過激なお仕置き
ケアノスに圧倒されたムタは、イコルパワーを体に注入した。ケアノスは仕方ないと思いつつ、魔力を解放してムタに接近し、レイピアの刃をムタの体に突き刺した。
「これで動けないはずよ」
ケアノスは力を込め、レイピアの刃が抜けないようにした。ムタは歯を食いしばりながらレイピアの刃を抜こうとしたのだが、イコルパワーを注入してすぐにその力を発揮することはできず、ダメージを負ってしまった。
「ぐ……クソ……」
ムタは痛みをこらえながらレイピアの刃を抜こうとしたのだが、レイピアの刃は動かなかった。だが、徐々に体に力がみなぎるのをムタは感じた。
「ん? んんん~? 力が出て来たねぇ」
「あっ、そうなのね」
ケアノスはそう言って、更に魔力を込めてレイピアの刃を突き刺した。ムタは激痛を感じ、悲鳴を上げた。
「グギャァァァァァ! こ……このクソガキィ!」
「イコルパワーを入れても、その前に攻撃されたら意味ないのね」
「クソッたれが! 一本が駄目なら……二本目はどうだい?」
ムタはケアノスの隙をついて、二本目のイコルパワーを注入した。ケアノスは声を上げて驚き、動きを止めようとしたのだが遅かった。ムタは二本目のイコルパワーを注入してしまった。
「グッフゥゥゥゥゥ~……これであんたに勝ち目はない」
「クッ!」
まさか二本目を注入するとはケアノスは思ってもいなかった。予期せぬことが起きるとケアノスは思い、後ろに下がってムタの様子を見た。ムタの筋肉は猛スピードで膨れ上がった。
「ウッヒェェェェェ! この薬すごいよぉ! 体中から力が溢れてくりゅゥゥゥゥゥ!」
ムタは感激のあまり、汚い声を発した。醜いと思いながら、ケアノスはこの様子を見ていた。
「これで、あのメガネを殺せるわ……え?」
ここで、ムタは異変を察した。イコルパワーを二本注入した結果、筋肉の膨張が止まらなかったのだ。
「ねぇ、ちょっと待って。これ以上力が溢れると体が壊れるんだけど。ねぇ、マジで? 本当に止まってよ。ねぇ、ねぇってば! 止まりなさいよ私の体!」
ムタは焦りながらそう言ったが、筋肉の膨張が止まることはなかった。そして、ムタの全身の筋肉が膨れすぎたせいで破裂した。周囲に飛び散るムタの肉片を見て、ケアノスはため息を吐いた。
ライアとハライはムタの筋肉が破裂したのを知り、その方向を振り向いた。
「ムタさん。あんな死に方をするなんて」
「悪人の最期なんてそんなもんよ。あんたもそうなりたくなかったら、降参しなさい」
ライアはナイフを構えてそう言うが、ハライは笑ってこう言った。
「使う前にあんたを始末すればいいのよ。さーて、私を楽しませて!」
ハライはそう言って風を放った。ライアは風を放ってハライが放った風を相殺しようとしたのだが、ハライは鞭を使ってライアが放った風をかき消した。
「そんな風じゃあ私に届かないわ」
「これならどうだ!」
ライアは魔力を解放し、竜巻を放った。その竜巻を見たハライは笑顔を見せ、竜巻に近付いた。そして、ライアが放った竜巻を受けた。
「いい攻撃ね。でも、それじゃあ私の気持ちは高ぶらないわよ!」
と言って、ハライはライアに向かって鞭を放った。物凄い速さで迫る鞭をライアはかわせず、攻撃を受けてしまった。
「グウッ!」
攻撃を受けたライアは後ろに下がり、怪我の様子を見た。鞭を撃たれた痛みが体を襲ったが、出血はしていなかった。だがその代わりに、服が破れていた。
「あら。若くてぴちぴちの肌が丸見えね。もう少しエッチにしてあげましょうか?」
「このセクハラ女。女の体を見て楽しいの?」
「ええそうね。女だけじゃなくて、男の裸も見ても私は楽しいわ~」
「うーわ、マジで変態だよこの人……」
ハライの変態的言動を見たライアは、思わず冷や汗をかいて後ろに下がった。その隙にハライはライアに接近し、鞭を使ってライアの体を縛った。
「うわっ!」
「ウフフフフフ。隙をさらすなんて、まだまだ甘いわねぇ」
ハライは両手に風を発し、ライアの服を引き裂いた。下着姿になったライアを見て、ハライは感激の声を上げた。
「うわぁ。いい体ね。素晴らしい」
「この変態女!」
ライアは魔力を解放し、ハライに攻撃を仕掛けた。今回のライアの攻撃は、刃が混ざった巨大な竜巻だった。それを見たハライは思わず声を漏らした。
「これは受けたらまずいわね」
まずいと思ったハライは竜巻をかわしたが、ライアは竜巻をハライの方へ動かした。竜巻の動きは鈍いだろうとハライは思っていたが、竜巻の動きはハライの予想を超えていた。
「え、早……」
竜巻の動きを見たハライは、驚きのあまり動きを止めてしまった。その時に竜巻はハライを飲み込んだ。
「ギャアアアアア!」
竜巻に飲まれたハライは悲鳴を上げた。物凄い勢いで回る竜巻はハライの体を回し、周囲に飛び交う刃がハライを傷つけた。ハライは何と過去の竜巻から逃げようと考えたが、体が自由に動かず、魔力を解放することもできなかった。
このままじゃあやられる!
そう思ったハライだったが、思うだけで何もできなかった。その結果、ハライは大きなダメージを受けた。竜巻が消えた後、血塗れとなったハライが床の上に落ちた。
「が……は……はぁ……」
ハライは苦しそうに吐血し、震える手足で起き上がろうとした。だが、ライアはナイフを持って接近し、振り上げて攻撃を仕掛けた。この攻撃を受けたハライは宙に浮きあがった。
「このままあんたをぶっ倒す!」
ライアは再び魔力を解放し、ナイフの刃に魔力を込めた。そして、そのままナイフを振り回し、宙にいるハライに向けて何発もの刃の魔力を発した。
「そ……そんな……」
飛んで来る魔力の刃を見て、ハライは絶望したような表情でこう言った。そして、無数の魔力の刃はハライに命中した。
しばらくして、攻撃を受けたハライは再び床の上に落ちた。これで倒しただろうと思ったライアはハライに近付いた。
「これでもう動けないでしょ。動いたら傷が開くから、動かないで」
「まだよ……私はまだ戦えるわ」
そう言って、ハライはイコルパワーを手にして注入した。この傷でイコルパワーを使わないだろうと思っていたライアだったが、予想外の展開を目の当たりにしてライアは激しく動揺した。
「そんな! そんな物を使ったらどうなるか分かるでしょ? 何で使うのよ!」
「戦いに勝つためよ!」
ハライはそう言うと、深く呼吸をした。そして、強い魔力を解放して立ち上がった。
「はぁぁぁ……素晴らしい力よ。これなら何回戦っても、疲れ果てることはないわ~」
「まずい、あの薬のせいで変態性もパワーアップした!」
ライアはそう言うと、後ろに下がってハライの様子を見ようとした。ハライはライアの方を見て、にやりと笑った。
「逃げないでよ。もっと二人で楽しみましょう!」
「何を楽しむってのよ!」
自身に迫って来るハライを見て、ライアは思わずこう言った。ライアは周囲にあるタルの破片や鉄くずをハライに向かって投げたが、ハライはそれらに当たっても動きを鈍らせることはしなかった。
「そんな物を投げても意味がないわよ! 逃げないで、私はまだまだあなたと楽しみたいわ!」
「私はあんたみたいな変態じゃないわよ!」
ライアは叫びながら接近してきたハライに飛び蹴りを仕掛けた。ハライはライアの飛び蹴りを顔面で受け止め、後ろに転倒した。だが、ハライはすぐに立ち上がった。その時、ハライは鼻血を流しながら狂気的な笑みを浮かべていた。その表情を見たライアは、恐怖のあまり悲鳴を上げた。その時のライアの様子を見て、ハライは笑い始めた。
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