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洞窟の主出現?


 水浴びをしていたカイトはまんべんなく体を水で流し、肌を触った。アジッドスライムによってべたついていた肌だったが、べたつきはほぼ完全になくなっていた。その後、体を動かし、体の動きに問題はないと思ったカイトは陸へ向かって歩いた。


「ふぃー、さっぱりしたー。これで戦えるぜ」


 カイトはタオルで体を拭きながら声を上げた。水浴びをしたおかげで、アジットスライムによってドロドロのヌメヌメになっていた体は綺麗になっていた。カイトの声を聞いていたセアンとコスタは、急いで陸に上がった。


「カイトの方が上がったみたいだね」


「私たちも急ごう。もうべたつきは流れたし」


話をした後、セアンとコスタは急いで体をタオルで拭き、服を着た。その一方で、カイトは服を着て刀を装備し、リュックを背負って準備を終えたセアンとコスタの元に近付いた。


「俺の方は準備できたぞ。すぐに行けるぜ」


「カイトの方も用意は終わったね。それじゃあ早くケアノスたちの所に行こう!」


 セアンが先頭に立ち、先へ進み始めた。その後を追うようにカイトとコスタが歩き始めた。階段を上がった先は普通の通路になっていた。だが、周囲からは水滴の垂れる音と共に何かの唸り声が聞こえ、冷たい魔力を感じていた。


「モンスターかな……だとしたらアジットスライムは勘弁。もう汚れたくない」


「アジットスライムとかフィッシュスライスマンとかいるような洞窟だし、変なのがいてもおかしくないね」


「コスタの言う通り、また体が汚れるのは勘弁だな」


「とりあえず武器を手にして先に進もう。そうすれば、何があってもすぐ対処できる。アジットスライムが出たとしても、さっきと同じような戦い方でどうにかできるから」


 セアンの言う通りに従い、カイトとコスタはそれぞれの武器を手にした。さっきまでは走っていたセアンも、周りの空気を察して慎重に歩き始めた。しばらく先へ進んだが、目の前に壁が現れた。


「あれー? 行き止まり? 困ったな」


「分かれ道なんてなかったよなー」


 歩いていた場所を思い出しながらカイトがこう言った。カイトの記憶通り、現在いる行き止まりまでの道で分かれ道は存在しなかったのだ。


「まさか……罠? 落とし穴にはまった時点で摘み確定ってわけか?」


「それじゃあ私たち、もうここから出られないってこと?」


 コスタの言葉を聞いたカイトは、この洞窟で朽ち果てる想像をし、体を震わした。コスタもカイトが何を考えているか把握し、そんなの嫌だと小さく呟いた。だが、セアンはため息を吐いていた。


「二人とも、何言っているの。壁の奥から水滴の音が聞こえるよ」


 と、セアンが壁に耳を付けるようにと二人に指示した。言われた通り壁に耳を当てると、若干ながら先の方で水滴が落ちる音がかすかに聞こえた。


「ね、聞こえるでしょ? 水滴の音が」


「ああ聞こえたさ。でも、それがどうかしたのか?」


「どこか隙間があるってこと。行き止まりのように見えるけど、この先に行けいるような何かの仕掛けがあるのよ。周りを見て、きっと何か変な所があると思うわ」


 その後、カイトたちは壁の周りを調べ始めた。しばらくすると、カイトは一部分だけ色が変わった壁を見つけた。


「何だ? ここだけ色が違うぞ」


 変色した部分を触ると、突如そこの所だけが奥へ動いた。すると、行き止まりだったはずの壁が大きく揺れだし、左へスライドした。動いた壁の先には、道があった。


「ナイスだよ、カイト! 隠し扉が開くスイッチがあったみたい!」


「偶然だよ。偶然」


「偶然でも何でも先に進めればいいの。こんな状況だし、ラッキーって思わないと」


「さ、先に行こう!」


 セアンが前を向いて歩きだそうとした瞬間、何かを見たのか大声で叫んだ。


「二人とも、急いでしゃがんで!」


「え?」


 セアンの言う通りに二人はしゃがんだ。その直後、何かがカイトたちに向かって飛んで来た。


「何だ、今の?」


「骨みたい」


 コスタは壁に当たって砕けた何かを手にし、骨だと確信した。一体何で骨が飛んで来たと 思いながらカイトは前を見ると、通路の先には動く骨がカイトたちを取り囲んでいた。


「罠の次は動く骨? 宝を守るにしては少し変な罠ね」


「そうね。でも、強くはないみたい。さっき、壁が当たっただけで骨が砕けたから……もしかしてこの一発で粉々になるかも」


 コスタはライフルで頭蓋骨を撃ち抜いたが、吹き飛んだ頭蓋骨は魔力のオーラを纏い、元の場所へ戻った。


「ありゃま、ダメージはないみたい」


「そんな……考えが外れた」


「バラバラにしても元通りの形になるってわけか」


 戦って骨をバラバラにしても意味がない。それを知ったカイトとコスタは一体どうすれば勝てると考えた。だが、セアンはにやりと笑い、二人の方を見た。


「セアン?」


「まさか、勝つ方法があるのか?」


「ふっふっふ……倒せない相手が敵なら手段は一つ」


 そう言ってセアンはカイトとコスタの方へ行き、二人の手を握って魔力を開放した。


「どうする?」


「それはね……逃げる一択!」


 セアンは答えながら、猛スピードで走り始めた。カイトとコスタはずっこけた後、急いでセアンの後を追いかけた。コスタはセアンに近付き、話しかけた。


「本当に逃げることしか考えてないの?」


「そりゃーそうだよ! 復活する敵相手に暴れても力と時間の無駄! だったら逃げるしかないじゃん!」


 セアンがこう言いながら走っているが、カイトはセアンに近付いてこう聞いた。


「まずいぞ、こいつら骨だけで軽いせいか、かなり早いぞ!」


「だったら、こっちも猛スピードで走る!」


 と言って、セアンはカイトとコスタの手を握り、魔力を開放して猛スピードで走り出した。


「うわああああああああ!」


「セアン、この洞窟狭いから周囲に気を付けて走ってよ!」


「うん、分かった!」


 セアンがこう言った直後、カイトとコスタは飛び出ていた鍾乳洞に頭をぶつけた。


「いてて……」


「セアン……本当に分かっているの?」


 コスタは頭を抑えながら、セアンを睨んだ。




 洞窟の奥、動く骨が慌てながら走っていた。その前には、無数の骨で作られ、膨大な魔力のオーラを纏っている巨大な骨のモンスターが座っていた。


「そうか……俺様の宝を狙って侵入者が来たのか。何百年ぶりだろうな、バカが来るのも……」


 巨大な骨のモンスターはそう言うと、立ち上がって近くに突き刺していた錆び付いた大剣を手にし、振り回した。


「野郎共、侵入者を絶対に始末しろ。俺様の宝を奪おうとする奴は女だろうが子供だろうが、ぶちかましてやれ!」


 骨のモンスターの声を聞いた他の骨は、声が出せない代わりに両腕を何度も上に付き上げてやる気をアピールした。その後、骨たちはボロボロの武器を持ち、部屋の出入り口へ向かって走って行った。戦いに行った部下たちを見て、骨のモンスターは後ろにある金銀財宝を見て、我が子を見るような声で呟いた。


「大丈夫だ、生前俺様が奪いに奪った大事な宝物よ……お前たちは俺様の物だ。俺様の財産だ。どんなことがあろうとも、絶対にお前たちを侵入者共には渡さないからな……」


 そう言って、目の前の金貨を手にし、優しくなでた。それに答えるかのように、山積みにされている財宝は輝きを放った。それを見て、骨のモンスターは喜びの声を上げた。


「そうかそうか……俺様といるのが嬉しいのか……俺様も同じだ」


 骨のモンスターはそう言って、再び財宝に手を触れ始めた。そして、侵入者が部下たちの手によって、どんな運命を待ち受けるかを考え、大きな声で笑い始めた。


 異世界革命物語の時は仕事が忙しくて、毎日更新できませんでした。忙しいときは毎日更新できないかもしれないので、その辺勘弁してください。毎日更新か修正作業したいんだけどね。


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