激しい戦いの幕開け
全知の剣の鍵を守る謎の戦士たちと遭遇したカイトたち。戦士の一人、ゼルリムとの戦いが始まった。カイトとウイークの同時攻撃に対し、ゼルリムは高く飛び上がって攻撃をかわし、両手から光を発した。
「んな! 何だあの光は!」
「なんかやばい気がする。避けるぞ!」
カイトとウイークはゼルリムの両手から放たれた光を回避した。光が命中した床は大きく穴が開き、流砂が見えていた。
「うわ……あの光に当たってたら俺は……」
「まぁ、木端微塵になっていただろ」
と、ゼルリムはウイークにこう言った。恐ろしい言葉を聞いたウイークは動揺してゼルリムの方を向いた。だが、ゼルリムの姿は消えていた。
「どこだ?」
「ウイーク、後よ!」
コスタの声を聞き、ウイークは後ろを振り返った。そこには、右の肘で攻撃を仕掛けようとするゼルリムの姿があった。
「ばれちまったか」
「運が悪かったな」
ウイークは素早く右手の剣を振るって反撃をした。攻撃が来ると判断したゼルリムは後ろへ飛んで回避し、猛スピードでウイークに接近した。
「グッ! 早すぎる!」
猛スピードで動くゼルリムを見て驚くウイークだったが、その隙に攻撃を受けてしまった。ウイークが壁に吹き飛んだ後、カイトが刀を構えてゼルリムに接近し、刀を振り下ろした。
「ただの剣じゃないな」
カイトの刀を見たゼルリムはそう呟き、横にジャンプして攻撃を回避した。だが、縦斬りに対して横に飛んで回避するだろうとカイトは予測していた。すぐにカイトは刀を横に構え、振るった。
「俺もそう来ると思ってたよ」
迫る刀を見てゼルリムはそう言った。それでもカイトは攻撃を止めなかった。この攻撃はゼルリムによって止められたが、カイトはにやりと笑っていた。
「何がそんなにおかしいんだ?」
「さぁね」
こう聞いた直後、ゼルリムは背中に激痛を感じた。セアンが背後に接近し、カトラスで一閃していたからだ。
「隙あり! 今だよ、皆!」
セアンの声を聞き、ケアノスとライアが現れてゼルリムに攻撃を放った。
「ウグッ! こりゃーまずったな……」
攻撃を受けながら、ゼルリムは呟いた。この呟きを聞き、ケアノスは内心驚いていた。本気で攻撃をしているのに、ゼルリムが余裕の態度をとっていることに。
戦士たちは戦いの様子を見て話をしていた。
「ゼルリムの奴が少し押されているな」
「そうだな。あいつら、一人一人の力がとんでもなく強いぞ」
「俺も同じ意見だ。あの小僧と娘。どんな鍛錬を積んだのか分からんが、相当な強さを持っている」
「だけど、戦いは始まったばかりだ。ゼルリムもまだ本気を出していない。どうなるか見ものだな」
戦士たちが話を終えると、攻撃を受けたゼルリムが周りに衝撃波を放った。この衝撃波を受けたケアノスとライアは後ろへ吹き飛んだ。
壁に激突したウイークは、呼吸を直しながら痛みをこらえ、ゼルリムを睨んでいた。魔力を解放したゼルリムから、とんでもない力を感じていたのだ。
「グッ、バケモンかよあいつ」
「大丈夫、ウイーク?」
心配したラージュがウイークに近付き、魔力を使って治癒を始めた。ウイークはラージュの方を向いて口を開いた。
「ラージュ……なるべくラージュは治癒に専念した方がいいかもしれないぜ」
「そうね。あの人が使う魔力……いや、あれは魔力と言っていいの?」
「魔力じゃあないなあれは。火でも水でも雷でも風でもない。見たことのない力だ。あれを受けたら死ぬか大ダメージ。受けないように立ち回らないと」
「で、どうやって戦うの? 一対多数とはいえ、奴の力は私たちよりも強いわ」
「そうなんだよな。うーむ……」
ウイークはどうやってセルリムと戦おうか考えた。だが、カイトたちはセルリムに向かって攻撃を続けていた。
「うおおおおおおおおお!」
カイトは何度も刀を振り回してセルリムに攻撃を仕掛けていた。だが、セルリムはカイトの斬撃を回避していた。
「おいおい。それでおしまいか?」
「グッ! 早い!」
「それじゃあ私も!」
ここでライアがナイフを持って現れ、カイトと同時に斬撃を放った。だが、二人になってもセルリムは攻撃をかわした。
「遅い遅い。攻撃ってのはこうするもんだ!」
と言って、セルリムは右手でカイトに攻撃した。目にも見えない攻撃スピードだったため。カイトはもろに攻撃を受けてしまった。
「がっ……はぁっ……」
攻撃を受けたカイトは小さな悲鳴を上げ、膝を崩しながらその場に倒れた。その数秒間、セルリムはライアの方に振り返って左手で攻撃をした。ライアも攻撃を受け、その場に倒れた。
「まず二人だ」
カイトとライアを倒した後、セルリムはセアンとケアノスの方を向いた。セアンはハンドガンを使って攻撃を仕掛けたが、セルリムは左手で飛んでくる弾丸を弾いた。
「俺に豆鉄砲は意味ないぞ」
「クッソー! どうやってあいつに一撃食らわせたろうかなー!」
セルリムの言葉を聞き、腹が立ったセアンはハンドガンのリロードを行った。そんな中、ケアノスはセアンにこう言った。
「セアン、コスタが撃った弾丸をあいつが受け止めた時のことを覚えてる?」
「最初の頃ね。確か、弾丸を受け止めて熱いって言って……」
セアンがこう言うと、ケアノスが言いたいことを理解した。
「ほうほう。考えたねケアノス」
「流石セアン。私の言うことを理解したみたいね」
「うん。さて、それじゃあウイークを助けてくるよ」
話を終え、セアンは急いでウイークの元へ向かった。セアンがウイークの所へ到着した時にはすでにウイークはラージュの治癒を終えていた。
「ウイーク! あいつを倒せる方法が見つかったよー!」
「マジか。で、どうすればいい?」
ウイークがこう聞くと、セアンはカトラスの刃をウイークに出してこう言った。
「火の魔力でカトラスの刃を熱くして」
「熱く? ああ。分かった」
何をするか分からないウイークは、急いでセアンのカトラスの刃を熱した。刃から煙が上がったことを把握したセアンはウイークに礼を言って、セルリムの所へ走って行った。
セルリムは近くで倒れているカイトとライアを見て、どうしようか考えていた。
「さて。こいつらをどうするかな。殺すには惜しいな。また強くなってくるだろうし」
そう呟いていると、カトラスを構えたセアンが接近してきた。
「はぁ。また接近戦を挑むつもりか」
セルリムはそう言って、迫って来るセアンを睨んだ。セアンは勢いを付けてカトラスをセルリムに向かってカトラスを振り下ろした。セルリムは左腕を使って斬撃を防御したが、刃の熱を感じて悲鳴を上げた。
「うわっぎゃァァァァァァ! あっぢィィィィ!」
セルリムは左腕を握って悲鳴を上げた。その隙にセアンがカトラスを構えなおし、セルリムを一閃した。
「あ……あがぅ……」
攻撃を受けたセルリムは後ろに倒れようとした。だが、何とかその場で踏ん張り、倒れなかった。しかし、コスタが放った弾丸がセルリムに命中した。
「あっちゃー、やっちまったなぁ、俺……」
セルリムは後ろにいるコスタを見て、負けたことを残念そうに呟きながら倒れた。
セルリムが倒された。そのことを知った戦士たちは驚きの声を上げていた。
「セルリムがやられたのか」
「油断していたとはいえ、奴らはかなり強いな」
「この戦い、面白くなりそうだな」
「よし。それじゃあ次は俺が行こう」
と言って、長い髪の戦士が前に出た。その戦士を見た仲間は、にやりと笑ってこう言った。
「そうだな。決めて来い、ザムチャン。最初にやって来た雑魚よりも、あいつらは強いだろうから気を付けろよ」
「ああ。油断せずに戦ってくるさ」
ザムチャンは仲間にそう言って、セアンたちの方へ向かって歩いて行った。
今回の大ボスとの戦いが始まりました。名前とか戦い方とか見てどこかで見たことがあるとか、これってあの作品じゃあって思うかもしれません。最初に言っておきます。元ネタはドラゴンボールです。子供のころから見ています。ゲームももちろんやっていますよー。
読んでいたマンガ雑誌はコロコロとジャンプだけ。サンデーはハヤテしか読んでいないこんな作者の作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします。




