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残りのメダルの行方


 カイトはあくびをしながら部屋の外に出た。すると、隣の部屋にいたサマリオも同時に部屋を出ていた。


「やぁおはよう、カイト君」


「おはようございます、サマリオさん。昨日はありがとうございました」


「いやいや、私たちとしては当然のことをしただけだよ」


 サマリオは頭を下げるカイトに対し、笑顔でこう言った。その後、二人は水道へ向かい、顔を洗っていた。そんな中、カイトはクラッチハートのことが気になり、サマリオにこう聞いた。


「クラッチハートはもうシーポリスへ送ったんですか?」


「ああ。船長のムイジが死んだせいか、生き残った船員たちは皆闘志を失っていたな」


「船長が死んだからですかね」


「そうだろうな。中心的な人物が死んだら、何をすればいいか分からないもんだし」


 サマリオはそう言ってタオルで顔を拭いた。拭き終えた後、カイトにこう言った。


「部屋に戻ったら、セアンたちに全知の剣のメダルに関しての話があると伝えてくれ。キッチンで待っているよ」


 この言葉を聞き、カイトは返事をした。その後、カイトは部屋に戻った。


「皆、サマリオさんから伝言があるんだけど」


 そう言いながらカイトは扉をノックしたが、いきなり扉が開き、セアンがカイトを部屋の中に無理矢理入れた。


「んなっ! 急に何なんだ?」


「むふふー」


 カイトを押し倒したセアンは満面の笑みを浮かべていた。セアンの姿を見たカイトは目を開いて驚いた。


「おわっ! 着替え中だったのか。すまん!」


「気にしてないから別にいいよー。それよりもさ……今ちょーっとだけムラムラしててさー」


 そう言って、セアンは無理矢理カイトにキスをした。


「ちょ……ちょっと待てよ……サマリオさんから話が……」


 カイトはサマリオから話があることを伝えようとしたのだが、そんなことに構わずセアンはカイトに手を出していた。


「ぬふふ……話はあとでいいんだよー」


「よくないわよアホ」


 ここでケアノスが現れ、暴走するセアンの頭にチョップを放った。大きい音が周囲に響いたため、かなり強い力で放たれたとカイトは思った。


「あっだぁぁぁ……」


「朝からバカなことをしない。私だってたまにムラムラするけど、あんたみたいに暴走しないわよ」


「ごめんなしゃい……」


 ダメージを受けたセアンは頭を抑えながらうずくまった。そんな中、ケアノスはカイトの方を見てこう言った。


「サマリオから話があるって言っていたけど、どんな話?」


「全知の剣のメダルに関して。重要な話だから、準備してから行こうぜ」


「ええ。すぐに支度するわよ。セアン、そんな所でうずくまる場合じゃないわよ」


「そんなことをしたのはケアノスのせいだよ……」


「そんな目にあったのはバカをしたからじゃないの。ほら、さっさと準備する」


 ケアノスはうずくまるセアンを引き連れ、準備へ向かった。




 準備を終えたカイトたちは、急いでサマリオたちがいるキッチンへ向かった。


「やぁ。待ってたよ皆」


 サマリオはコーヒーカップを手にしてこう言った。その横にはメリスがいて、周囲にはシーポリスの戦士が立っていた。セアンは片手を上げて挨拶をし、コスタはおはようと言って頭を下げた。


「おはよう皆。それでサマリオ、全知の剣のメダルの情報って何?」


 ケアノスが椅子に座ってこう言うと、サマリオはカイトたちを見回して口を開いた。


「残りのメダルがあると思われる場所が判明した」


 この言葉を聞き、カイトたちは目を開いた。その後、メリスがカイトたちに資料を渡した。カイトはすぐに資料を見て、メダルがある場所を見た。


「ここにメダルがあるんですね」


「あるかもしれないという話だ。ない可能性もある」


 サマリオの言葉を聞いたライアは声を上げた。


「ないかもしれないの?」


「ああ。メダルがある遺跡と同じような建物があったんだ。もしかしたらと、この遺跡の中にメダルがあるかもしれない」


「そうなのね」


 話を聞いていたラージュは、もう一度資料を見た。その資料には、ドンパチ島。キータマ島。シブヤ島。と、書かれていた。


「この三つの島の情報ってある?」


 ラージュの質問を聞いたメリスは、戸惑いながらこう答えた。


「実は……この三つの島はあまり大きな島ではないため、何があるのか分からないんですよ。私たちも調べるうちにこの島の存在を知ったレベルです」


「そうなのね。まぁ、大事なメダルを隠すとしたら、誰も知らないような場所に置くわね」


「ラージュの言う通りね」


 コスタはそう言った後、サマリオの方を見ながらこう聞いた。


「この情報ってブラッディークローの連中も手にしているのかしら?」


「分からない。あいつらもいくつかメダルを持っているとしたら、似たような遺跡を探し、この島の遺跡の存在を察している可能性もあるな」


 サマリオの言葉を聞き、カイトは激しい戦いが起こるかもしれないと思った。そんな中、セアンは笑い出した。


「ありがとうサマリオ! これで残りのメダルの場所が分かったよ! 後は私たちがメダルをゲットするから安心して!」


 セアンの言葉を聞き、メリスは小さく笑った。


「難しいと思っていたけど、セアンの笑みを見たらそうでもなくなったわ」


「ごめんね、無責任で能天気なことを言っちゃって」


 ケアノスはセアンを睨みながらこう言ったが、サマリオはこう言った。


「いや、難しく考えるよりそう言ってもらえる方が気は楽だ。本来は私たちも手を貸す事態なのだが、シーポリスの仕事もかなりあるから手を貸すことができないかもしれない」


「大丈夫! 私たちで何とかできる! 今までこうやって無理難題を解決してきたんだから!」


 と、セアンはブイサインを作ってこう言った。カイトはセアンの言葉を聞き、少しだけ安心した。




 会議を終えたガーティブは、パソコンでメールを見ていた。


「あーあ、くだらないメールばかり」


 メールボックスには、変な宗教からのPRメールや、詐欺まがいのメールがあった。くだらないと思いながらガーティブはメールを調べていたが、その中にブラッディークローのボスからのメールがあった。


「珍しい人からだ」


 そう言って、ガーティブはボスからのメールを開いた。その中には、全知の剣のメダルに関しての話が書かれていた。


「残りのメダルの場所か……」


 そう呟くと、ガーティブの携帯電話が鳴り響いた。相手を見ると、リラゴだった。ガーティブはすぐに携帯電話を手にし、連絡を取った。


「もしもし、ガーティブ?」


「リラゴさん、もしかしてメールの件ですか?」


「そうだよ。どうやら、ガーティブの方にもボスからのメールが送られていたようだね」


「はい。リラゴさん、どう動きますか?」


「うーん……私は今、メダルがある島からかなり離れた所にいるから、すぐに動いてもかなり遅れっちまうよ。あんたはどうだい?」


「僕もすぐに動くには難しいですが、手が空いているティスターソースを使います。彼らなら、島の住人をどうにかして、メダルを取ることができると思います」


 ガーティブの言葉を聞いた後、リラゴは少し間を取ってこう答えた。


「分かった。私も動くから、一つでも多くメダルを取ってくれ」


「了解です。リラゴさんも無理しないでください」


「ああ。あんたもな」


 その時、リラゴは何かを思い出したかのようにこう言った。


「あのメール、ロスのエロ野郎にも送られているんだよな?」


「ええ、多分」


「どうしてすぐに連絡しないんだろうな?」


「エッチなことをしているんですかね?」


 ガーティブの言葉を聞いたリラゴは、呆れてため息を吐いていた。


「あのバカ……今度会ったら下の玉を引っこ抜いてやる」


「恐ろしいことをしないでください」


 とんでもないことを言ったリラゴに対し、ガーティブはこう言った。


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