女たちの戦い
ランドレディースへ潜入したセアンたちだったが、潜入はすぐにばれてしまい、追われる身となった。
「待て! 待たないと撃つぞ!」
「問答無用! 矢を放て!」
セアンたちを追いかける女戦士たちはセアンたちに向かって弓矢を放つが、セアンは振り向いてハンドガンを撃ち、ライアがナイフを振るって衝撃を放ち、飛んでくる矢を撃ち落とした。
「すぐにばれるとは思わなかったよー」
「でも、カイトがウイークと合流したらしいから、全ていいってことでいいんじゃない?」
「だねー」
セアンとライアはそう話をしているが、ケアノスはため息を吐いてこう言った。
「よくないわよ。カイトとウイークが捕まった可能性が高いわ。早く二人の元へ向かいましょう」
ケアノスの声を聞き、セアンたちは急いでカイトの元へ向かった。
数分後、セアンたちは女戦士の村に到着した。村の中央では、セアンたちが来ることを察していたフワウたち女戦士たちがいた。
「来たか。侵入者共」
フワウはそう言って剣を構えたが、セアンたちは村の中央で捕まっているカイトを助けようとした。
「カイト! 下半身丸出しになっちゃってまぁ」
「こんな所で羞恥プレイされるなんて……かわいそう」
セアンとコスタはフワウたちを無視し、カイトを助けようとした。カイトは慌てて近付いてきた二人にこう言った。
「なぁ、その前にトランクスをはかせてくれ……この状態じゃあ……」
カイトは顔を赤くしながらこう言った。セアンはごめんと言いながらカイトが身に着けていたスカートからトランクスを取り出し、カイトにはかせようとした。
「はぁ……一体何をされていたのかしら?」
「カイト、見た目は女の子っぽいから、怪しいから脱がされたんじゃない?」
と、ケアノスは顔を真っ赤にしながら、ラージュは笑いながらこう言った。そんな中、ウイークが叫んだ。
「オオオオオオオオオオオオイ! 俺も助けてくれェェェェェェェェェ!」
「あー、はいはい」
ラージュはウイークを棒で突いている女性をどかし、ウイークを助けた。熱湯の中にいたせいか、ウイークの全身は赤くなっていた。
「あらま、火傷寸前」
「死ぬかと思った……」
「セアン、カイトは助けた?」
「今解放したよー」
セアンはカイトの動きを封じていた鉄枷を破壊し、カイトを救った。
「それじゃあ戻るか。女戦士の皆さん、お騒がせしましたー」
と言って、セアンたちは足早に去ろうとした。だが、フワウはセアンたちの前に剣を出し、こう言った。
「逃げきれると思うなよ、侵入者共!」
「あちゃー、私は戦う気はないんだけど」
「私は戦う気がある!」
フワウはセアンに向かって剣を振るったが、セアンはカイトを担いだまま高く飛び上がり、攻撃をかわした。
「仕方ないなー」
「こうなるとは思っていたけど」
「皆、真剣になって。相手は本気よ」
「こうなったらやるしかないね」
「さて、こっちも真剣にならないとね」
と、ピラータ姉妹はこう言った後、フワウたち女戦士を睨んだ。
一方、ヴィーナスハンドにいるサディたちは戻って来ないセアンたちを不安に思っていた。
「皆戻って来ないね」
「カイト君が無事だといいんだけど」
と、話をしていると、上にいたライが叫んだ。
「大変だよ! ジクゼニオスの船が来てるよ!」
ライの言葉を聞き、サディたちは急いで外に出て、ジクゼニオスの海賊船の接近を察した。
「あいつら、ここに来たのね! こんな状況で……」
「私たちじゃあ戦えないし……一度離れる?」
「ちょっと待って、あいつら、私たちの存在に気付いていないわ。別の所で上陸するつもりよ」
サディたちはジクゼニオスの海賊船の動向を確認し、話をしていた。しばらくして、ジクゼニオスの海賊船はヴィーナスハンドの存在に気付かず、別の所で船を停めた。
「大変大変! あいつら、上陸するつもりだよ! 早くセアンたちに連絡しないと!」
サディは慌てながら携帯端末を手にし、連絡を始めた。
ラージュは鎖付きの指輪を振り回し、攻撃をする女戦士と戦い、ライアはナイフを使って戦う女戦士の相手をしていた。
「鎖付きの指輪ね。マンガの読みすぎじゃないの?」
「うるさい! 戦い中に話をするとはずいぶんと余裕だな!」
ラージュの相手の女戦士は叫びながらこう言った。ラージュが攻撃をかわした後、その女戦士はこう言った。
「いい腕の戦士だな……私はハマン。お前を倒す女の名前を憶えておけ!」
「余裕があったらね」
と、ラージュは言葉を返した。一方で、ライアは似たような戦法で戦う女戦士を睨み、口を開いた。
「似たような武器で戦わないでよねー」
「それはこっちのセリフだ」
ライアと女戦士がこう言った後、ハマンはその女戦士にこう言った。
「油断するなよプルワン! 相手は相当強いぞ!」
「理解しているわハマン。あんたも気を付けて!」
と言って、プルワンはライアに襲い掛かった。
一方、ケアノスは慌てている女戦士と戦っていた。
「すみません、本当は戦いたくないんですが、この島の平和を脅かす以上、本気で戦います!」
その女戦士はそう言って、二本のショートソードを振るってケアノスに襲い掛かった。ケアノスは攻撃をかわし、女戦士にこう言った。
「もう少し自信を持って攻撃をしたら? そんな攻撃じゃあ私に届かないわよ」
「ひぇぇぇ……強すぎる」
小さな悲鳴を上げた女戦士に向けて、フワウはこう言った。
「自信を持てスレタ! お前が自信を持てば、誰よりも強い!」
フワウのこの言葉を聞き、ケアノスはもしかして強い相手と戦っているのではと思った。
コスタは二丁のハンドガンを持つ女戦士と戦っていた。島に上陸し、弓を使う女戦士と戦ったため、現代的な武器がこの島にない可能性があると考えていた。だが、現実は銃を使う女戦士がいた。
「さぁ、私の銃弾を受けなさい!」
女戦士はそう言って、コスタに向かって弾丸を放った。コスタは相手の銃口を見て、銃弾の行動を予測し、攻撃をかわした。女戦士はコスタを見て、ハンドガンを下ろした。
「あなた、相当な狙撃手ですね。まさか、銃口を見て、弾丸の動きを予測するとは思わなかった」
「言葉を返すわ。あなたもかなり凄腕の狙撃手ね。私の動きに合わせて銃口を動かして、私の動きを予測して撃つ。私に動きを悟られていても、それも気にせず撃つ」
と、二人は言葉を返した。その後、コスタは片手でスナイパーライフルを構え、素早く発砲した。動きを把握した女戦士は横に移動して弾丸をかわし、左手のハンドガンを発砲した。コスタは高く飛び上がって攻撃をかわしたが、コスタが上空に飛んで攻撃をかわすだろうと考えていた女戦士は、右手のハンドガンでコスタを狙って撃った。
「そう来ると思ってた」
そう呟いたコスタは、飛んで来た弾丸をショートソードで切り裂いた。弾丸が地面に落ちたことを察した女戦士はリロードをしながら深呼吸をし、コスタの動向を伺った。
「なかなかやるわね」
「そちらも」
コスタと女戦士はそう言うと、しばらくして再び口を開いた。
「私はコスタ」
「私はスラク」
簡単に自己紹介をすると、二人は再び武器を持った。
セアンは武器を構え、フワウを睨んでいた。
「あんたが一番強いみたいね。当たりくじ引いたかも」
「当たりくじ? 貧乏くじの間違いじゃないのか? お前の察したとおり、私は強いぞ」
その言葉を聞き、セアンは笑い始めた。
「私も相当強いよ。私たちのこと、知らないみたいだね」
「ああ。海賊風情のことなんて調べる必要もないし、調べる価値もない」
「世の中の状況を知ることも必要だよ」
「とりあえずその言葉を頭に刻んでおこう」
と言って、二人は睨め合いをし、しばらくして武器を持って走り出した。
女戦士たちの名前が明らかとなり、いろいろなキャラが出てきました。名前の由来なんですが……まーその、いろいろとね……聞いたことのある方もいるかもしれませんが、変な突っ込みはしないでね。高評価とブクマをお願いします! 感想や質問も待ってまーす!




