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次の目的地は?


 キャプテンセバールが強奪した金銀財宝はサンライト島の町に運ばれた。カイトやケアノスが持ち主の子孫たちに返すべきだと意見したため、金銀財宝は元の持ち主の子孫たちに返されることになった。が、もう古い時代の話のため、すでに血が途絶えている家族が多く、結局金銀財宝のほとんどがピラータ姉妹の物になった。


「さーてと、まずは換金してくれる場所を探さないとねー」


「それよりか、サンライト島に寄付した方がいいじゃない? シャケベルトの連中で酷い目にあったし」


 ライアの言葉を聞き、セアンはそうだねと返事をし、金銀財宝を持って町長の元へやって来た。


「これあげるよ。元々、この島の洞窟にあった物なんで、あなたにもこれを受け取る資格があると思います」


 セアンはそう言って町長に金銀財宝を渡したが、セアンが持つ金銀財宝を見て町長は目を大きく開き、口も開けて顔を真っ青にしてこう言った。


「と……ととととととと……とととーと、とーとととんでもない! あなた方はこの島を救ってくれた大恩人です! これを何もできなかった私にあげるだなんてもったいない!」


 と言って、財宝を受け取ることを拒否した。そんな町長に対し、セアンは言葉を続けた。


「でもねー、シャケベルトの連中のせいで酷い目にあったから、その分の治療かなんかその辺の費用をこれで補ってよ」


「ふむ……確かにそうですが……分かりました。好意に答えましょう。ですが、あなた方は大恩人です。私たちは半分だけで十分です。残りの半分はあなたたちが使ってください」


 町長の話を聞き、ラージュは財宝の写真を撮っていろいろと調べ始めた。この光景を見て、カイトはケアノスに話しかけた。


「なぁ、写真を撮って値段が分かるのか?」


「分かる人は分かるんだと思う。ネットの中には、骨董品が趣味で、一体いくらの値段が付くのかすぐに分かる人がいるって」


「その辺は日本とあんまり変わらないような気がするな」


 カイトは日本にいた頃、聞いていたネットの話を思い出しながら呟いた。しばらくして、答えを見つけたラージュはセアンにこう言った。


「半分でも大体三億ネカの値打ちはあるわ」


「三億? これならいける! じゃあ半分は貰うね。あとはこの島の物ってことで!」


 セアンはそう言って宝の半分を受け取り、換金しに向かった。心配したラージュがセアンと共に向かって行った。その光景を見て、カイトはどうしてセアンがそこまで金にこだわるのかが気になった。


「なぁ、どうしてセアンは金にこだわるか教えてくれよ」


 近くにいたコスタに聞くと、コスタは少し考え始めた。が、ケアノスが代わりに答えた。


「カイトにも伝えましょう。口で言うよりも、まず目で見た方がいいわね」


「そうだね、どうやって答えるか言葉が見つからないわ」


「一度、皆に姿を見せないとね。しばらく戻っていないし」


 と、ライアもこう言った。一体何の話だろうとカイトは気になったのだが、すぐに分かると思い、口にするのを止めた。




 翌日、セアンたちはヴィーナスハンドに乗り込み、サンライト島を出発した。出港の際、島中の人たちがセアンたちを見送りに来ていた。


「いやー、色んな人に見送られるのは気分がいいねー」


「あの島を救ったしな。俺たちが来なかったら、一体どうなっていたやら……」


 カイトはサンライト島の出来事を思い出しながらこう言った。シャケベルトの騒動や洞窟探検があったため、何日かサンライト島に滞在したが、あっという間に過ぎたなとカイトは思った。


 出港して数時間、カイトはケアノスと共にモニターを見ていた。モニターには、次の目的地としてサビナという地名が出ていた。


「これが次の目的地化。サビナってどんな所だ?」


「簡単に答えると、私たちの故郷よ」


 その答えを聞き、カイトは思わず声を上げた。ケアノスはあっけにとられるカイトを見て、話しを始めた。


「サビナはとても貧しい国なのよ。前はそうじゃなかったけど、私たちが子供の頃に悪い海賊が攻めてきて、やりたい放題暴れたのよ。そのせいで、国は滅び、治安は悪化した。治安は回復したけど、経済の方は全然まだ回復していないの……」


「だから、私たちが頑張っているの。賞金稼ぎしたり、洞窟探検してお宝を手に入れたりして、お金を稼いでいるの」


 そこでセアンが部屋に入って来た。セアンは頬を膨らませながら、ケアノスに近付いた。


「ずるいよ、ケアノス。私がベッドの上でカイトに話すつもりだったのに」


「ごめん……え? ベッドの上ってどういうこと? そこんとこ詳しく教えてくれない?」


「気にしないで。とにかく、私たちは故郷のために海賊家業をやっているの。ま、海賊というか賞金稼ぎとトレジャーハンターみたいなものだけど」


「確かに。でも、故郷のためにこうやって動くのはいいことだと俺は思うよ」


 カイトの言葉を聞き、セアンとケアノスは笑顔になった。


「ありがとカイト。実はさ、旅に出る時いろんな人に止められたの。女の子だけじゃ難しいって」


「でも、皆強いじゃないか。どんなモンスターや海賊が来ても返り討ちにしているし……苦戦するところもあまり見ないぞ。俺より強いのに」


「これでも何十年も鍛えたからね。これも、故郷のため」


 ケアノスがそう言った直後、突如アラームが響いた。そして、上にいるコスタから連絡が入った。


「皆、賞金首のホゲラーナの海賊船が見えたよ。相手は私たちに気付いていない模様」


 コスタの連絡を受けた後、ラージュは手元の端末笑ホゲラーナの賞金を調べ始めた。


「ホゲラーナ……ああ、こいつらね。それなりに賞金が付いているわ。数名の部下にも賞金が付いているし……倒せばそれなりに稼げるわ」


「さーて! 暴れしますか! 腕が鳴りますなー!」


 セアンはそう言って腕を回しながら部屋を出て行った。カイトは窓から外の様子を見て、ホゲラーナの海賊船を確認した。


「うわ、船はでかいし、大砲がいくつもある。あれで一気に攻撃されたらこっちの身が持たないぞ」


「でも、小回りは難しそうね。見た目や大きさにこだわってそこら辺を考えてないようね」


「どうする? どうやって先手を取る? 狙撃で攻撃できる距離だと思うけど」


 カイトがこう聞いた直後、ホゲラーナの大砲の一部が爆発を起こし、パニックを起こしていた。


「すでにセアンとコスタがやっているようね」


「だな。じゃ、俺も行ってくるよ。相手が多いと、セアンも苦戦すると思うし」


「私は船の操縦をするわ。気を付けてね、弾丸とか大砲の玉とか飛び回っていると思うから」


 ケアノスに見送られ、カイトは外に出て行った。刀を持って外に出ると、すでに戦いが始まっていた。ホゲラーナの海賊船から弾丸が飛んで来ているのだが、弾丸は届かず、海に落ちていた。そんな中、魔力のバリアを張って弾丸を防御しているライアがカイトの姿を見て、近付いてきた。


「あ、カイト。気を付けた方がいいよ。たまーに奴らの船から弾丸が飛んで来るから。遠くにいる分威力は落ちるけど、それでも下手したら致命傷になるから」


「ああ。で、セアンとコスタは? すでに相手の船の方から爆発音が聞こえて、煙が発しているけど」


「セアンは前で暴れている。コスタは上で援護。私は船に被害がないように立ち回ってる」


「分かった。セアンが不安だ、俺も前に行く」


「うん。弾丸が飛んで来ているから、命中しないように気を付けてね、カイト」


 ライアにこう言われた後、カイトは飛んで来る弾丸を居合で斬りながら、セアンの元へ向かった。


 ピラータ姉妹とカイトが乗っている船、ヴィーナスハンドの大きさはそこまで大きくありません。部屋もロビー兼キッチンと寝室、機械室やトイレ、シャワールームがあるだけです。ここでどうやって生活しているのかはご想像に任せます。


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