表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
255/430

三つの目を持つ戦士


 ゼルリム、ザムチャンと続けて強敵を倒したカイトたち。二回続けて戦ったためか、カイトたちは体力も魔力も大きく消耗していた。だが、次の相手であるジャスセンハはカイトたちの回復を待った。


「何だか、相手はかなり正々堂々と戦う性格みたいだな」


「そうだね。戦士としては、立派だと思うよ。真面目過ぎるかもしれないけど」


 と、カイトとセアンは話をしていた。そんな中、ライアが奥にいる戦士たちを見て話しかけた。


「一人いなくない? さっき倒した戦士を含めて六人はいたのに」


 ライアにいわれ、セアンは戦士の数を確認した。そこには名を知らない二人の戦士、その横で座っているゼルリムとザムチャン。そして、カイトたちの前で座禅をしているジャスセンハ。残り一人がいつの間にか消えていたのだ。


「もしかして、奇襲するって話じゃあ……」


「そんなことをするわけないだろうが」


 後ろから声が聞こえた。姿が見えなかった戦士が後ろから現れたのだ。ライアはその声を聞いて驚いたが、その戦士は豆のような物をカイトたちに渡した。


「この豆は養豆と言う。一粒食べれば魔力も回復し、戦いの疲れも一気に治まる」


「へー。すごい豆があるんだね。食べても大丈夫?」


「当たり前だ。早く食べて戦いに備えろ」


 その戦士に促され、カイトたちは養豆を食べた。噛み砕いて飲み込んだ瞬間、カイトは体内の疲れが一気に治まり、魔力も回復したことを感じた。


「すごい。たった一粒で回復した……」


「これで戦えるはずだ。ちまちまと変な菓子を食べるより、そっちの方がよっぽどいい。戦いの合間で食べろ」


 と言って、その戦士は仲間たちの元へ去って行った。去り際、ジャスセンハはその戦士に語り掛けた。


「お前が敵に塩を渡すようなことをするのは珍しいな」


「素晴らしい戦士だったからな。もし、お前が俺と同じ立場だったら同じことをするだろう?」


「そうだな。いい戦士だからこそ、いい勝負をしたいからな」


 そう言うと、二人は互いに笑った。その後、カイトたちは立ち上がってジャスセンハにこう言った。


「そろそろやろうか」


「そうだな。行くぞ」


 ジャスセンハは立ち上がり、カイトたちを見て構えた。




 ケアノスはレイピアを構え、ジャスセンハの動きを観察していた。カイトとセアンとウイークはすぐに突っ込もうとしたが、コスタが相手の様子を伺うようにと言い、その場に止まっている。その時、ケアノスはジャスセンハが反応して少しだけ動いたことを察していた。


 相手は受けの構えをとっている。変な攻めじゃあ逆にカウンターをされる。


 そう思い、ケアノスは冷や汗を拭いながらジャスセンハの様子を伺った。


 一方、ジャスセンハもケアノスの様子がおかしいことを察していた。自分の動きを観察し、どんな動きをするのか、どんな攻撃をするのか見て考えるつもりだと思った。


 このままじゃあ互いに動かないな。仕方ない。


 そう思ったジャスセンハは、魔力を解放した。その時、彼の額に目が現れた。それを見たカイトたちは声を上げて驚き、動きが止まった。


「な……なああ……もう一つ目が出てきた」


「あんた何者? 目が三つあるだなんて……」


「俺は三つの目を持つ戦士、ジャスセンハだ。この額の目は相手の動きを読むことができるぞ」


 ジャスセンハはそう言ったが、ウイークが二つの剣を持って斬りかかった。


「そんな脅しには屈しねーよ!」


「ふっ。勝負を急ぐと愚かな結末を辿るだけだぞ」


 ジャスセンハは両手を魔力で覆い、ウイークの斬撃を受け止めた。


「何!」


 攻撃を止められたウイークは驚いたが、その隙にジャスセンハはウイークを後ろの地面に叩き落とした。心配したカイトはウイークへ近寄り、様子を見た。


「大丈夫かウイーク?」


「まーな。それにしても、最近の俺、やられっぱなしだなー」


 そう答えながら、ウイークは立ち上がった。ジャスセンハはウイークを見て、にやりと笑ってこう言った。


「どうした? さっきの威勢はどこへ行った?」


「んにゃろー、マジで俺の動きが分かるのか?」


「言っただろう。そこの坊主、右腕に力を込めているな」


 ジャスセンハの言葉を聞き、カイトは驚きの声を上げた。カイトはこの隙に刀を持ってジャスセンハに攻撃を仕掛けようと考えていたのだ。


「マジで分かるみたいだな。相手の動きが」


「そうだ。どうする? 降参するか?」


 その言葉に対し、カイトはため息を吐いた。


「俺たちはあんたらに勝つ。ここに何があるか分からないけど、海賊として目の前の宝を無視して先に行くことはできない」


「そういうことだよ! 覚悟してね!」


 と、セアンの声が聞こえた。ジャスセンハは急いでセアンの方を振り向き、攻撃を防御した。


「グッ! 力を込めてカトラスを振り下ろしたのに……」


「無駄だ」


 ジャスセンハはセアンを上空へ投げようとしたのだが、コスタの魔力で作った弾丸が彼の足を撃ち抜いた。


「銃か。そうか、お前を忘れていた」


 コスタの存在を忘れていたジャスセンハは、魔力を解放してコスタに向けて衝撃波を放とうとした。だが、上空にラージュがいることを察知し、ラージュの攻撃を防御することを優先した。


「女のくせにそんな剣を使うとは。かなりの怪力を持っているな」


「褒めていただき光栄です。それじゃあこのままあんたをぶった斬ってやるわ!」


「それは不可能だ」


 ジャスセンハは後ろへ下がり、地面に落ちたラージュに向かって右足のかかとを落とそうとした。その隙にライアが猛スピードで接近し、ナイフでジャスセンハの左足を攻撃した。だが、この攻撃を受けたジャスセンハは倒れようとはしなかった。


「嘘ッ! 結構力を込めて攻撃したのに!」


「攻撃が当たる瞬間、俺は左足に力を込めて筋肉を膨張させたのだ。おかげで、ダメージを抑えることに成功したのだ」


 驚くライアにそう言うと、ジャスセンハはライアの方に向きを変え、右足のかかと落としを放った。ライアは魔力のバリアを張って攻撃を防ごうとしたが、ジャスセンハのかかと落としはライアのバリアを破壊し、そのままライアの右肩に強烈な一撃を与えた。


「ぐっ……うわああああああああああ!」


 攻撃を受けたライアは、右肩を抑えて悲鳴を上げた。カイトがライアの右肩を見て、呟いた。


「まさか、粉砕骨折か?」


「そうだ。俺の一撃は骨を砕く。さぁ、次は誰が砕かれたい?」


 カイトの呟きを聞き、ジャスセンハはこう言った。カイトは刀を構え、ジャスセンハに向かって突きを放った。


「じゃあ俺を砕いてみろよ」


「ほう。自ら名乗り出たか。なら望み通りに砕いてやろう」


「やってみろよ!」


 と言って、カイトは連続して突きを放った。だが、ジャスセンハは余裕の表情でカイトの攻撃をかわしていった。


 クソッ! どうやって奴に一撃を与えられるんだ!


 カイトは心の中でこう叫びながら攻撃を続けていた。すると、ジャスセンハはにやりと笑った。


「疲れが見えているな。筋肉の動きが弱弱しくなっているぞ」


「グッ!」


 この言葉を聞き、カイトは動揺した。連続して突きの動作を行ったため、カイトの腕の筋肉は痛みと疲れを感じていた。カイトは攻撃を止めて後ろに下がり、ジャスセンハにこう言った。


「あんたのその額の目、透視能力でもあるのか?」


「言葉の通り、俺の額の目は相手の姿を透視することができる」


 その言葉を聞き、セアンたちは体を隠した。


「ちょっと! それじゃあ私たちのスッポンポンを見れるってこと? 私の生まれたままの姿はカイト以外に見せる気はないよ!」


「そういうことではない! 俺が見れるのは体の中身。筋肉や骨の動きだ」


 ジャスセンハは顔を赤くしながらこう言った。だが、この言葉を聞いてカイトは把握した。ジャスセンハは筋肉の動きで、相手がどんな動きをするのか確認できることを。


 セールでダウンロード販売されていたストリートファイターコレクションをたまにやっているんですが、初代2が難しすぎてノーコンクリアできません。ガイルを使っているんだけど、溜めコマンド難しい。


 格ゲーを使う時は波動昇竜竜巻キャラを使っています。そんな作者が書くこの作品が面白いかったら高評価とブクマをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ