そしてセアンまでもが
ソンウクの容赦ない攻撃はコスタたちを続けて倒していった。残ったカイトとセアンは協力して攻撃を放っていた。カイトはソンウクの腹を突き刺したが、刃は届かなかった。だが、氷を放って刀を押すという動作で何とかソンウクにダメージを与えた。
この様子を見ていたズジルダは、悲鳴を上げたソンウクを見て鼻を鳴らした。
「フン! 調子に乗るからダメージを受けるんだ。二人になったとはいえ、今のあの二人の魔力はかなり強いぞ」
呆れたようにこう言ったが、ゾムコロがこう言った。
「いや、この攻撃で奴は倒れたと決まったわけではない。あの変な剣が奴の腹を貫いても、奴は倒れないだろう」
「だが、それなりにダメージを受ける。これからどう動くのやら」
と、ズジルダは呟いた。
カイトとセアンは魔力を解放し、氷を放って刀を押した。そして、ソンウクの腹に刺さった刀はソンウクの腹を貫いた。
「ガハァッ!」
刀を貫かれた直後、ソンウクは悲鳴と共に血を吐いた。攻撃を終えた後、カイトとセアンは魔力を抑えた。しばらくして刀が床に落ちる音が周囲に響いた。動かないソンウクを見て、カイトは倒したのかと考えた。
「おい、生きてるかあんた?」
カイトがソンウクに近付こうとすると、ソンウクが小さな声で笑っているのことに気付いた。
「フフフ……すげー奴らだよおめぇらは。オラに大きなダメージを与えたのは、おめぇらが初めてだ」
「まさかまだ動くのか?」
「その通りだ」
驚くカイトに返事をした後、ソンウクはゆっくりと立ち上がった。まだ動けるソンウクを見て、カイトはさらに驚いたが、先ほどと比べてソンウクの動きは鈍くなっていた。
「ヘヘへ……これが追い込まれたって状態か。ヤベェって気持ちがわくが、オラはまだまだ戦えるぞ」
「この傷で戦うのは止めた方がいいよ。それでも戦うなら、徹底的にあんたを叩く」
セアンはカトラスを構えてこう言った。そのセアンを見て、ソンウクはにやりと笑った。
「やってみろよ。今度は一発でぶっ倒れるほどの攻撃を与えてやるぞ」
「やれるんならやってみろ!」
セアンはジグザグに動きながらソンウクに接近した。攻撃してくるだろうとソンウクは思ったが、カイトがソンウクの足を凍らせて動けないようにした。
「へぇ、凍らせて動きを封じたか。だけどな、こんなんじゃあオラは止められねぇぞ!」
ソンウクは魔力を解放して足の周りの氷を吹き飛ばし、迫るセアンに向かって右の拳を放った。セアンはソンウクの攻撃をかわし、ハンドガンでソンウクの傷口に向けて発砲した。放たれた弾丸はソンウクの傷口に命中し、ダメージを与えた。
「グウッ!」
「やっぱり超人でも、傷口をえぐられたら痛いもんだねぇ!」
セアンはカトラスでソンウクの傷口に刃を突き刺した。激しい痛みを感じたのか、ソンウクは大きな声で悲鳴を上げた。その悲鳴を聞いたズジルダたちは、目を開けて驚いた。
「なっ! あいつが大きな悲鳴を上げるとは!」
「まさか、ソンウクが倒されるのか?」
「おいおい、そんなことがあるわけないだろう」
「だが現に、奴は腹から血を流している。傷口を狙われたら……」
「ここまで奴が追い込まれるとは……だが、奴は諦めていないだろう」
ズジルダがこう言うと、ソンウクは歯を食いしばって右手の手を強く握った。セアンは攻撃が来ると察し、後ろに逃げようとした。だが、ソンウクから感じる迫力がセアンに恐怖心を与え、動きを封じていた。
「セアン! 逃げろ!」
カイトが大声でこう言ったが、セアンにこの言葉は届かなかった。
「おめぇで六人目だ! オラをここまで追い込んだのは褒めてやるぞ!」
と言って、ソンウクは右腕を後ろに降り、セアンの腹に向かって強烈な渾身のストレートを放った。ストレートを受けたセアンは腹の骨が折れる音を響かせながら、物凄い勢いで壁に向かって吹き飛ばされ、壁にめり込んだ。
「セアン!」
カイトは急いでセアンの元へ向かった。何度も名前を呼んだが、セアンは意識を失っていて、返事をすることはしなかった。
「後はおめぇだけになっちまったな。今のうちにあの変な剣を拾ってこい」
ソンウクはカイトに向かってこう言った。その言葉を聞いたのか、カイトはゆらりと動きながら刀を拾った。動きを見ていたソンウクは構えを取り、こう言った。
「さぁ、続きをやろうぜ」
「ああ。やってやるさ。テメーをぶった切るまで何度でもやってやるぞ! 覚悟しろよこの野郎!」
カイトは魔力を解放しながら叫んだ。ソンウクはカイトの魔力を感じ、一歩後ろに下がった。無意識に下がったためか、自分が下がったことを察したソンウクは動揺して隙を見せていた。その時にカイトは刀を構えてソンウクに接近し、刀を振り上げた。
「なっ……」
ソンウクは自分の硬い皮膚なら攻撃に耐えられるだろうと思っていた。だが、予想は外れた。カイトが放った一閃はソンウクの体に新しい傷を付けていたのだ。
「オラの体が……」
体から流れる血を見て、ソンウクは痛みを感じた。
「うおおおおおおお!」
カイトは叫びながら二撃目の斬撃を放っていた。ダメージを受けたことを把握したソンウクは危険だと察し、右足でカイトの刀の動きを封じた。
「流石に続けて攻撃を受けたらオラでもやべーぞ!」
と言って、ソンウクはカイトを殴ろうとした。しかし、カイトは無理矢理刀を振り上げてソンウクのバランスを崩した。後ろに倒れようとしたソンウクだが、何とか空中で体を一回転させて転倒しないようにした。だが、カイトが突きの構えでソンウクに接近し、刀を突いた。
「グバァッ!」
再び刀による攻撃を受けたソンウクは、悲鳴を上げながら血を吐いた。しかし、これはチャンスだとソンウクは心の中で思っていた。ソンウクはスーパーモードレッドになり、カイトの頭に強烈なゲンコツを入れた。カイトは悲鳴を上げたが、ソンウクから離れることはしなかった。
「しぶとい野郎だな。仕方ねぇな」
ソンウクはスーパーモードシルバーになり、反射的にカイトから離れた。カイトはソンウクに接近して攻撃を続けたが、反射的に反応するソンウクは全ての攻撃をかわした。
「やっぱりこの状態だとおめぇの攻撃は当たらねぇな」
「うるせーよ!」
カイトは魔力を解放し、周囲に氷の粒をまき散らした。どういうつもりでこの行動をしたかソンウクは理解できなかったが、カイトは続けて攻撃を仕掛けた。
「スーパーモードシルバーの回避能力が分からないのか?」
「分かっているさ。だからこうしたんだろうが!」
カイトはそう言って刀を軽く振るった。ソンウクは攻撃をかわしたが、突如カイトの動きが止まり、回避行動をするソンウクに向かって刀を振るった。その時の攻撃の早さは、ソンウクの行動よりも早かった。
「何!」
ソンウクは驚いて思わず動きを止めてしまった。そして、カイトの強烈な一撃を受けてしまった。
「ソンウク!」
戦いを見ていたズジルダは、思わずソンウクの名を叫んだ。
カイトに斬られたソンウクは心の中でこう思っていた。
感情的になって強くなる奴は初めてだ。冷静な状態よりも攻撃的になって隙だらけだと思ったが、アイツはその逆だ。まだ冷静な部分を保っている。一人でオラをここまで追い込むなんて……奴は成長したら最強で最高の戦士になる。
そう思った後、ソンウクは魔力を解放した。だが、カイトから受けた傷からは血が流れていた。
「おい、無茶したらあんた死ぬぞ」
「オラは死なねーさ。安心して戦え」
「偉そうに」
カイトは刀を構え、ソンウクを睨んだ。
「殺しはしないように努力する。もし死んでも俺を恨むな」
「ああ。そうするさ」
そう答え、ソンウクはカイトの攻撃に対処するように構えをとった。
任天堂派かプレステ派かと言われたら、俺は任天堂派です。今のスイッチには、子供のころにやっていたファミコンやスーファミ、64やゲームボーイやアドバンスのゲームが遊べるからね。それと、ゲームはいかに楽しく遊べるかを重点としています。いかに映像が綺麗になっても、ゲームとして遊べなかったら意味ないからね。
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