カイトVSシャンジュ
カイトはヌンチャクを使って戦うシャンジュに襲い掛かった。シャンジュはヌンチャクの鎖を利用してカイトの攻撃を防御し、魔力を解放した。
「さーてと、すぐに終わらせるのはもったいないから、ゆっくり地道にお前を斬り刻んでやるぜ」
シャンジュはそう言って鈍く動く風の刃をカイトに向けて発した。カイトは刀を強く振り払い、風の刃を打ち消した。
「へぇ。魔力を使わないで俺の風の刃を打ち消したか。それなりに強いな、お前」
「テメーみたいな奴に褒められても嬉しくねーっての!」
カイトはシャンジュの腹に蹴りを入れ、転倒させた。攻撃を受けたシャンジュは苦しそうに嗚咽しながら起き上がった。
「グヘェェェ……いい蹴りを持ってるじゃねーか」
と、シャンジュは嬉しそうに呟いた。そんな中、カイトは心の中でこう思っていた。今の蹴りは弱めに蹴ったはずだと。そう思っていると、シャンジュはヌンチャクをカイトに向けて伸ばして攻撃を仕掛けた。カイトは刀を振るって飛んで来たヌンチャクを地面に落とし、左手に水の魔力を発してシャンジュに向けて伸ばした。
「へぇ。スライムみたいにヌメヌメな水だねぇ」
飛んでくるスライム状の水を見て、シャンジュはかわしながらこう言った。その瞬間をカイトは待っていた。カイトは再び魔力を使い、スライムを凍らせた。凍った瞬間、スライムの周りには鋭い棘が生まれ、シャンジュの体を貫いた。
「ガハァッ!」
この攻撃を受け、シャンジュは悲鳴を上げた。何とか棘から体を抜いたのだが、棘は体の不覚に刺さっていたため、深い傷を負ってしまった。
「グウッ……そんな技を使うのか……」
血を吐きながらも、シャンジュはこう言った。カイトは自分でこの行動を起こしたことに驚いていた。水を伸ばしてスライム状にし、凍らせて棘を作って攻撃したのもアドリブだ。
俺、いろいろと強くなっているのか?
と、カイトは心の中でこう思った。そう思っていると、シャンジュはヌンチャクをカイトに向けて投げた。カイトはヌンチャクを海に向かって弾いた。
「おい、武器を捨てて何をするつもりだよ?」
カイトはそう言うと、シャンジュはにやりと笑って答えた。
「こうするつもりだよ!」
そう答え、シャンジュは魔力を解放してヌンチャクを操った。ブーメランのように飛んでくるヌンチャクを見て、カイトは自然とため息を吐いた。こうするだろうと、カイトは心の中でこう考えていたのだ。
「甘いよ」
カイトはそう言って、飛んでくるヌンチャクの鎖に向けて刀を振り下ろした。戦いが始まった時の一撃を受けていたせいか、ヌンチャクの鎖は簡単に壊れてしまった。この光景を見ていたシャンジュは驚いたが、すぐに魔力を使ってヌンチャクを手元に戻した。
「悪いな、お前の大事な武器を壊してしまって」
カイトは刀を向けてこう言った。だが、シャンジュは両手に壊れたヌンチャクを持って魔力を解放した。
「そうでもないさ。壊れてもまた直せばいいだけだ。だがな、こうすることもできるってことを覚えておけ!」
シャンジュはヌンチャクの先端から魔力の刃を作り上げた。ウイークのような二刀流の動きで戦うつもりかとカイトは思い、刀を構えた。
エアエと戦っているメリスは、カイトの方を見て心配そうな表情をした。
「アハハ! あの子のことが気になるの~?」
そう言いながら、エアエはメリスに向けてハンドガンを発砲した。メリスは盾を使って弾丸を防御し、エアエに向けて剣を突いた。エアエはメリスの攻撃をかわしたが、メリスから魔力を感じたため、エアエはすぐにその場から離れた。その瞬間、メリスの剣の刃から風の魔力が放たれた。
「あっぶな! これを受けたら死んじゃうじゃないの!」
「死なないようには調整しています。それより、あなたこそ周りのことを気にしているのでは?」
メリスの言葉を聞き、エアエは舌打ちをして床に唾を吐いた。
「あ~? んなことねーっての。いちいちむかつくガキだねー。ぶっ殺す!」
と言って、エアエはリロードを始めた。
シャンジュは二刀流の構えでカイトに襲い掛かっていた。だが、カイトは二本の剣の攻撃を的確に対処し、隙を見てはシャンジュに反撃を仕掛けていた。シャンジュはカイトの反撃をかわしていたが、カイトの反撃は次第にシャンジュに命中していった。
「グッ! クソッたれが!」
シャンジュは魔力を解放して衝撃波を発し、カイトを吹き飛ばそうとした。だが、カイトは衝撃波を耐え、隙だらけのシャンジュに接近して刀を振るった。
「ガッハァァァァァァァ!」
斬撃を受けたシャンジュは悲鳴を上げながら後ろに下がった。カイトは後ろに下がったシャンジュに再び近付き、二撃目の斬撃を放った。
「ガアッ!」
二撃目の斬撃もシャンジュに命中した。深い傷を負ったシャンジュは後ろに下がって態勢を整えようとしたが、カイトは再びシャンジュに近付いて三撃目の斬撃を放った。
「これで終わりだァァァァァ!」
カイトは勝ち誇ったかのようにこう言った。攻撃を受けたシャンジュは血を流しながら宙を舞い、船の周りの柵に体をぶつけた。
「ガッ……グッファァ……」
体から血を流しながら、シャンジュは逃げようとした。だが、カイトは氷の手を作って逃げようとするシャンジュを捕まえた。
「ギャアアアアアア!」
氷の手に捕まった時、強く握られたせいでシャンジュは更にダメージを負った。そして、斬られた個所からさらに血が流れた。
「俺の勝ちだな。大人しくしろ」
カイトは悲鳴を上げているシャンジュにこう言った。そんな中、カイトは心の中でこう思っていた。
俺は強くなった。あの戦いで強くなったのだろう。
カイトはランドレディースでのソンウクたちとの戦いを思い出していた。ソンウクたちは今まで戦った敵よりも強い相手だった。彼らとの戦いが自分を、セアンたちを強くしたのだろうと思った。
カーデオはシャンジュの魔力が弱まったことを察し、驚きの表情をした。
「シャンジュ……まさかこんな短時間で……」
「今度はあんたがやられる番だよ!」
ライアはそう言いながら、カーデオに飛びかかった。ライアは回転させながらナイフと蹴りの攻撃を繰り出し、カーデオを攻撃した。
「グッ! グハッ!」
カーデオは攻撃を防御しているが、ライアの攻撃は素早くて威力が高く、安易な防御では意味がなかった。
「クソッ!」
カーデオは魔力を解放して大剣を振り払い、ライアを斬り飛ばそうとした。しかし、ライアは魔力を使って両足に魔力のオーラを発し、カーデオの大剣を踏み台にして高く飛び上がった。
「私の大剣を踏み台に!」
「こーれーでーもー喰らえェェェェェェェェェ!」
ライアは二本のナイフに魔力を注ぎ、魔力を解放して素早くカーデオに落下してナイフを振るった。
「ガアアアアアアアアアア!」
斬られたカーデオは体を回転させながら宙を舞った。床に倒れたカーデオは立ち上がりつつ、受けた傷を回復した。
「グウッ……私がここまで……」
「大きなダメージを負ったところ悪いけど、まだまだ私は本気を出してないよ」
ライアは左手のナイフを向けてカーデオにこう言った。カーデオはその言葉を聞いて動揺した。
「まだ……本気を出していないのか」
「そうだよ。まぁ、いろいろあって私、強くなったみたいだね」
ライアの言葉を聞き、カーデオは小さく笑いながら立ち上がった。
「そうか……私は本気を出していない相手に押されているのか……」
そう言うと、カーデオは魔力を解放した。その瞬間、ライアは周囲の空気が重苦しくなったと感じた。
「では、私も本気を出しましょう。死んでも恨まないでください」
カーデオはライアにこう言うと、両手で大剣を持った。
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