ラージュVSハマン
ハマンの両手には鎖が付いた指輪がはめられていた。ハマンは両手を動かし、ラージュを睨んで魔力を解放した。
「行くぞ侵入者!」
「はいはい、かかって来なさい」
呆れたようにラージュはこう言った。だが、これはラージュの演技である。ハマンの武器を見たラージュは、ハマンは中距離から遠距離にかけての戦いが得意であり、接近戦を挑もうとしても離れるだろうと考えた。なら、挑発して相手が接近するように仕掛ければいいとラージュは考えていた。
「フン、その態度がいつまでもつかな!」
ハマンは解放した魔力を使って指輪の鎖を操り、ラージュに攻撃を仕掛けた。鎖の先には刃が付いており、それを見たラージュはこれを受けたら危険だと察し、攻撃を回避し始めた。
「どうした? かかって来ないのか? このまま私に倒されてしまうぞ!」
「あんた戦士なんでしょ? そんな遠くからちくちく攻撃するよりも、直接接近してぶっ叩いた方が戦士っぽいけど?」
ラージュはハマンの挑発に言葉を返した。この言葉を聞き、ハマンは動きを止めた。
「私の戦い方が卑怯だと言いたいのか?」
「そうね。遠くからちくちく攻撃してたら、そりゃー誰だって傷を受けずに済むわよ。もしかしてビビりさんなの? 傷が付くことを恐れているのかしら?」
と言って、ラージュは笑い始めた。ハマンの顔に怒りの色が見えてきた。そのことを察したラージュはもう一言告げた。
「遠距離でしか攻撃できない女の怒った顔を見ても、なーんにも怖くないわよ」
「私を侮辱するなよ!」
叫びながらハマンはラージュに向かって走り出した。ハマンの怒号を聞いたプルワンは、ハマンの方を見て叫んだ。
「ちょっとハマン! 相手の挑発に乗らないでよ!」
ハマンはプルワンの叫びを無視し、ラージュに向かって走り続けた。ラージュは大剣を構え、接近してきたハマンに攻撃を仕掛けた。
「計画通り!」
ラージュは魔力を使い、大剣を下から振り上げた。ハマンは右にジャンプして攻撃をかわしたが、ラージュはにやりと笑っていた。
「隙あり!」
振り上げた大剣はラージュの頭上にあった。ラージュはこうなることを考えて行動していた。大剣を振り上げた姿勢にすれば、ハマンがどこへ逃げようとも二撃目で大剣を振り下ろし、攻撃を行うことができる。ハマンがラージュの考えを察するのにそう時間はかからなかった。
「しまった……」
ジャンプして着地する寸前、ハマンはラージュの策にはまったことを察して自分で自分の愚かさを呪っていた。その直後、ラージュの大剣が振り下ろされた。
一方、フワウと戦っているセアンは、携帯が鳴り響いていることに気付いた。
「ちょっとタンマ! 電話が鳴ってるから出てもいい?」
「戦いの最中に電話をするとは! お前ふざけているのか!」
「ふざけてないよ! お願いだから待ってよ!」
「待てるか!」
セアンは仕方ないと呟きつつ、フワウの攻撃をかわしながら携帯を手にした。相手がサディだと知り、急いで電話に出た。
「もしもしサディ?」
「セアン、今大丈夫?」
「女戦士と戦ってるけど、攻撃をかわしながら電話するから何とかなる」
「何とかなるって……まぁいいや、大変なことが起きたの!」
「大変なこと?」
セアンが言葉を返すと、フワウの斬撃がセアンを襲った。セアンは上半身を後ろに反らして攻撃をかわし、電話を続けた。
「凄い音が聞こえたけど」
「相手が剣士なの。で、大変なことって?」
「ジクゼニオスの連中が近くにいるの! もしかしたら、ランドレディースへ攻め込むかもしれない!」
ジクゼニオスが接近していることを知り、セアンは驚きの声を上げた。フワウはその声を聞いて一瞬だけ隙を見せたが、すぐに気を取り戻した。
「マジで! 分かった、私たちも戦いを終えてすぐに奴らと戦うことにするから! サディたちはどこかに隠れてて!」
「分かった! セアンも皆も無事で!」
サディとの連絡を終え、セアンは携帯をしまった。フワウは通話中のセアンの動きを見て、少し動揺していた。電話をしている中で、セアンはフワウの斬撃をかわし続けていたのだ。
「私の剣を……それも、電話をしながらかわすとは……かなりできるな」
「はいはい、お褒めの言葉として受け取っておきますよ。それよりも、大変なことになってるから、戦いを止めて」
セアンの言葉を聞いたフワウは、セアンに剣の刃を向けた。
「大変なことだと? さっきの表情と関係しているようだが、一体どういうことか教えてもらおうか」
「この島に悪い奴が来ている。下手したら上陸するよ」
「下手な嘘は止めた方がいいぞ。そんな嘘に誰が引っかかるか!」
と言って、フワウはセアンに斬りかかった。攻撃をかわしながら、セアンは大変なことになったと呟いた。
ハマンに向かって大剣を振り下ろしたラージュだったが、ハマンは指輪の鎖を一つにまとめ、大剣の一撃を受け止めたことを知って驚いていた。
「あらま。その鎖、結構強度があるのね」
「魔力の鉱物、魔石でできているからな。そんな攻撃じゃあ傷一つも付かない」
動揺しているラージュにそう言うと、ハマンは左手の小指の鎖を操り、ラージュの腹に攻撃を仕掛けた。ラージュは攻撃に気付いて後ろに下がったが、鎖の動きが早く、ラージュが避ける前に腹に命中した。
「グッ!」
「捕らえた!」
ハマンはそのまま鎖を操り、ラージュを上へ投げ、身動きが取れない状況を作った。そして、防御として使っていた鎖を動かし、宙にいるラージュに向けて放った。
「これで終わりだ!」
十本の鎖がラージュに向かって飛んで行き、攻撃を与えた。ラージュは魔力を体の周りに開放し、バリアのようにして使っていたが、それでも鎖の刃はラージュの体を傷つけた。
この鎖、強い!
攻撃を受ける中、ラージュは改めてハマンの強さを察した。攻撃が終わり、ラージュは地面へ倒れた。その時のラージュの姿を見たハマンは、驚きのあまり口を開いた。
「驚いた、全力で攻撃したのに傷があまりない」
「魔力を使って防御したからね」
驚くハマンに対し、ラージュは立ち上がりながらこう言った。そして、深呼吸して魔力を解放し、ハマンに向かって飛び上がった。
「再び宙で攻撃を受けたいのか? お前は!」
飛び上がったラージュに対し、もう一度鎖で攻撃を仕掛けようとハマンは考え、行動に移した。だが、ラージュは大剣を構えていて、飛んできた鎖に向かって大剣を振るった。その時、大剣から強烈な衝撃波が発し、ラージュに向かって飛んできた鎖の勢いを落としてしまった。
「なっ! 鎖が!」
「残念だったわねぇ!」
落ちた鎖を見るハマンを睨みながら、ラージュは大剣を振り下ろしつつ地面に着地した。攻撃を受けたハマンは小さな悲鳴を上げ、物凄い速度で後ろへ吹き飛んだ。ハマンは村の外にある木々をなぎ倒しながら遠くの岩盤に激突し、めり込んだ。
「グウッ……グフッ……」
ハマンはふらつきながらも立ち上がったが、立つだけで精いっぱいだと察し、その場で倒れた。しばらくして、ラージュが様子を見に来た。
「あらあら、ちょっとやりすぎたかしら」
そう言って、倒れたハマンを背負い、村へ戻った。
ハマンが倒された。そのことを知ったプルワンは驚きのあまり動きを止めてしまった。
「嘘でしょ、ハマンがやられた!」
「隙あり!」
と言って、ライアが雷を纏ったナイフでプルワンに斬りかかった。突如斬りかかったライアを見ながらプルワンは驚き、後ろに下がった。
「ちょっと! いきなり斬りかかるのは危ないじゃない!」
「奇襲して何が悪いのさ? 悪いのはよそ見をした君の方だと思うけどね」
「クッ! 仲間がやられて傷心するこっちの身にもなりなさいよ!」
「悪いけど、私はそこまで優しくないよ!」
「この女!」
ライアの言葉を聞いたプルワンは魔力を解放し、ライアに斬りかかった。ライアは迫るプルワンを見て、ナイフを構えた。
モブキャラの名前にガンダムネタとか出しまくるくせに、俺は今までスパロボをやったことがない。ぶっちゃけ言うと、ガンダム以外のロボットアニメは全然分からないから。やったとしても、ガンダムキャラメインで使いそう。こんな作者が書く作品ですが、高評価とブクマをお願いします。




