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待ち受けるもの


 カイトたちは遺跡内に侵入したジクゼニオスの連中を討伐するために遺跡へ向かった。前を走るセアンとウイークは地面に足跡があることを察し、立ち止まった。


「奴らの足跡か。もしかしたら先に入った可能性があるな」


「そうだね。一足遅かったかな」


 ウイークとセアンがこう話をしていると、後ろからラージュがセアンの肩を叩いた。


「まだ追いつく可能性はあるわよ。早く行きましょう!」


「うん!」


 その後、カイトたちは再び遺跡へ向かって走り出した。


 数分後、息を切らせたカイトたちは遺跡へ到着した。カイトは呼吸を直し、魔力の探知を行った。だが、カイトは頭を抱えて片膝をついた。


「どうしたのカイト?」


 心配したライアがカイトに近付いて様子を聞いた。カイトは何度も深呼吸をし、ライアにこう言った。


「魔力の探知をしようとしたけど、妨害するような変な気を感じた」


「一体誰が? もしかして、ジクゼニオスの連中?」


「違う。人が発する魔力とかそんなもんじゃない。俺が感じたのは、体の上に重りが乗ってるかのように重くなった感じだ」


「カイトの言う通りだ。体が重く感じる。気分も少し悪い」


 セアンもカイトと同じように魔力の探知を行い、同じように片膝をついていた。ケアノスはカイトとセアンを助けた後、遺跡を見回した。


「もしかしたら、この遺跡自体に魔力があるとか……」


「古代からある建物なら、何かを守るために遺跡を作った人が仕掛けた可能性がるわね」


 コスタの言葉を聞き、ケアノスは賛同した。


 カイトとセアンの体調が治った後、セアンは遺跡を見てこう言った。


「とにかく奴らを追うしかない。覚悟して行くよ」


「おう」


 カイトは頬を叩いて気合を入れ直し、返事をした。




 ギレムは狂った船員にビンタをしていた。ビンタを受けた船員は我に戻り、周囲を見回していた。


「我に戻りました。ですが、先に進むしかないんでしょうか?」


「そうだな。ここに入った以上、後戻りはできないということだ」


 ギレムは床を見てこう言った。もし、戻ろうとするならば床が動き、下にある流砂に飲まれて命を落とす。助かる道は前へ行くしかない。


「行くぞ。どんな仕掛けがあるか分からんが、自分の命は自分で守れ」


 ギレムは船員にそう言って先頭を歩いた。


 しばらく歩くと、風の音が聞こえてきた。不信感を持ったギレムは前を見ると、そこには少し広めの部屋があった。その部屋には何もなく、奥へ続く通路があるだけだった。


「ただの部屋か……なら、この風の音は一体……」


 ギレムは魔力で人形を作り、部屋の中へ向かって投げた。すると、魔力の人形はズタズタに切り裂かれ、バラバラになって消滅した。それを見た船員は悲鳴を上げて体を震わせた。


「下手な場所を歩くと、さっきの人形のようにバラバラになるのか。だから先に向かった奴は頭部を失ったのか」


「どうします? 進むしかないんですか?」


「そうだろうな」


 ギレムの言葉を聞き、船員は悲鳴を上げた。ギレムはため息を吐き、部屋へ向かって歩いた。


「奥に通路がある。どうにかして奥へ行けるということだ」


「でも……一体どうやって……」


「地味に歩くしかない」


 ギレムはそう答えると、部屋の中へ入った。船員たちは恐る恐るギレムの後ろへ近づき、後を追うように歩いた。


「うわぁ、風の音がすごい」


「おい、押すなよ。押したらバラバラになるだろうが」


「押してねーよ。下手したら死ぬっつーのに、仲間を殺すようなバカな真似をするかよ」


 船員の会話を聞き、ギレムはあることを思った。この部屋には人を斬り裂くほどの威力がある風が舞っている。だが、歩く場所を間違えなければ生きて先へ進める。死ぬかもしれないと考えれば難しく感じるが、間違えを犯さなければ大丈夫なのだ。考えれば簡単な答えだが、こんな簡単に罠を潜り抜けるほど楽なのかと考えたのだ。そう思った瞬間、船員の一人が悲鳴を上げた。


「うわっ! バランスが!」


 その船員は強風のせいでバランスを崩し、転倒してしまった。その瞬間、風によって両腕を斬り飛ばされてしまった。


「うわあああああああああ!」


 船員は激痛のあまり、悲鳴を上げながら転げまわった。その結果、船員の体は輪切りにされたかのようにバラバラにされ、後ろの通路へ飛ばされて行った。


「そうか……強風でバランスを崩すから楽じゃないのか」


 ギレムの言葉を聞き、船員たちは声を上げた。


「船長! 呑気なことを言ってる場合じゃありませんよ!」


「早く奥へ到達して生きて帰りましょう!」


 船員の一部は魔力を解放し、風がない場所を把握しながら先へ向かった。ギレムは舌打ちをし、船員たちを追いかけた。


 数分後、ギレムたちは部屋の中央まで来ていた。ギレムは魔力を抑えながら風の場所を把握して歩いていたが、先へ向かった船員たちは魔力が底尽き、歩く速度が落ちていた。


「はぁ……はぁ……腹減った」


「食い物は?」


「ちょっと待ってろ……」


 船員が食べ物を出そうとすると、強風のせいで食べ物を落としてしまった。


「ああ! 俺の食いもん!」


 空腹を訴えた船員が慌てて食べ物を取ろうとしたが、風が船員の首を斬り落としてしまった。また命を失った船員を見て、ギレムは呟いた。


「クソッたれが……」


「ああ、また仲間が死んじまった。俺たちはここから生きて出られるんですか?」


 仲間が死んだ光景を目の当たりにし、涙声の船員に対してギレムはこう言った。


「生きて出る。そう思え。死ぬと思ったら死ぬんだ」


 答えた後、ギレムは魔力を少しずつ使いながら風の場所を把握し、先へ向かった。


 それからまた数分後、ギレムたちは何とか次の通路へ到達した。


「はぁ……はぁ……何とか到達できたな」


「ですが……この部屋のせいで仲間たちが……」


 船員は後ろを見ながら呟いた。この風が吹き荒れる部屋で、多数の船員が命を落としたのだ。ギレムは大きなため息を吐き、こう言った。


「死んだ仲間はもう戻らん。先に行くしかない」


 その時、後ろから魔力を感じた。カイトたちが来ていることを把握したギレムは大きな声で叫んだ。


「先へ行くぞ! ピラータ姉妹が来たかもしれん。奴らに捕まる前に先に行くぞ!」


 と言って、ギレムは先に走り出した。船員たちは慌てながら立ち上がり、ギレムの後を追いかけた。




 カイトは目の前の光景を見て絶句していた。床のレンガが魔力のオーラを放って動き、ジクゼニオスの船員の死体を流砂へ流していたのだ。


「人が死んでも、砂が流してくれるから処理はできるってわけね」


「そんなこと言ってる場合じゃないよラージュ。それよりか、物騒なことを言わないでよ! 恐ろしさが増すじゃない!」


 ライアは震えながらラージュにこう言った。カイトもラージュの言葉を聞き、恐怖で身震いしていた。


 魔力を纏っていたレンガが元の場所へ戻ったのを確認し、カイトたちは先へ進んだ。ウイークは恐る恐る先の通路を見て、何があるのか確認した。


「うわー、なんか物騒な気がするなー」


「どれどれー?」


 と言って、セアンはウイークを押した。ウイークは悲鳴を上げながら手足をばたつかせ、バランスを保って後ろへ下がった。


「のあああああああ! セアン! こんな状況で押すとか止めてくんない? 下手したら俺が死んじゃってサディたちが泣くだろうが!」


「泣くのかな?」


「そんなこと言うもんじゃねーよ! あー、生きててよかった」


 ウイークは安堵の息を吐き、改めて前を見た、カイトも何があるのか気になるため、前を見た。耳には風が吹き荒れる音がし、ここまで多数のジクゼニオスの船員のバラバラになった死体を見てきた。


「一体何が奴らをあんな死体にさせたんだ?」


 カイトはそう呟き、緊張で生唾を飲んだ。


 前はよく映画を見ていました。多い時は、週一で見ていました。最近はレビューで評価が分かりますが、俺は他人のレビューをあてにはしていません。必要なのは、自分自身がどう思うかです。自分が面白いと思えばいいんだよ。それと、映画を見るコツとしては深く細かく考えない方がいいと思います。ツッコミところが多い作品もあると思うけど、なーんも考えない方がいいよ。マジで。


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