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ピラータ海賊団VSデルマグ


 カイトとウイークの連携攻撃によって、デルマグに大きなダメージを与えることに成功した。倒れて動けないだろうと思われたデルマグだったが、隙を突いてウイークに向かって火の魔力を放った。


「ガアッ!」


「ウイーク!」


 火の魔力に撃ち抜かれたウイークは、体を崩すように倒れ始めた。攻撃を察したカイトはウイークを支え、様子を見た。


「ウイーク、俺の声が聞こえるか?」


「ああ……ガハッ!」


 カイトの言葉に応答したウイークだったが、苦しそうに血を吐いた。サマリオはウイークの様子を見た後、カイトにこう言った。


「私がウイーク君を治療する。あとは任せてもいいか?」


「はい」


 サマリオはウイークを連れて後ろに下がった。カイトは魔力を解放しながら立ち上がるウイークを睨み、刀を構えた。


「クソ野郎。やられたふりをしやがったな」


「半分やられたようなもんだが……お前たちは許せない。エンデルングをここまで傷つけたからな」


「テメーらが悪事を働いたからだろうが」


「これ以上やるんだったら、私たちが相手になるわよ」


 セアンがこう言うと、右手に持つカトラスをデルマグに向けた。自信を睨むカイトとセアンを見たデルマグは、両手に剣を持って二人に斬りかかった。


「お前らはここで斬り殺す!」


 そう言った直後、後ろから発砲音が響いた。それからすぐ、後ろから飛んで来た弾丸がデルマグの右肩を撃ち抜いた。


「ガアッ!」


「私たちもいるってこと、忘れないでよ」


 ライアがそう言いながら、デルマグに襲い掛かった。カイトとセアンはナイスと思いながら、ライアに続く形でデルマグに攻撃を仕掛けた。


「グッ……三人で襲い来るか……それなら三人まとめてあの世へ送ってやる!」


 デルマグは再び魔力を解放し、迫る三人に反撃を仕掛けた。




 カイトたち三人がデルマグに攻撃を仕掛ける中、ケアノスはラージュと合流していた。


「メリスの怪我はどう?」


「治ったわ。今はサマリオと一緒に後ろに下がっているけど。で、奴はどんな状況?」


「セアンたちが奴に攻撃を仕掛けているわ」


「三対一ね。こっちが有利じゃない」


「だけどね、あいつ結構強いわ。三人が猛攻仕掛けているけど、三人の攻撃を耐えているわ」


「ほう……そのようね。私たちも援護に行かないと危険ね」


「ええ」


 話を終え、ケアノスとラージュは援護に向かった。




 攻撃を仕掛けているカイトは、心の中でこう思っていた。


 あいつ、かなり経験がある! 攻撃が通らない!


 セアンとライアと共に攻撃を仕掛けているが、デルマグの動きが早く、どれだけカイトたちが早く動いてもデルマグは攻撃を防いでしまうのだ。サマリオやウイークと共に攻撃をしてデルマグにダメージを与えたのだが、何度も魔力を解放したせいでデルマグが受けた傷はほぼ回復していたのだ。


「グッ! こいつ、なかなか強い!」


「二人とも、少し離れて!」


 セアンの言葉を聞き、カイトとライアは後ろに下がった。セアンは左手に持つハンドガンに魔力を込め、デルマグに向かって引き金を引いた。


「魔力で巨大な弾丸を作ったのか。通用すると思うなよ!」


 デルマグは二本の剣を十字に組み、飛んでくる巨大な弾丸を睨んだ。


「せやァァァァァ!」


 大きな声を上げながら、デルマグは二本の剣を力強く振るって、飛んで来た巨大な弾丸を弾き飛ばした。


「なっ!」


 明後日の方向へ飛んで行く弾丸を見て、セアンは声を出して驚いた。その隙を狙い、デルマグは左手の剣でセアンを突き刺そうと動いた。しかし、デルマグの動きに気付いたカイトが刀を振り上げてデルマグの左腕に傷を与えた。


「グッ!」


「セアンに手を出させねーぞ!」


 カイトはそう言いながら、デルマグを蹴り飛ばした。転倒したデルマグは素早く立ち上がってカイトを睨んだ。


「このガキ!」


「来いよオッサン。返り討ちにしてやるよ」


 カイトは挑発するようにこう言うと、デルマグを睨んだ。デルマグはカイトに向かって走り出し、その途中で両手の剣を構えた。


「死ねェェェェェ!」


 デルマグは叫びながらカイトに斬りかかったが、ライアが背後からデルマグを攻撃した。攻撃を受けたデルマグは悲鳴を上げ、ライアの方を振り返った。だが、ライアはすでに反撃が来ると予測して下がっていた。


「クソッ……」


 悔しそうにデルマグが舌打ちをすると、左からケアノス、右からラージュが攻撃を仕掛けてきた。


「同時の攻撃に対処できる?」


「その自慢の剣で攻撃を防いでみなさいよ」


 ケアノスとラージュはそう言いながら、デルマグに向かって攻撃をした。攻撃が来ると察したデルマグは急いで両手の剣で攻撃を防ごうとしたのだが、ラージュの大剣による攻撃を完全に防御することはできなかった。


「があっ!」


「あらまぁ、大事な剣が弾き飛ばされたわね」


 ラージュは飛んで行くデルマグの剣を見て、にやりと笑いながらこう言った。そんな中、ケアノスのレイピアの刃は発した風によってドリル状になっており、本物のドリルのようにデルマグの剣を削り始めた。


「このままあんたの武器を壊してあげるわ!」


「グッ! クソッ!」


 デルマグは剣を捨て、後ろに下がった。ケアノスは風のドリルを消し、デルマグの剣を海へ投げ捨てた。


「これであんたの武器はなくなったね」


「覚悟した方がいいよ」


 セアンとライアがデルマグにこう言った。デルマグは小さく笑うと、魔力を解放して火の剣を作った。


「なければ魔力で作ればいい。それで十分だ」


「そうですか。後、後には気を付けないとね」


 そう言いながら、コスタがデルマグの後頭部にスナイパーライフルの銃口を当てた。デルマグは後ろを見ながらコスタの存在を察したが、その前にカイトとセアンの飛び蹴りが命中した。


「ガハッ! グフゥゥゥ……」


 蹴られたデルマグは床を転がりながら、悲鳴を上げた。服や腕に着いた汚れを手で払いながら立ち上がったデルマグは、カイトたちを睨んだ。


「ピラータ海賊団総出で戦うのか」


「当たり前でしょ? 勝つためなら、何だってする」


「ふっ……いい考えだ……」


 デルマグはそう言うと、再び魔力を解放した。


「もう一度本気を出して戦おう。いい機会だ。ピラータ海賊団はここで壊滅するのだ」


 デルマグの背後から、翼のような大きな炎が現れた。カイトはそれを見て、デルマグがまだ戦えることに驚き、本気で殺しに来ると思った。


「すごいね。最初からこれだけ本気を出して戦えば有利だったんじゃない?」


「奥の手はこういう時に使う物だ。最初から使うと意味がない」


「確かにそうだね」


 セアンが笑いながらこう言ったが、ケアノスはため息を吐いてセアンに近付いた。


「変なことを言わないの。とにかく、あいつは本気を出したわ。皆でどうにかしてあいつを止めるわよ」


「方法はある?」


「あの大きな炎の翼は見掛け倒しの可能性もあるわ。まぁ、そこから攻撃が飛んでくるかもしれないけど……攻撃は当たらなければ意味がない」


「もし、何かしてきたら私の狙撃でどうにかするわ」


 コスタがスナイパーライフルを持ってこう言った。カイトはコスタの方を向き、笑顔でこう言った。


「それじゃあ後ろは頼むぜ。前は俺たちに任せてくれ」


「うん。援護お願いね」


「あのオッサンが何かしてきたら、遠慮なく撃っちゃってね」


「なるべく早くあのオッサンを倒して戻って来るわ。安心して」


 ライアとラージュはそう言うと、武器を持ってデルマグに向かって走り出した。カイトとセアン、ケアノスも武器を持ってデルマグに向かって走り出した。


「来るか! ピラータ海賊団! 返り討ちにしてくれる!」


 デルマグは迫って来るカイトたちに向かって、大きな声で叫んだ。


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