表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
310/430

ロスの急襲


 ロスはため息を漏らしながらエンデルングの海賊船に向かって船を動かしていた。


「はぁ……めんどいなぁ」


 小さくそう呟いた直後、小舟はエンデルングの海賊船に到着した。ロスは船の小屋から顔を出し、カイトたちが武器を持って睨んでいることを察知した。


「あーららぁ。みーんなやる気満々だよ。俺はそーいう気分じゃねーのにねー」


 ロスはそう言うと、欠伸をしながらカイトたちの前に立ち、口を開いた。


「なー。デルマグはどこ?」


 この言葉を聞いたカイトたちは、一瞬驚いた顔になった。だが、近くにいたシーポリスの戦士が剣を持ってデルマグに襲い掛かった。


「シーポリスのバカは血気盛んだねー。血気盛んなのはベッドの上で十分だと思うけど」


「覚悟しろ! ロス!」


 シーポリスの戦士はロスに向かって剣を振り下ろしたが、ロスは槍を使って攻撃を弾き、素早く槍を動かしてシーポリスの戦士の腹を槍で突いた。


「ガッ……」


 槍で腹を突かれたシーポリスの戦士は、血を吐いてそのまま絶命した。ロスは槍を大きく動かして槍の矛先にあるシーポリスの戦士の死体を海に向かって投げ飛ばした。


「次は誰が死にたい?」


 呆れ顔でロスはこう言った。シーポリスの戦士たちは怒りの形相になり、ロスに向かって襲い掛かった。


「雑魚がいくら集まっても雑魚は雑魚だってーのに」


 ロスはため息を吐き、襲い来るシーポリスの戦士たちが来るのを待った。そして、無数のシーポリスの戦士たちがロスに向かって一斉攻撃を仕掛けたが、ロスは槍を大きく振り回した。この攻撃を受けたシーポリスの戦士たちの体はバラバラに斬り刻まれた。


「な……ああ……」


 この様子を見ていたカイトは、ロスの圧倒的な力を見て絶望していた。だが、セアンがカイトの肩を叩いた。


「勝てないって思ったらダメ。私たちで、あいつを倒さないと! やられたシーポリスの皆に申し訳ない!」


 セアンの言葉を聞いたカイトは、やる気を取り戻して刀を構えた。シーポリスの戦士たちを惨殺したロスはカイトたちの方を見て、にやりと笑った。


「うっひゃー。噂通りピラータ姉妹は全員美少女だねー。どう? これが終わったら一発やらない?」


 ロスは下種な笑みを浮かべてこう言ったが、セアンたちは武器を持ってこう言った。


「お断り! 私たちにはカイトがいるから!」


 返事を聞いたロスは残念そうな表情になり、ため息を吐いた。


「残念。じゃあ、そのガキを殺したら一発やらせてよ」


「ふざけんじゃないわよ!」


 セアンは叫んだが、その前にウイークがロスに向かって飛び上がった。


「テメーの思い通りにさせるかよ!」


 ウイークは右手の剣を振り下ろしてロスに攻撃を仕掛けた。ロスは槍でウイークの攻撃を防御したが、ウイークは左手に持つ剣でロスの脇腹に向かって剣を振るった。


「二刀流ねぇ。かっこいい戦い方だけど、実戦に向けた戦い方じゃないねー」


 ロスはそう言うと、槍を大きく動かしてウイークの攻撃を弾いた。その後、ロスはウイークの腹を蹴った。


「があっ!」


 蹴り飛ばされたウイークは、後ろに転倒しながらも立ち上がり、魔力を解放した。


「お前はここでぶっ倒す!」


「あんまり強がりを言わない方がいいぞ。雑魚は雑魚らしく大人しく死ねよ」


「俺を雑魚だと思ってんじゃねーぞ!」


 ウイークは猛スピードでロスに接近し、攻撃を仕掛けた。だが、ロスは素早く槍を動かしてウイークの攻撃を弾き、槍を大きく振り上げた。


「死ね」


 ロスはそう言って、力強く槍を振り下ろした。だが、コスタの狙撃がロスのこめかみをかすった。


「へぇ」


 ロスはスナイパーライフルを構えるコスタを見て、にやりと笑った。コスタの周りにいたはずのカイトたちの姿が消えていた。


「奇襲するってわけか」


 ロスは槍を構え直し、周囲を見回した。その隙を見計らい、ウイークが攻撃を仕掛けた。


「ぶっ倒れるのはお前の方だな!」


 ウイークの声の直後、カイトが刀を持ってロスに襲い掛かった。ロスは素早く槍を動かし、二人の攻撃を弾いた。


「グッ!」


 攻撃を弾かれたカイトは、後ろに下がった。ウイークは二本の剣を使ってウイークの槍の攻撃を対処していた。


「へぇ。やるねぇ」


「何度も攻撃を弾かれてたまるかよ!」


 ウイークはそう言ってロスに斬りかかった。ロスはウイークの攻撃を防御し、後ろから来るセアンたちの攻撃を待った。


「テメー! どこ見てやがる!」


「カワイ子ちゃん」


 ロスがにやりと笑いながらこう言うと、後ろからセアンたちが攻撃を仕掛けてきた。


「この野郎!」


「あんたはここで倒す!」


「絶対に倒してやる!」


「覚悟しなさい!」


 セアンたちは一斉にロスに襲い掛かったが、ロスは素早く槍を動かしてセアンたちの攻撃を対処した。


 クッ! 強い!


 心の中でセアンはこう叫んだ。デルマグとの戦いがあったが、一対多数の状況でロスはセアンたちを圧倒していたからだ。カイトは立ち上がってロスに接近したが、カイトの接近を察したロスはため息を吐きながら魔力を解放した。


「何度も立ち上がっても、結果は同じだっつーの」


 ロスはそう言うと、風の槍を作ってカイトに向かって発した。カイトは飛んでくる風の槍を見て斬り壊そうとしたのだが、刀を振り下ろした瞬間に風の槍は二つに分かれた。


「なっ!」


 カイトは風の槍の予想外の動きを見て、激しく動揺した。その直後、二つに分かれた風の槍はカイトの腹を貫いた。


「カイトォォォォォ!」


 腹を貫かれたカイトを見て、セアンは叫んだ。ロスはセアンの叫びを聞いた後、笑みを浮かべた。


「愛しの彼と永遠の別れだね。映画やドラマだと、お涙頂戴の感動シーンだ」


 と言って、カイトに刺さっている風の槍を破裂させた。強烈な風が周囲に舞い、そのせいでエンデルングの海賊船が一部吹き飛んだ。発生した強風のせいで周りが見えなかったセアンだが、カイトの姿が消えていることをその目で確認した。


「テメェェェェェ!」


 セアンは怒声を上げ、ロスに襲い掛かった。


「はぁ、そんなに怒るなよ。可愛い顔が台無しだぜ」


 と言って、ロスは槍を構えて素早く何度もセアンが持つカトラスを突いた。その瞬間、セアンが持っていたカトラスの刃が粉々になった。


「な……あ……」


 カトラスの刃が粉々になったのを見たセアンは、目を開いて驚いた。ウイークはまずいと思い、セアンの前に立った。


「このクソ野郎! よくも!」


「俺に向かってそう言うことを言っちゃうと、死んじゃうぜ」


 ウイークに向かってこう言ったロスだったが、武器を持ったケアノスたちが襲い掛かり、コスタもショートソードを持ってロスに襲い掛かった。


「あーあ。だからそんなに怒んなって。可愛い顔が台無しだよ、本当に」


 ロスはそう言うと、コスタたちが持っている武器に向かって槍を振り回した。その直後、コスタたちの武器も粉々に破壊した。破壊された武器を見たコスタたちは、驚きの表情を見せた。


「これで君たちはもう戦えない」


「俺がいるさ!」


 ウイークはそう言ってロスに向かって二本の剣を振り下ろしたが、ロスは槍を振り上げてウイークの両腕を斬り落とした。


「ガァァァァァ!」


「カッコよく決めんなよ三枚目。それじゃ、永遠にさよーなら」


 ロスはそう言って、力と魔力を込め、ウイークに向かって槍を振り下ろした。




 メリスの治療を行っていたサディは突如何かを感じ、周囲を見回した。


「どうかしましたか?」


「い……いや……何か嫌な感じが……」


 サディの言葉を聞き、メリスは外を見た。だが、何も見えなかったため望遠鏡で再び周囲を確認した。そして、ロスの攻撃によって体が真っ二つになったウイークを見つけた。


「う……ウイークさん!」


 メリスの叫びを聞き、サディは望遠鏡を使って周囲を確認した。


「そ……そんな……そんな! イヤァァァァァァァァァァ!」


 サディは真っ二つになったウイークを見て、大きな声を叫んだ。悲鳴を聞いたマデたちがそばに駆け寄り、ウイークが死んだことを確認して悲鳴を上げた。


 この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ