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ラブアとの激闘 その5


 激怒したケアノスは、ラブアに何度も攻撃を仕掛けていた。攻撃を受け続けたラブアは傷だらけになったが、戦うことはできた。


「チッ、いい加減くたばれよブサイク」


「お前みたいな奴の攻撃を何度も受け続けた。何度も怪我をした。何度も死にかけた。経験はお前たちより上だ。そんな簡単に折れは死なないぞ」


「じゃあ今ぶっ殺してやるよ、ブサイク野郎!」


 ケアノスはそう言ってレイピアを構えたが、サマリオが現れてケアノスのレイピアを触った。


「ケアノス、ここからは私が奴と戦おう」


「何言ってんだサマリオ? このブサイクは私が半殺しにする」


「私も奴に対して怒りを覚えているんだ。それに、かなり派手に暴れたから魔力も体力も使っただろう。休んで来い」


 サマリオの言葉を聞き、ケアノスはため息を吐いて落ち着いた。


「確かにそうね。サマリオ、ラージュの様子はどう?」


「コスタやライアが回復をしているだろう。メリスもいるし、皆そこで休んでいる」


「サマリオは戦える?」


「ああ。本気を出す」


 この言葉を聞き、ケアノスはサマリオの肩を叩いてこう言った。


「少し休んでくる。休んだ後であいつをぶっ飛ばしに行くから」


「ああ。任せておけ」


 二人が話を終えた後、ラブアは声を出した。


「フッ。大佐様が俺とタイマンで戦うのか。いいのか? 一人で?」


「本気を出すと言っただろう」


 サマリオがこう言うと、ラブアは周囲の空気が突如重くなったことを感じ、体中から冷や汗が流れた。


 な……何だ、この空気は!


 心の中で動揺し、ラブアは反射的に剣を身構えた。だが、魔力を解放したサマリオは剣を振り、ラブアの剣の刃を破壊した。


「な……あ……」


「武器は壊した。次はお前だ」


 と言って、サマリオはラブアの腹を剣で突き刺そうとした。攻撃を察したラブアは素早く体を動かし、サマリオの攻撃をかわした。


「この野郎!」


 ラブアはサマリオの方を見て魔力を解放し、氷の拳を作ってサマリオに殴った。だが、氷の拳はサマリオに近付いた瞬間に溶けてしまった。


「な……なぁっ!」


「悪いな。今の私の周囲には熱い空気が流れている。お前の氷を使った技は一切通用せんぞ」


「じゃあ水はどうだ? 威力が高い水鉄砲なら貫くことができるだろ!」


 ラブアは勢いよく水鉄砲を放った。だが、水は熱で蒸発し、煙になって消滅した。


「クソ! これも通用しないか!」


「遊びは終わりか? なら、今度はこっちから行くぞ!」


 サマリオは剣を構え、ラブアに斬りかかった。ラブアは魔力を解放して身構えようとしたが、サマリオの動きの方が早く、ラブアは魔力を解放する前に斬られた。


「ガァッ……ハァァッ!」


「これで終わりじゃないぞ」


 体から血を流すラブアを見て、サマリオは態勢を直して二撃目の斬撃を放った。ラブアは二撃目の斬撃をかわそうと体を動かした。少しかすってしまったが、攻撃をかわすことができた。


「グッ……ウウッ……」


 反撃しようと考えたラブアだったが、武器はない。魔力を使っても氷の技は熱い空気で溶けてしまい、水の技も蒸発して消えてしまう。攻撃の選択肢はなかったのだ。


 どうすればいいとラブアは考えた。その時、地面の砂利を見てあることを考えた。


「大佐様よぉ、武器っつーのは剣だけじゃあねーんだぜ!」


 と言って、ラブアは右手で砂利を掴み、魔力を発して勢いよく砂利を放った。


「砂利を使ったか」


 サマリオは飛んでくる砂利を見て、横にかわした。だが、動きを見ていたラブアがサマリオに向かってタックルを放った。


「フハハハハハ! 有利な状況になったぜェ!」


「そうか?」


 吹き飛ばされたサマリオは、両手に火を発し、ラブアの背中に押し当てた。


「ガッ! ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 鋭い針で刺されたかのような激痛がラブアを襲った。あまりの痛さにラブアはサマリオから離れてしまい、地面を転げまわった。


「油断大敵だな。これで戦いはおしまいだ」


 と言って、サマリオは剣の刃に炎を発し、ラブアに近付いた。このままでは負けると思ったラブアは、周囲を見回した。ラブアの視線にはジョンキーの町が映った。


「いいこと思いついた」


 ラブアは魔力を解放し、空を飛びながら逃げた。


「あっ! 逃げたぞ!」


「撃て! 奴を撃つんだ!」


 メリスと共に現場に到着したシーポリスの戦士は、飛んで行くラブアに向かって発砲した。だが、ラブアの飛行スピードは速く、弾丸は届くことはなかった。


「クッ、まだ空を飛ぶほどの魔力を残していたのか! 油断した!」


 サマリオは悔しそうにしたが、回復を終えたカイトたちがサマリオに近付いた。


「俺たちはすぐに動けます。奴を追いかけましょう!」


「ああいう奴の考えることは分かります。ジョンキーで暴れるつもりです」


「私たちが戦いにくい状況を作るつもりね。あのブサイク」


 カイトやコスタ、ラージュの言葉を聞いた後、サマリオは頷いた。




 ラブアはジョンキーの外で地面に降り、身を潜めながらジョンキーの中に潜入した。


 人混みの中にいれば大丈夫だろう。


 そう思っていたラブアだったが、すれ違う人がラブアを見てひそひそと話を始めた。


「何あの人? すごい傷だらけ」


「誰か救急車を呼んで来いよ」


「一体何があったんだ? 外で大きな音が聞こえていたが、それに関係しているのか?」


 耳をすまし、ラブアは人々が自分に注目していると察した。隠れていても、注目されたら居場所がばれてしまうとラブアは考え、速足で移動した。


 人々の注目から避けるため、ラブアは隠れる場所を考えた。どこにいい所はないかと考えると、ゼニマーネの隠れ家の存在を思い出した。そこなら隠れ場所にいいだろうと思ったラブアは、急いで歩き始めた。しかし、上空から弾丸が放たれた。


「なっ!」


「悪いけど、あんたを逃がさないよ!」


 声と共に、セアンが上空から現れた。すでにセアンはカトラスを構えていて、勢いを付けてラブアに斬りかかった。


「グウッ!」


 攻撃を受けたラブアは、後ろの建物を破壊しながら人混みがいる場所へ吹き飛んだ。セアンは攻撃しにくい状況を作るため、ラブアがわざと人混みの方へ突っ込んだと理解した。


「キャア! 何なのこの人!」


「傷だらけじゃないか、血も出てる!」


「早く治療をさせないと!」


 人々が騒ぎ始める中、武器をしまいながらセアンがこう言った。


「この人、変態不審者です! 私が干していたパンツをこいつに盗まれました!」


 この言葉を聞き、人々は一斉にラブアを踏み始めた。


「パンツを盗むとはとんだ盗人だな!」


「盗人じゃないわ、ただの変態不審者さんよ!」


「変態犯罪者だ! 骨が折ろうがどうなろうが知ったことじゃない! ガンガン踏むぞ!」


「丁度いいストレス発散の場だ! 俺も踏むぞ!」


 などと人々は言い、ラブアに攻撃を仕掛けた。ラブアはいきなり攻撃をされたため、最初は動揺していた。だが、すぐに怒りで魔力を解放しようとした。その時、セアンが倒れたラブアの頭を掴んだ。


「こいつをコテンパンにしてくれてありがとう。あとは私がやるから!」


 と言って、セアンは魔力を解放し、空高く飛び上がった。飛び上がったセアンを見て、人々の一部が呟いた。


「あれ、よーく見たらピラータ姉妹のセアンだ。サイン貰っておけばよかった」


 セアンは高く飛び上がり、周囲を見回した。


「グッ! 離せ!」


 頭を掴まれているラブアは手足を動かし、何とかセアンから逃れようとした。その時、セアンはカイトたちを見つけてにやりと笑った。


「それじゃあ離してあげるよ!」


 セアンは投げる構えをし、ラブアをカイトたちがいる場所へ力を込めて投げた。


 変態不審者と言うワードを聞いて、プリコネのキョウカを思い出す人がいると思います。もちろん変態不審者の単語の元ネタはキョウカのへんたいふしんしゃさんの話です。以前、よくキョウカをパーティーに入れてたなー。クリティカル時のダメージが高かったし。今はプリンセスキャルを入れてるけど。


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