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クラッチハートとの総力戦!


 見張りのクラッチハート船員は慌てていた。いつものように洞窟に変な奴がいないか見回りをしていると、ピラータ海賊団と遭遇したからだ。このことを早くムイジたちに伝えなければならない。彼はそう思いながら息を切らせて走っていた。


 走り続け、彼はようやくムイジたちがいる場所に到着した。息を切らせて走ってきた彼を見たムイジは、異常事態が発生したと察した。


「何かあったんだな」


「た……大変です! ピラータ海賊団がここにきています!」


 この言葉を聞き、ムイジたちはすぐに武器を取った。


「聞いたか野郎共? あのピラータ海賊団がこの洞窟に来ている。狙いはもちろん俺たちが知っているブラッディークローの話だ! ブラッディークローの奴らに話を漏らしたことがばれたら俺たちは始末される。だが、ピラータ海賊団を始末すれば問題ないし、ブラッディークローの奴らに褒められる!」


 ムイジの言葉を聞いた船員たちは声を上げた。ピンは武器で使う針の用意をし、カイトたちの到着を待った。数分後、発砲音と共に弾丸が飛んで来た。


「先手を打つつもりだな」


 ムイジはそう言うと、剣を振るって衝撃波を発し、飛んできた弾丸を斬り落とした。


「あーあ、私たちがいるってこと、ばれてるみたいだねー」


 と、セアンの声が聞こえた。数分後、ハンドガンを構えているセアンが姿を見せ、その後に続くように武器を構えているカイトたちが姿を見せた。




 刀を握っているカイトはセアンに近付き、こう言った。


「俺が前に出て戦うか?」


「お願いしてもいい? 結構雑魚が多い。一気に数を減らす自信があるなら、やって」


「ああ」


 カイトはセアンに返事をすると、前に出て近くにいた船員を斬った。


「なっ!」


「早……」


 カイトの攻撃を目の当たりにした船員は、目を丸くして驚いた。その直後にカイトは素早く刀を振り、次の攻撃を放った。


「悪いけど、容赦はしねーぞ」


 カイトはそう言うと、次々と近くにいる船員を斬った。それを見たムイジは腹が立ったが、ピンがムイジを止めた。


「船長はいざという時に戦ってください。カイトは私が止めます。それに、奴らもピラータ姉妹を見て、やる気を出しているようです」


「そうか。頼む」


 ピンは頷き、高く飛び上がってカイトの近くに着地した。カイトはピンを見て、刀を向けた。


「俺と戦うつもりか?」


「そのつもりだ」


 ピンはそう言って、針を手にした。それを見たカイトは嫌そうな顔をした。


「それで戦うのかよ」


「先端恐怖症か?」


「小さくて見えにくいから攻撃を避けにくいし、同じようなものをいくつも仕込んでいるだろ」


「その通りだ」


 ピンはカイトに向かって針を投げた。カイトは素早く動いて針から逃れようとしたのだが、針は向きを変えてカイトに向かって動いた。


「やっぱり追尾機能があるのかよ!」


 追尾機能がある飛び道具を使う。カイトは敵がこの技を使うだろうと予測していた。そのため、どう対処すればいいのか答えを出していた。


「これでも喰らっとけ!」


 カイトは魔力を解放し、風を発して飛んでくる針を地面に落とした。落ちた針を見たピンは関心の声を上げ、カイトにこう言った。


「飛び道具に対する対処も把握しているようだな。それなりにできる」


「あんたみたいな奴に褒められても嬉しくねーな。サクッと終わらせるから、痛い目見るのを覚悟しとけ!」


 カイトはそう言った後、ピンに向かって走り出した。ピンは予備の針を装備し、カイトを睨んだ。


「その針で俺の攻撃を受け止めるつもりかよ」


「そのつもりだ」


 ピンの返事を聞いたカイトは正気かと思ったが、ピンは本気だと察し、刀を振り下ろした。


「おいおい、マジかよ」


 目の前の光景を見たカイトは少し驚いていた。小さな針がカイトの一撃を受け止めていたからだ。何かされると思ったカイトはすぐに後ろに下がり、魔力を使って風の刃を放った。


「後ろに下がって遠距離戦か。だが、この程度の魔力じゃあ私には通じないぞ!」


 飛んでくる風の刃を見て、ピンは手にしている針に魔力を注いだ。次の瞬間、針は棒のように長くなった。それを見たカイトは驚きつつ、刀を構えた。


「魔力の扱いに関しては、私の方が上だな!」


 ピンは棒のように長くなった針を振り回しつつ、飛んでくる風の刃をかき消した。そして、刀を持って攻撃してくるカイトの攻撃を受け止めた。


「予想を外したか?」


「少しな。針に魔力を注いで長くするなんて思ってもいなかったよ」


「これもまた、作戦の一つだよ!」


 その後、二人は互いの武器を振り回しながら攻撃を始めた。しばらく二人は武器を振り回したが、カイトがピンの針を斬り壊した。


「二本目だな」


「だがまだあるさ」


 ピンは懐から針を出し、カイトに向かって投げた。カイトは顔に向かってくる針をかわし、左手に魔力を発して風の刃を作り、ピンに向かって投げた。


「また風の刃か」


 ピンはそう言いながら回避しようとした。だが、カイトが放った風の刃は途中で三つに分かれた。


「何!」


「普通の風の刃だと思ったか? 残念だったな」


 カイトは驚く表情をするピンを見てこう言った。その直後、風の刃はピンに命中した。


「グハッ!」


 攻撃を受けたピンは血を吐きながら後ろに下がった。カイトは追撃を放つため、刀に魔力を込めて攻撃を仕掛けた。


「ぶっ飛びやがれ!」


 カイトは叫びながら攻撃を放った。攻撃を受けたピンは後ろへ吹き飛び、遠くの岩盤に激突した。


「ガハァッ!」


 岩盤に激突したピンは更にダメージを負ってしまった。カイトは確実にピンを倒すため、魔力を解放して岩盤に激突したピンの元へ向かった。


「終わりだ」


 カイトはそう言って刀を振るった。深い一撃を受けたピンは悲鳴を上げ、下へ落ちて行った。




 ピンは後悔していた。カイトの強さが予想を超えていたからだ。最初から本気で戦えばよかったと思っていた。


「ぐ……ぐう……」


 ピンは起き上がろうとしたのだが、体中に激痛が走る。魔力を解放して痛みをごまかそうとしても、負ったダメージのせいで魔力を解放することができなかった。


 これはまずい。


 そう思ったピンは最後の手段を使うしかないと思い、イコルパワーを手にした。それを見たカイトはすぐに刀を振り、衝撃波を発してピンが手にしているイコルパワーを壊した。


「それ、イコルパワーだろ? 使わせねーよ」


「ふ……一本だけかと思ったか?」


 ピンの言葉を聞いたカイトはもう一度衝撃波を放とうとしたが、ピンはその前に素早く二本目のイコルパワーを手にし、自身に注入した。


「クソッ!」


 カイトはピンをすぐに倒そうと思ったのだが、その前にピンは高く飛び上がった。


「フハハハハハ! 流石新型イコルパワーだ! すごい力を感じる。痛みもない、魔力も戻った……これで再び戦える!」


 ピンは笑いながらそう言い、カイトに向かって飛び蹴りを放った。カイトは刀を使って飛び蹴りを防御したが、ピンは針を取り出し、カイトに向かって針を投げた。


「ウオッ!」


 カイトは針が飛んで来る前に後ろに下がり、針の攻撃をかわした。ピンは針を取り、カイトに向かって投げた。


「またかよ!」


 カイトは飛んでくる針を見ながら刀を振り、針を斬り落とそうとした。だが、針は生きているかのように動き、カイトの攻撃をかわした。


「なっ!」


「イコルパワーによって強い力を得た私に敵はない。ピラータ姉妹の彼氏のカイト。お前はここで死ぬ運命だ!」


 ピンは勝ち誇ったかのようにこう言った。この言葉を聞いたカイトはため息を吐き、刀を握り直した。


「悪いけど俺はこんな所で死なねーよ。そんでもって、お前を斬り倒す。覚悟しろ」


「覚悟するのはお前の方だァァァァァ!」


 ピンは針を手にし、カイトに向かって走り出した。


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