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四つのモード


 ズジルダは金髪になったソンウクを見てにやりと笑っていた。


「いよいよあいつが本気を出したか。あいつらが勝てるかどうか分からなくなってきたぜ」


「そうだな。あいつが持っているあれを知れば、あいつらは勝つ自信をなくすかもしれないな」


 と、ズジルダの横にいたザムチャンが返事をした。そんな中、カイトたちがソンウクに総攻撃を仕掛けた時に発した衝撃波がズジルダたちに飛んで来た。


「フン」


「よっと」


 飛んで来た衝撃波に対し、ズジルダとザムチャンは片手を払ってかき消した。


「さて、どうなることやら」


 カイトたちの様子を見て、ズジルダは呟いた。




 カイトは金髪になったソンウクに攻撃を仕掛けているが、ズジルダと戦っている時よりも苦戦していると感じていた。


「どうした? もっと強く攻撃を仕掛けて来いよ!」


 挑発するような口調でソンウクはこう言ったが、カイトはそれに対して何も言えなかった。今放っている攻撃が、カイト自身が持つ最大の力を込めて放っているからだ。


「グッ……なんつー硬さだよ……」


 カイトは深く呼吸をして落ち着こうと思った。だがその時、ソンウクは魔力を解放してカイトに迫った。その時のソンウクの髪は、金髪ではなく赤紙だった。


「なっ! 髪の色が変わってる!」


 驚きながらカイトが叫んだ。それと同時に、ソンウクの強烈な右フックがカイトの腹に命中した。カイトは腹の中の骨がいくつか折れたことを感じながら、その場に倒れた。


「カイト!」


 セアンは攻撃を止め、カイトの元へ近づいた。カイトの上半身を起こそうとしたセアンを見て、ソンウクはこう言った。


「動かさねー方がいいぞ。今、そいつの腹の骨はいくつか折れちまってるからなぁ」


「グッ!」


 セアンはソンウクを睨み、ハンドガンを向けて発砲した。それに対し、ソンウクは少しも動かなかった。その結果、弾丸はソンウクに命中したが、再び皮膚が硬くなっているソンウクの体を弾丸は貫かなかった。


「また体が硬くなってるのね。それより、髪の色が変わってるわよ」


「オラは四つのスーパーモードがある。今はスーパーモードレッドってもんだ。自分で名付けたんだがな」


 そう言って、ソンウクは再び金髪になった。


「こいつはスーパーモードゴールド。この状態は攻撃力も防御力も足の速さも上がるんだ。まぁ、バランスよく強くなるってことだ」


「まるでゲームみたいだね!」


 と言って、ライアが上空からソンウクに攻撃を仕掛けてきた。だが、攻撃が当たる寸前にソンウクの姿は消えていた。


「え? あれ? どこ行っちゃったの?」


「オラはここだ」


 ライアの背後からソンウクの声が聞こえた。ソンウクは銀髪になっていたのだ。


「うわぁ! 今度は銀髪になっとる!」


「こいつはスーパーモードシルバー。力や防御力は上がらねーけど、目の良さと反射神経がかなり上がるんだ。どんな攻撃を仕掛けても、今のオラはスローモーションで動いているかのように見える」


「本当にそうかしら?」


 レイピアを構えたケアノスがソンウクに攻撃を仕掛けた。ケアノスの攻撃はとんでもない速さだったのだが、ソンウクにかすりもしなかった。


「本当だ。今、オメェの攻撃は全てかわした」


「ええ。本当の用ね。かすりも当たりもしなかった」


 ケアノスは後ろに下がり、ソンウクの様子を見た。その後、ソンウクは再び魔力を開放して髪の色を赤に変えた。


「こいつはスーパーモードレッド。攻撃力と防御力がかなり上がる。ゴールドよりも上だ」


「物理は意味なさそうだけど、魔力はどうだ!」


 魔力を解放したウイークは、強烈な火の渦を発してソンウクに攻撃を仕掛けた。ソンウクは火の渦に飲み込まれ、にやりと笑っていた。


「まるで暑い夏の日だ。日焼け止めでも用意すればよかったかな」


「この野郎、お望みならもっと熱くしてやるぜ!」


 ウイークは更に魔力を込め、火の熱を高めた。だが、これでもソンウクに効果はなかった。


「これで終わりか。それじゃあ……ハァッ!」


 ソンウクは魔力を衝撃波のように発し、火の渦をかき消した。ウイークは後ろに下がり、ソンウクの様子を見た。


「クッソ! あいつ、他の奴らより強いかもしれねー!」


「オラは他の連中から強いって言われているぞ。だから、試練の最後として選ばれたんだ。さぁ、最後のモードを見せてやる!」


 と言って、ソンウクは魔力を解放して青髪になった。


「最後のモード、こいつはスーパーモードブルー。攻撃力は落ちちまうが、とんでもない速さだ!」


 その直後、ソンウクの姿が消えた。セアンとウイークがソンウクの姿を探す中、コスタの声が聞こえた。ソンウクは後ろにいたコスタの前にいたのだ。


「おっす。オメェだな、後で銃を撃ってた奴は」


「い……いつの間に……」


「早く動けるって言っただろうが。さぁ、覚悟しろ!」


 ソンウクはスーパーモードレッドになり、コスタを倒そうと右手の拳を振り上げた。だが、間に入るようにラージュが現れ、ソンウクの右腕に向けて大剣を振り上げた。


「ラージュ!」


「こいつは私が抑えるから、今のうちに逃げて!」


 コスタはラージュに言われた通りにすぐに立ち上がって後ろへ逃げた。だが、ソンウクは逃げるコスタを見て右腕にある大剣を振り払った。


「邪魔すんじゃねーぞ」


 と言って、ラージュを蹴り飛ばそうとした。ラージュは蹴りをかわし、ソンウクの後ろに回って大剣を振り回した。


「へぇ」


 飛んでくる大剣を見て、ソンウクは左手の甲を盾にするように構え、大剣の一撃を耐えた。


「いい攻撃じゃねーか。魔力を使ってるな」


「まーね」


 ラージュは力と魔力を込めてこのままソンウクの左手を斬り落とそうと考えた。だが、ソンウクの左手は本物の盾のように頑丈で、大剣は動くことはなかった。


「グッ……ウウッ!」


「もういいか? オメェからぶっ飛ばされてぇならその通りにぶっ飛ばしてやるけど」


 ソンウクがこう言うと、上から水が降ってきた。いきなり水が降って来たため驚いたソンウクだったが、カイトの仕業だと判断し、横から飛んでくるカイトを見てにやりと笑った。


「へぇ。オラに一撃を与えた技で来るか。いいぜ、来い!」


「この野郎! ラージュから離れろォォォォォォ!」


 カイトは声を上げながら刀を振り下ろした。だが、この一撃でソンウクにダメージを与えることはできなかった。攻撃を受け止めたソンウクを見て、カイトは驚いて立ち尽くしていた。


「な……何で……」


 この時、カイトは気付いた。青髪だったソンウクの髪の色が、赤になっていたからだ。


「攻撃を受ける寸前にモードを変えたってわけだ。まぁ、モードを変えなくても今のオラならあの攻撃を受け止めたがな」


 と言って、ソンウクはカイトを蹴り飛ばし、ラージュの方を見た。


「それじゃあオメェからぶっ倒してやる!」


 ソンウクは左手を払ってラージュの体勢を崩し、倒れようとするラージュの腹に右手のフックを放った。


「ガハッ!」


 攻撃を受けたラージュは悲鳴を上げた。その後、ソンウクは何度もラージュの腹を殴り、最後の一撃を放つため、右手を大きく後ろへ下げた。


「まずは一人だ」


 ラージュを倒したと確信したソンウクはこう言って、強烈な右ストレートをラージュの腹に沈めた。攻撃の勢いが凄まじいためか、ソンウクの拳はラージュの腹の奥までめり込んだ。強烈な激痛がラージュを襲ったが、悲鳴を出すことはできなかった。そして、物凄い速さでラージュの体は後ろへ吹き飛び、壁に激突した。


「ラージュ!」


 カイトがラージュに近寄って様子を見たが、ラージュの口からは血が流れ、腹も広範囲に青く黒ずんでいた。そして、カイトが名前を呼んでもラージュは返事をしなかった。


 今回のソンウクの四つのモードの元ネタ何ですけど、まぁドラゴンボール好きなら簡単に分かると思います。分かっても何も言わないでね。作者とのお約束だよ!


 ちなみに好きな悟空の形態は超サイヤ人4です。思い出を大事にする作者の作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします。

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