襲い来る合体攻撃
カイト、セアンはフワウと共にアプローム、セッシュ、シタンと名乗るジクゼニオスの三人組と戦いを始める。敵の三人は合体技でセアンの技を破るほどの実力があり、フワウは敵の三人はチームプレイが得意と判断した。
「私は近い奴を狙うよ。あんたはどうする?」
「あの少年を狙っている奴を倒す」
「カイトの援護をするのね。お願い」
「任せろ」
セアンとフワウは話をして行動を始めたが、シタンは魔力を解放し、風の衝撃波を放った。
「おわっと!」
「ほう。一人でも力があるんだな」
フワウはシタンを見ながらこう言ったが、シタンは舌打ちをした。
「チッ、外したか! だがまぁいい。セッシュ!」
シタンは近くにいたセッシュの名を呼び、近くへ呼び寄せた。セッシュはシタンの考えていることを把握し、魔力を解放した。
「あの技をやるのか?」
「ああ。そうでもしないとあいつらを倒せない」
「そうだな。うし、行くぞ!」
シタンが魔力を解放すると、それに合わせてセッシュは周囲に風の刃を発した。
「普通の飛び道具か。そんなのが私たちに……」
フワウは油断していたが、セアンはこの後の展開を察しし、叫んだ。
「何かするよあいつら! 魔力を解放してバリアを発して!」
セアンの叫びを聞き、フワウはバリアを発した。すると、セアンとフワウの周りに竜巻が発した。
「セアン! フワウさん!」
アプロームと戦っているカイトは、思わずセアンとフワウの方を振り返った。その隙にアプロームはカイトに向かって剣を振り下ろしたが、カイトは刀を振るってアプロームの剣を弾き、蹴りを加えた。一方、竜巻に囲まれたセアンとフワウは背中合わせになっていた。
「まずいね。さっき最初に放った風の刃が竜巻の中に入って、私たちに向かって飛んで来るよ」
「それと、竜巻の勢いを利用して攻撃力が増す。敵も考えたな」
二人が話をしていると、横の竜巻から風の刃が物凄い勢いで飛んで来た。セアンとフワウは攻撃をかわしたが、別の方向から風の刃が飛んで来た。
「ウッ! これはまずい!」
セアンはハンドガンを使って風の刃を撃ち落とした。フワウは剣で風の刃を破壊したが、飛んでくる風の刃はかなり多かった。
「どうだ! 無限竜巻飛斬! どれだけ逃げても風の刃は追ってくるぞ!」
得意げにセッシュは叫んだが、セアンはため息を吐いてこう言った。
「はぁ……こんな技、からくりが分かれば対処はできるのに」
セアンはそう言うと、魔力を解放して周囲に竜巻を放った。それを見たシタンは目を丸くして驚いた。
「んなっ! 竜巻を放っただと!」
「たった一人で放った竜巻など、大した威力じゃない! 怯むなシタン!」
セッシュはこう言ったが、突如風の刃が飛んで来た。セッシュはこの攻撃を受け、後へ吹き飛んだ。
「セッシュ!」
「クソ! 俺たちが作った風の刃を利用して攻撃するとは……」
セッシュは起き上がりながらこう言ったが、シタンの悲鳴が聞こえた。自分たちが放った風の刃がセアンの竜巻によって跳ね返され、自分たちに向かって飛んで来ているのだ。
「ウワアアアアアアアア!」
「ギャアアアアアアアア!」
攻撃を受けたセッシュとシタンは悲鳴を上げながらその場で倒れた。セアンはどや顔で倒れた二人を見ていたが、フワウは表情を変えずに倒れた二人を見ていた。
アプロームはセッシュとシタンが倒されたことを察したが、カイトが前にいるため、倒された二人の元へ向かうことができなかった。
「グッ! 邪魔だ、どけ!」
「誰がテメーの言うことを聞くかよ!」
カイトはそう言った後、アプロームに蹴りを放った。アプロームは後ろに倒れたが、すぐに立ち上がってカイトに斬りかかった。
「俺の言うことを聞かぬなら、無理矢理切り倒す!」
「やれるもんならやってみろよ!」
カイトは刀を振り上げ、アプロームの刃を破壊した。アプロームは壊された剣を見ながら茫然としていたが、魔力を解放して破壊された刃の先端からビームのような物を発し、剣状にした。
「壊れてもこうやって剣は使えるのだ」
「使えるかどうか分からないアドバイスありがとさん」
カイトはしゃがんでアプロームの足のすねに向かって蹴りを放った。強烈な痛みがアプロームを襲い、しばらく動けなかった。その隙にカイトは刀を振り回し、アプロームに追撃を放った。
「グオオオオオオオオオオ!」
何度も斬撃がアプロームを襲う。防御することしかできないアプロームに対し、カイトは容赦のない斬撃を続けた。
「このままぶっ倒す!」
「この……クソガキがァァァァァァ!」
アプロームは魔力を解放し、カイトを吹き飛ばした。
「おわっと!」
「カイト!」
「少年!」
吹き飛ばされたカイトはセアンとフワウの元に着地した。カイトとの距離が離れたため、アプロームはすぐに倒されたセッシュとシタンの元へ向かった。
「大丈夫か?」
「何とかな……」
「少し時間を使ったから、それなりに傷は癒えた」
「そうか。どうやら、今回の敵は俺たちが思っているよりも強いぞ。三人の合体技を繰り出すぞ」
アプロームがこう言うと、セッシュは驚いた表情をした。
「あの技をやるのか?」
「やるしかない。リスクも大きいが……あいつらを倒せるならリスクを背負おう!」
「おう! やるしかないな!」
会話後、三人は魔力を解放し、カイトたちを睨んだ。カイトたちもアプロームたちが何かをすると察し、身構えた。
「まとめてくたばれ! 必殺、三位一体攻撃」
「トルネードファントムドラゴン!」
「これを受けて生き残る奴はいない。ここがお前らの死に場所だ!」
三人が叫んだ後、風で作られた龍が現れた。三人は魔力を合わせて龍を動かし、カイトたちに襲い掛かった。
「クッ! これでも喰らえ!」
カイトは氷の刃を発して攻撃したが、龍に命中したと同時に粉々になって砕けた。
「何!」
「結構硬い氷なのに!」
砕けた氷を見て、セアンとフワウは驚いた。アプロームはカイトたちが驚く様子を見て、笑い始めた。
「フハハハハハハ! どれだけ強い技を放ってもトルネードファントムドラゴンには効かないぞ!」
「アプローム、魔力を合わせろ!」
セッシュに叱られたアプロームは謝った後、魔力の調整を始めた。そして、三人で魔力を合わせて龍を動かし、カイトたちに攻撃を仕掛けた。激しい風がカイトたちを襲い、そのせいで周りの木々や罠が地面ごとめくりあがり、そのまま上空へ舞った。
「ウワアアアアアアア!」
「キャアアアアアアア!」
「ヌワアアアアアアア!」
攻撃を受けたカイトたちも上空へ舞い上がり、共に舞い上がった木々や罠に命中してダメージを受けてしまった。その後、地面へ落下したが、その上に木々などが降って来た。
「フッ、他愛もない」
木々や罠に埋もれたカイトたちを見て、アプロームたちは勝利を確信した。だが、まだカイトたちは生きていると考え、トルネードファントムドラゴンは解除しなかった。
木々に埋もれているカイトたちはアプロームたちに悟られないように集まっていた。
「グググ……結構強いな。ふざけた技の名前なのに……」
「技の強さに名前は関係ないぞ。イツツ……結構痛いな」
カイトとフワウがこう言ったが、セアンはカイトの下に移動してこう言った。
「カイト、このまま私が受け止めるから落ちて来てもいいよ」
「よくねーだろ。俺の上には木や罠があるんだから、お前が押し潰されるぞ」
「ん? もしかしたら、不埒なことを考えているのではないか?」
フワウがセアンにそう言うと、セアンはそっぽを向いた。カイトは自分を抱きしめていろいろとするつもりだと察し、セアンにこう言った。
「セアン、スケベなことを考えてる場合じゃねーぞ。あいつら、まだあのドラゴンを出しているし、このまま出て来てもやられるだけだぞ」
「確かにね。でも、あれをどうにかする方法はあるよ」
セアンの言葉を聞き、カイトとフワウは驚いた。
敵キャラが技に名前を付ける奴が多いのは、一発しか使わないからそれなりに印象を与えようと考えているからです。この小説が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! ツイッターと言うかXもやっているので、そっちもよろしくー!




