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ラブアとの激闘 その9


 巨大化ラブアの対策として、ラブアの攻撃をラブアへ当たるように立ち回るという策で、ダメージを与えることに成功した。ラブアは魔力を使った攻撃を挑発するセアンに向けて放ったが、その攻撃も自分に命中してしまった。様子を見ていたセアンたちだったが、まだラブアは動いていた。


「グググ……クソガキが……よくも俺を……」


「自分で自分を痛めたくせに」


 傷だらけになったラブアを見て、セアンはこう呟いた。ラブアは両手を大きく上げて、地面にいるセアンたちに振り下ろした。


「来るわよ!」


 メリスの声を聞き、セアンたちは攻撃を回避した。その時、猛スピードで飛んでくる石の粒がセアンとケアノスに命中した。


「グッ!」


「痛っ! まるでショットガンだよ!」


 二人はダメージを受けたが、まだ戦える様子であった。メリスは不安に思い、二人に近付こうとしたが、ライアがこう言った。


「大丈夫だよ。あの程度のダメージ大したことないから」


「でも……」


「気にしないでメリス。すぐ治るから」


 ケアノスはメリスを安心させるため、すぐに治療を始めた。だがその時、ラブアの左手がケアノスに向かって動き、ケアノスを吹き飛ばした。


「ケアノス!」


 セアンはカトラスを持って、ラブアの左手を突き刺そうとしたが、ラブアの右手がセアンを捕まえ、強く握りしめた。


「ガアアアアアアアアア!」


「フハハハハハハ! 油断大敵だなぁ! でかくなった分、防御力も上がったんだ。この程度で倒れる俺ではない。死ね!」


 と言って、ラブアはセアンを遠くへ投げ飛ばした。メリスとライアはラブアを睨み、武器を構えていた。そんな二人を見て、ラブアはにやりと笑った。


「ちっぽけな二匹の虫けらが俺を倒せると思うなよ?」




 カイトを治療していたラージュは、吹き飛んだケアノスと投げ飛ばされたセアンを回収するため、魔力を解放して二人の元へ向かった。最初にケアノスと合流し、様子を見た。


「ケアノス、大丈夫?」


「う……があ……」


 ケアノスは虚ろな目で周囲を見回していた。脇腹を触り、骨が何本も折れていて、陥没していることを把握した。


「これは酷い……」


 ケアノスを抱きかかえながら、ラージュはカイトの元へ向かった。次に向かったのはセアンの所。セアンは岩盤にめり込んでいて、気を失っていた。


「セアン? 返事をしてセアン!」


 何度もラージュはセアンの名を呼んだが、セアンは返事をしなかった。これはまずいと思ったラージュはすぐにセアンを抱きかかえて元の位置へ戻り、三人の治療を始めた。


「かなり重傷ね。だけど治す。何が何でも治す!」


 と言って、ラージュは魔力を解放した。




 コスタはアイアンブレイクがリロードされたスナイパーライフルを構え、ラブアを狙っていた。今、ラブアはライアとメリスを相手に動き回っている。


「でかいくせに、よく動く……」


 動き回るラブアを捉えないコスタは、舌打ちをして呟いた。しばらく観察をしていると、ライアが放った風がラブアの風に命中し、ラブアは後ろへ下がった。


「今だ!」


 撃つとしたら今がチャンスだ。そう思ったコスタは引き金を引いた、アイアンブレイクは回転しながらラブアへ飛んで行き、首の後ろに命中した。


「グガッ!」


 突如、ラブアが悲鳴を上げたため、ライアとメリスは驚いたが、すぐにコスタの攻撃が命中したことを察した。


「流石コスタ! ピラータ姉妹の名スナイパー!」


 ライアは喜びながらこう言ったが、ラブアは目を充血させながら強い魔力を解放し、コスタがいる岩盤に向けて魔力の塊を放った。


「そこにいるんだろ! これを受けて死ね!」


 メリスは魔力の塊を壊そうとしたが、動くのが遅かった。魔力の塊はすでに放たれていたのだ。コスタは急いで逃げようとしたのだが、魔力の塊の方が早かった。


「しまっ……」


 魔力の塊がコスタのいる場所の近くに命中した。その結果、コスタは爆発に巻き込まれてしまった。


「コスタ!」


 ライアはナイフを強く握り、ラブアの顔面へ移動し、右目を突き刺した。


「ウガァッ! クソッ! よくも俺の目を!」


 右目を抑えながら、ラブアはライアを攻撃した。ライアはその前にメリスを連れて地面に着地し、ラブアから離れていた。


「これで時間が稼げるけど……コスタの所へ行ってくる!」


 コスタのことを心配し、ライアはコスタがいる場所へ向かおうとした。だがその時、ラブアはメリスを見て右手の拳を放った。


「一人でも多くぶっ殺す!」


 飛んでくる拳を見て、メリスは魔力のバリアを放とうとした。その時、ライアが急いでメリスの元へ戻って来た。


「そんなバリアじゃすぐに壊されるって!」


 と言って、ライアはメリスを突き飛ばした。その後、ライアはラブアの拳に命中し、地面にめり込んだ。


「ライアさん!」


 メリスは急いで地面にめり込んだライアを救おうとしたが、ライアは鼻血を出し、全身の骨も粉々に砕けていた。


「これじゃあもう戦えない……」


 気を失ったライアを見て、メリスはどうしようか考えた。そんな中、ラブアはラージュの魔力を感じた。


「何だこの魔力は? どこかで虫けらが何かをやっているな」


 そう言って、ラブアはラージュの元へ向かった。ラブアが接近してくるとラージュは察したが、それより先にカイトたちの治療が大事だと思い、治療を続けていた。


「あと少し……多分あと少し……」


 治療を続けるうち、ラージュの魔力が徐々に減って行った。そんな中、セアンが目を覚ました。


「あれ? ラージュ……」


「気が付いたのね。でも傷は酷いから、まだ動かないで」


 ラージュは苦しそうな顔でセアンにこう言った。その時、ラブアが後ろから迫っていることを察した。


「後ろ見て!」


「分かってるわよ。でも先に治療!」


 心配するセアンにラージュがこう言った直後、ラブアの左手の拳がラージュを襲った。


「フン。虫けらが。死にかけた雑魚を治療しても結局死ぬだけだ」


 ラージュを攻撃した後、ラブアはジョンキーの方を見て呟いた。


「さーて、後は大佐様だけか。この状態で暴れたら楽しいだろうな」


 そう呟いた後、ラブアは魔力を解放し、ジョンキーへ向かって飛び始めた。




 目の前でラージュが倒された。セアンはショックを受けていたが、まだラージュの治癒は続いていた。


「嘘……ラージュ! まだ私たちを……」


「黙って……傷の治りが……遅く……なるわよ」


 と、地面の下からラージュの声が聞こえた。それからすぐ、重傷だったカイトとケアノスが目を覚まし、ゆっくりと立ち上がった。


「グッ……一体どうなったんだ?」


「攻撃を受けた後、全然記憶がないわ……」


 二人は立ち上がった後、ラージュが重傷を負っても治療を続けていると察し、急いでラージュの元へ向かった。


「ラージュ! これ以上手当てを続けたら、あなたの傷が広がるわ!」


「私は……大丈夫よ。それよりも……あと少しで……手当は終わるから……じっと……して……て……」


 ラージュがケアノスにそう言った直後、気を失った。カイトたちは急いでラージュの元へ近づき、様子を見た。


「全身の骨が砕けてる。そんな状態で……」


「そうだ……コスタは?」


 カイトは急いでコスタの方へ向かい、黒焦げになって倒れているコスタを見つけた。


「コスタ……コスタ! しっかりしてくれ!」


 カイトが何度も呼び掛けたが、コスタは返事をしなかった。カイトはコスタの左胸に耳を抑え、うっすらだが心臓の鼓動が動いていると察した。


「生きているけど……この傷は……」


「カイトさん!」


 カイトが呆然とする中、メリスがやって来た。その後ろには、セアンとケアノスもいた。


「コスタさんは……」


「気を失ってる。死んでないよ」


「よかった……」


「メリス、シーポリスの救護班をここに呼べる?」


 セアンの言葉を聞き、メリスはすぐに救護班に連絡をした。その後、セアンはカイトとケアノスの方を見てこう言った。


「奴はジョンキーの方へ行った。サマリオだけじゃ勝てない。私たちも行くよ!」


 その言葉を聞き、カイトとケアノスはすぐに返事をした。


 戦況がいろいろと変わる忙しい小説で皆さん驚いたでしょう。いつも主人公側が有利と言うわけにはいかないからね。少しは読者にハラハラさせるような展開も書きます。


 こんな小説が面白いと思ったら、是非高評価、いいね、感想質問、レビューをお願いします。本当にお願いします!

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