆、あのクソッたれ共は近くの村に行ったみたいよ。二手に分かれて奴らを倒してくれる?」


「ラージュはどうするの?」


 ライアにこう聞かれた後、ラージュは傷付いて倒れている人たちを見て答えた。


「治療に専念するわ。戦いが終わって、傷付いた人がいたら連れてきて」


「ああ。分かった」


 カイトが返事をすると、ラージュ以外のメンバーは急いで話し合いを始め、二手に分かれて行動を始めた。




 マイダたちは島の森にいた。船員たちが軽食のスープを作る中、マイダは急に立ち上がった。


「どうかしましたか、マイダさん?」


「ピラータ海賊団がきたかもしれませんねぇ」


 マイダの言葉を聞いた船員たちは、声を上げて驚いた。マイダは高い木の上に飛び上がり、周囲を見回した。


「最悪ですね。あの海賊団がもうこの島にくるなんて……参りました、まだ暴れている人たちでは、勝つことはできませんね」


 下にいる船員に向かってこう言ったマイダは、すぐに木の上から飛び降りて近くにいた船員にこう言った。


「暴れている人たちは無視して、私たちはここで一休みしましょう」


「仲間を見捨てていいんですか?」


「ええ。暴れることしか能がない能無し共は、ここで散ってもらいましょう。まぁ、休憩時間の時間稼ぎにはなると思いますが」


 仲間を見捨てるような発言をしたマイダを見て、船員たちは恐怖のあまり恐怖を失った。そんな中、マイダは作っているスープを愛用のスプーンですくい、味見をした。


「いい味ですね。私好みのコンソメの味です。そろそろ食事にしましょうよ」


 立ち尽くす船員を見ながら、マイダは笑顔でこう言った。




 カイトたちはネクラレンの船員を殲滅し、ラージュの元へ戻っていた。ラージュは多数の怪我人を見て、ネクラレンが憎いと思っていた。


「あの野郎は絶対に許せないわね。半殺し以上の痛い目を見せないと……」


 そう言いながら、ラージュは禍々しいオーラを発していた。そのオーラを見たカイトは、ラージュを恐ろしく感じた。


「あれだけ怒るラージュも珍しいが……気持ちは分かる」


「だね。それよりも、ラージュの手伝いをしないと」


 セアンはそう言いながら、ヴィーナスハンドから新品の包帯を持ってきていた。


 その日の夜、ライアが非常用の大型食用モンスターの肉を調理し、島の人々に分けていた。


「ありがとうございます。ありがとうございます。あの連中が何もかも奪ってしまったので……食べるものも何もかもが……」


 そう言いながら、島の人たちは涙を流していた。ケアノスは涙を流す島の人たちを見て、優しくこう言った。


「シーポリスに連絡を入れました。明日以降、シーポリスから援助がきます」


「連絡をしてくださったのですね! 本当にありがとうございます……」


 島の人たちは、カイトたちを拝みながら泣き始めた。カイトは少し照れていたが、セアンは笑っていた。そんな中、コスタが島の人にこう聞いた。


「奴らはこの島にある遺跡を狙っているの。何か分かることがあったら、教えてください」


「あの連中を倒してくれるなら、話しましょう」


「ええ。絶対に倒します。何が何でも必ず!」


 力強く返事をするコスタを見ながら、カイトたちは頷いた。


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