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地獄は続く


 カイトたちは無残な姿となったジクゼニオスの船員を見て、絶句していた。沈黙が支配する空気の中、セアンが動いた。


「こんな所でじっとしていても始まらない。先に行こう」


「そうね。奴らはこの先にいるだろうし」


 ラージュは死体を見ながらこう言った。カイトも頬を叩いて先へ行く決心を固め、心の中でよしと叫んだ。


 カイトたちはギレムたちが苦戦した危険な風が吹き荒れる部屋の前にいた。何もない部屋だろうと思ったライアが歩き出そうとしたが、ケアノスがライアを引き留めた。


「冷静に動きなさい。こんな何もない部屋だけど、こう見えて何かの罠があるのよ。ちょっと待ってなさい」


 と言って、ケアノスはジクゼニオスの船員の斬り落とされた腕を拾い、部屋の中へ投げた。すると、斬り落とされた腕はズタズタに裂かれた。それを見たライアの顔は青く染まった。


「うっひぃ……下手したら私がバラバラになってたよ……」


「だからうかつに行動しないこと。さて、ここをどうやって潜り抜けるか」


 ケアノスは部屋を見て呟いた。そんな中、セアンが何かを閃いたようにこう言った。


「皆で協力してバリアを張ろう。そうすれば、何かに斬られることはない」


「そうだな。セアンの案に賛成。皆で協力すれば、より強力なバリアを張れるだろう」


 ウイークはセアンの案に同意してこう言った。カイトもこの案に賛成の意を示し、コスタやラージュもいい案だと返事した。言葉を聞いたケアノスは頷き、こう言った。


「それじゃあ皆で固まって魔力を解放してバリアを張る。それで、なるべく早くこの部屋を突っ切ること!」


「おう!」


 その後、カイトたちは協力して魔力を解放し、何層ものバリアをくっつけたより強力なバリアを使い、強風が吹き荒れる部屋を突破した。




 ギレムは船員たちの様子を見ながら歩いていた。仲間が大勢死に、船員の気力もかなり落ちてしまった。


 チッ、この状態じゃあ全滅してしまうぞ。


 船員の気力が落ちたせいで、ギレムは全滅する恐れがあると考えていた。そんな中、後ろから魔力を感じた。


「クソッ! あいつら、もう近くにいるのか!」


 ギレムがカイトたちの接近を察すると、船員たちは悲鳴を上げた。


「うわああああ! ピラータ姉妹に捕まっちまう!」


「そうしたら俺たちはおしまいだ! こんな状況、どうやって打破すればいいんだ!」


 再び慌て始めた船員を見て、苛立ったギレムは魔力を解放した。


「うるさいぞ無能共。大人しく俺に従えば生きて帰れる。バカな行動をすれば死ぬ」


 ギレムの強い魔力と迫力に押された船員たちは、返事をして落ち着いた。船員たちが落ち着いたのを確認した後、ギレムは何も言わず歩き始めた。


 数分後、ギレムたちは新しい部屋に到着した。その部屋の中央には台があり、その上には黒い球体が置かれていた。


「ただの飾りですかね?」


 船員の一人がこう聞いたが、ギレムはあの黒い球体がただの飾りではないと考えていた。もしかしてと思い、ギレムは近くにあった石ころを黒い球体に向かって投げた。すると、黒い球体に目のような物が浮かび、轟音で黒板を爪で研ぐような音が響いた。


「うわあああああ! かなり嫌な音だ!」


「耳が! 耳が痛い!」


「黒板を研ぐ音よりももっと酷い音だ!」


 船員たちは耳を抑えながら悲鳴を上げた。ギレムも嫌な音に耐え切れず、耳を塞いでその場に倒れた。その時、投げられた石が目のような物に向かって吸い込まれて行くのを目撃した。


「グッ……あれは何かを吸い込む物なのか」


「掃除機みたいな物ですか?」


「掃除機? あれが可愛い物に見える。下を見ろ」


 質問をしてきた部下の質問に答えながら、ギレムは台の下を指差した。そこには、砂のようになった石ころが落ちていた。


「侵入者が入ればあれで吸い取り、粉々にしてしまうのだろう。恐ろしい機会だ」


「じゃ……じゃあどうやってこの部屋を突破すればいいんですか?」


「俺が知るわけないだろうが。俺だってここに初めて来たんだから」


 ギレムはため息を吐きながらこう言うと、周囲を見回した。黒い球体に浮かんだ目はまだ消えていなかったが、床から壁のような物が現れていた。


「どうやら、あれで奴の目をごまかしながら先へ進めってことだな」


「それなら簡単ですね」


 船員は安堵の息を吐きながらこう言った。ギレムもこれなら誰も死なずに進めるだろうと思い、自身が先頭に立って部屋の中に入った。


「いいか? 絶対に奴の視線に入るなよ」


「はい」


 ギレムは後ろの部下の返事を聞き、生きていることを把握した。


 後ろにいる部下はこれなら死なないだろうと思いながら歩いていた。だが、しばらくしたら横にあった壁が音を立てて下に下がった。


「なっ!」


「何だと!」


 音に気付いたギレムは後ろを振り返り、部下の横の壁が下がったことを把握した。次の瞬間、再び嫌な音が響き渡った。


「うわあああああ!」


「またこの音か!」


「頭が割れる!」


 船員たちは耳を抑えながら再びその場にしゃがんだ。その様子を見たギレムはまずいと思い、口を開いた。


「バカ野郎! しゃがむな! 早く動け!」


 大きな声で叫んだが、嫌な音によってギレムの叫び声はかき消された。すると、何かを吸い込む音が響き渡り、部下の悲鳴が聞こえた。


「うわああああああああ! 吸い込まれる!」


「船長、助けてください!」


「嫌だァァァァァァ! 死にたくない!」


 後ろにいた船員が黒い球体に吸い込まれてしまった。船員は黒い球体に飲み込まれた後、嫌な音と吸い込む音は止んだ。だが、中から船員の悲鳴と骨が折れる音が響いた。そして、黒い球体の下から砂のような物が出てきた。その中には、血や臓器の破片のような物が混じっていた。


「あ……ああ……」


 船員の一人が仲間の死を見て、我を忘れようとしていた。ギレムはその船員の頬にビンタし、こう言った。


「行くぞ! お前もああなりたくなかったら我に戻れ!」


「は……はい!」


 その後、ギレムと生き残った船員たちは壁の後ろに隠れながら部屋から脱出した。船員たちは荒い呼吸をしながら黒い球体を睨んだ。


「あの変な球体野郎! よくも仲間をやりやがったな!」


 そう言って魔力を解放し、攻撃しようとした。だが、ギレムはその船員を止めた。


「あんな物体に攻撃しても意味がない。攻撃が通じない可能性もある」


「だけど、腹が立たないんですか! 同じ飯を食って同じ場所で寝て、同じ船で生活した仲間が残酷な最期を迎えたんですよ!」


「俺だって苛立っている! だが、ここで、叫んでも意味がない。今俺たちができることは、前を歩くだけだ」


 ギレムは叫んだ後、近くの壁を殴った。この光景を見て、船員たちはギレムも自分たちと同じ気持ちであることを把握した。




 数分後、カイトたちも黒い球体がある部屋に到達した。ライアは黒い球体に目があることを察し、こう言った。


「この部屋って、アイツに見つかったら死ぬって感じじゃない?」


「そうね。壁もあるけど、そう簡単に抜け出すなんて優しいことはしてくれないだろうし」


 ラージュがこう言うと、何かを閃いたウイークがこう言った。


「だったらさぁ、アイツが俺たちを見えないようにすればいいんだよ」


 ウイークは少しだけ魔力を使い、黒い球体の周りに火と雷で作ったカーテンを覆った。カイトは近くにあった小さない石を手にして黒い球体の前に投げた。近くに石が飛んで来ても、黒い球体は反応しなかった。


「これなら大丈夫かもな」


「いざとなったら魔力を解放して逃げよう」


 カイトとセアンがそう言った後、カイトたちは行動を開始した。火と雷のカーテンのおかげで、カイトたちは難なく部屋を突破することに成功した。


 ダーツに詳しい人は聞いてください。知らん人は調べてみてね。ダーツのセッティングは結構変えます。シャフトの長さを330や260に変えたり、フライトをシェイプやティアドロップに変えたりしています。だけどどれがいいのか分からない。どーすればいいんだかねぇ。こんな悩みを抱えている作者の作品ですが、面白いと思ったら高評価とブクマをお願いします。

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