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ケアノスVSスレタ


 ケアノスは魔力を解放し、スレタに対して戦う意思を見せた。だが、スレタはケアノスの魔力を感じてあたふたするしかできなかった。


「あわわわわ、この人強い。ど……どどどどどどうしよう」


 あたふたし始めたスレタを見て、ケアノスはこんな調子で戦えるのかと、スレタのことが心配になった。




 一方、フワウと戦うセアンは、ラージュとライアが自分の方へ向かっていることを察した。


「ラージュ! ライア! 戦いは終わったんだね!」


「うん。一応助けに来たけど、助けいる?」


 ライアの言葉を聞き、セアンは首を横に振った。


「私の方はどうにかなる。どっちかでもいいからカイトの援護を。それと、ジクゼニオスの連中が来ているから、そいつらの対処を!」


 セアンの話を聞き、ラージュとライアは驚きつつも互いの顔を見合わせた。


「私がジクゼニオスの連中を叩いてくるわ。ライア、カイトの援護を任せたわよ」


「うん。カイトを助けたら援護に行くから」


「お願いね」


 二人は会話をし、ラージュは村の外へ、ライアはカイトの方へ向かって走りだした。フワウは剣を振るい、近くにいるセアンから距離をとった。


「なかなかやるな。もう少し本気を出してもよさそうだ」


「後から大変なことになるから出さない方がいいよ。それと、さっきも言ったけど悪い奴らが来ているから、そいつらの対処を……」


「わけの分からん連中からあれこれ頼まれて、はいそうですかと返事をしていうことを聞くわけがないだろうが」


 と言って、フワウはセアンに斬りかかった。セアンは攻撃をかわしつつ、どうやってフワウを説得するか考えた。そんな中、ケアノスがスレタと戦う様子を見た。


「ねー、うちのケアノスが本気を出しちゃうよ。あのあたふたしている子、やられるよ? 下手したら半殺し。戦いを止めるなら今のうちだよ」


 セアンの言葉を聞き、フワウは小さく笑った。


「貴様らはスレタを見くびっているな。度胸はないが、腕は確かだ」


 と言って、フワウはセアンに攻撃を続けた。




 スレタはどうしようと思いつつも、何とか冷静を取り戻して襲い来るケアノスの動きを見ていた。


「フッ! ハッ!」


 レイピアを突くケアノスの動きを見て、スレタはケアノスの動きの癖を探していた。一方、攻撃をするケアノスはスレタの様子がおかしいことに気付いた。


 おかしい。さっきからずっと私の動きを見ている。


 こう思うと、ケアノスはある考えが浮かんだ。スレタは自分の動きを見て、癖や攻撃のテンポを感じ、どう対処するか考えていると。その考えに達した後、ケアノスは動きを止めた。


「はぁ……これじゃあ動きが分かりません」


 スレタは不安そうに呟いた。だが、この言葉を聞いたケアノスは自分の考えが合っていたことを察した。


「相手の動きを読んで、そこから攻撃するつもりだったのね」


「ひぇぇぇ! ど……どうして分かったんですか!」


「何となくね。私の方を観察するかのように見ていたからね」


「ば……ばれてた……でも、私負けません!」


 スレタは魔力を解放し、小さな風の刃を周囲に発した。ケアノスはそれらを使って攻撃するのだと思い、レイピアで小さな風の刃を破壊しようとした。しかし、その前のスレタは風の刃を操り、レイピアから逃れた。


「そうはさせません!」


 そう言って、スレタは風の刃をケアノスの左肩に向かって動かした。ケアノスは体をひねらせて攻撃をかわしたが、後へ飛んで行った風の刃は向きを変え、再びケアノスへ向かって襲い掛かった。


「クッ! 面倒ね!」


 ケアノスはレイピアを振るい、飛んで来た風の刃を破壊した。しかし、まだスレタが発した風の刃は存在し、その残りがケアノスに向かって襲い掛かった。


「今度は多数!」


 多数の風の刃に襲われ、ケアノスは切り傷を負いながらもレイピアで対処した。その時、スレタは両手に剣を持ってケアノスに斬りかかった。


「あなたを斬ります!」


 スレタは左手の剣を横に振るったが、ケアノスはしゃがんで斬撃をかわし、スレタの足に蹴りを放とうとした。だが、スレタはジャンプしてケアノスの蹴りを回避し、そのまま右手の剣をケアノスに向けて振り下ろした。


「やるわね!」


 蹴りを回避されたとケアノスは察し、すぐに風を発し、後へ飛んだ。その時の風の勢いは強く、近くにいたスレタも吹き飛ばされた。


「あわわわわわわ! あいたぁ!」


 吹き飛ばされたスレタは、尻もちをついて転倒した。その時、スレタが発していた小さな風の刃は消滅した。


「いきなり倒れたから、風を発することができなくなったのね。今がチャンス!」


 ケアノスは猛スピードでスレタに接近し、レイピアの刃をスレタの首元へ近付けた。


「降参しなさい。降参すれば、これ以上痛い目に合わなくて済むわ。お願いだから、もう戦いを止めて」


「え……ええ……」


 スレタは動揺しながらも周囲を見回した。フワウやスラクは戦っているため、目の前の敵に集中しており、スレタのことを気にする余裕がなかった。そして、ハマンとプルワン、仲間の女戦士たちは気を失って倒れていた。


「皆さん……」


「早く降参を認めて」


 ケアノスは急かすようにレイピアを動かしたが、スレタはそれを気にせず魔力を解放した。


「なっ!」


「降参するのはあなたの方です! 本気で戦いますよ!」


 スレタはそう言って、周囲に強い風を発した。ケアノスはその風に巻き込まれてしまい、高く宙へ上がった。


「うぐっ!」


「奴隷だった私を! 虐げられていた私を救ってくれた皆のため、この島のために私は戦います!」


 スレタは高く飛び上がり、ケアノスに接近した。ケアノスはレイピアを構えたが、それより先にスレタは二本の剣をケアノスに向かって振り下ろした。


「グハァ!」


 攻撃を受けたケアノスは、物凄い速度で地面に向かって吹き飛ばされ、激突した。


「グウウ……やるわね」


 ケアノスはすぐに立ち上がり、上空にいるスレタを睨んだ。スレタは次の攻撃の態勢をとっており、追撃をするとケアノスは予測した。


「これで終わりにします」


「やれるものならやってみなさい」


 次の一撃で終わりにすると宣言したスレタに対し、ケアノスはこう言った。スレタは周囲の風を自分の所に集めて魔力として変換し、魔力の補充をした。そして、体を回転させながらケアノスに向かって動いた。


「ドリルのように動きながら突っ込むつもり? 似たような技なら、私でもできるのよ!」


 ケアノスはレイピアの刃の周りに魔力を発し、ドリル状の形を作って飛んでくるスレタに向けて刃を突き出した。スレタとケアノスのレイピアの刃がぶつかり合い、周囲に激しい音と火花をまき散らした。


「ぐ……ぐぐぐ……」


 レイピアの刃に攻撃を受け止められたスレタだったが、負けてたまるかと思いながら魔力を解放し、放つ技の威力を高めた。それに対し、ケアノスは何もしなかった。


「あなたに一つ伝えておくわ。それだけ強い魔力を常に開放していると、後で弱くなるわ」


「そ……そんなこと……」


 その時、スレタはあることを察した。自分の体を覆っている風が徐々に弱くなっているのだ。


「ま……まさか」


「勝負を焦りすぎたわね。それだけ急に魔力を使うと、すっからかんになっちゃうわよ」


 ケアノスがそう言った後、スレタの周りの風は消えてしまった。


「そんな……」


 スレタは地面に着地し、態勢を整えようとした。だが、体を回して技を放ったため、急な吐き気がスレタを襲った。


「うっ……うう……」


「これで終わったわね。さ、降参しなさい」


 と、ケアノスはレイピアの刃先をスレタに向けた。スレタは魔力も体力も尽きたことを察し、負けを認めた。


 えー、もしかしたら感想欄であれこれ言われると思いますが、今回ケアノスと戦ったスレタの元ネタ何ですが……まぁ、知っている人は分かると思います。なので、あまり言わんといて。俺もあのアニメ見てたんで。つーことで、高評価とブクマをお願いします。

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