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サマリオVSノンス その2


 サマリオは海から這い上がり、戦いを続けるノンスを見て少しだけ動揺していた。強烈な一撃を与えても、ノンスは血を流しながら立ち上がる。


「うおおおおおお! くたばれ、シーポリスゥゥゥゥゥ!」


 叫び声を上げながら、ノンスは右手の剣をサマリオに向けて振り下ろした。サマリオは攻撃を剣で受け止め、右足でノンスの腹に蹴りを入れようと動かした。しかし、この動きを予測していたノンスは盾でサマリオの蹴りを防御し、盾から小さい氷の粒をショットガンのように放った。


「ウゴォッ!」


 サマリオは小さい氷の粒を受けてしまい、体中に小さな傷ができた。その上、衝撃の際に後ろに転倒してしまった。


「グウッ……」


「今だ」


 サマリオが転倒したことを察したノンスは、剣に魔力を込めてサマリオに向けて突いた。サマリオは何とか横へ移動して攻撃をかわしたが、ノンスは攻撃を続けた。それから似たような行動が続いた結果、サマリオは船の端へ追い込まれた。海を見て、下に鮫の群れがいることを把握したサマリオは剣を振り下ろそうとするノンスを見た。


「くたばれ!」


 と言って、ノンスは剣を振り下ろした。サマリオは攻撃をかわすため、海へ飛び込んだ。その動きを見たノンスは剣を下ろし、ため息を吐いた。


「斬られて死ぬよりも、鮫の餌になって死ぬことを選んだか」


 サマリオが鮫に食われて死んだと思ったノンスは、後ろを振り向いた。だがその直後、鮫を踏み台にして高く飛び上がったサマリオが船へ戻り、ノンスの背中に一閃を与えた。ノンスはサマリオが船の上に戻って来たことを察していたが、反応が遅れてしまい、攻撃をかわせなかった。




 望遠鏡で戦いの様子を見ていたカイトは、思わずガッツポーズをした。


「うっし! 海に落ちたから危ないと思ったけど、まさか鮫の頭を踏み台にして飛び上がるとは思ってもなかったよ」


「まだサマリオには余裕があるようだね。それなら、この戦いもすぐに終わりそうだね」


 セアンも嬉しそうな声を上げてこう言った。その一方で、メリスは岸へ逃げたトリガミヤワーの船員を捕らえていた。


「うわーん! やっと逃げられたと思ったのに! これはあんまりだー!」


「このまま牢屋にぶち込まれても、結局ディスターソースの連中に殺されるー!」


「嫌だ! シーポリスの皆さん、どうか俺たちを見逃してください!」


「黙りなさい! 自業自得です! 分かったなら、さっさと車の中へ入りなさい!」


 メリスは怒鳴りながらこう言う中、ツリーの携帯電話が鳴りだした。


「誰から? あ、本部からか」


 携帯画面を確認してこう言って、ツリーは携帯電話の操作を始めた。


「もしもーし。シーポリスのマスコット、ツリーちゃんでーす。で? マジで!」


 驚くツリーの声を聞き、カイトたちは一斉にツリーの方に視線を向けた。




 強烈な一閃を受けたノンスは、飛びそうな意識の中、過去のことを思い出していた。


 数年前、チェケラと言う小さな島にノンスはいた。その時のノンスはとにかく人を斬りたいという衝動に駆られており、夜道を通るシーポリスの戦士や旅人などを奇襲していた。そんなある日、ノンスが獲物を物色する中、一人の男を見つけた。


「今宵の獲物はこいつだ」


 そう呟き、いつものように飛びかかって剣を振り下ろそうとした。だが、その男はノンスの攻撃をかわし、反撃でノンスを殴った。この一撃でノンスはその場に倒れた。


「話通り、面白い奴がここにいたな」


 その男は笑いながらこう言うが、ノンスは倒れたままこう言った。


「殺せ。シーポリスに捕まるなら、死んだほうがましだ」


 この言葉を聞いた男は、少し間をおいてこう言った。


「命がいらないのか。なら、その命を俺にくれ」


 最初、ノンスはどういう意味でこの発言をしたのか分からなかった。だが、茫然とするノンスを気にせず話を続けた。


「俺は海賊団を作ろうとしている。だから強い奴が必要だ。お前は俺に倒された。お前は俺より弱いってことだ」


「それ以上言うな。プライドに傷が付く」


「悪いな。さて、話の続きだ。弱い奴は強い奴の言うことを聞け。つーことで、お前は今日から俺の海賊団の一員だ」


 男はこう言った後、ノンスに向けて手を伸ばした。ノンスはため息を吐いて、言葉を返した。


「仕方ない。負けた以上、お前の言うことを聞く」


「決まりだな。俺はラブア。よろしくな」


 その後、ノンスはラブアに拾われ、行動を共にした。トリガミヤワー海賊団の結成、ブラッディークローとの連結、名のある海賊との戦いなどを経験し、ノンスはラブアに信頼され、服船長となった。


 航海の中、ラブアはノンスにこう言った。


「相棒、俺は船長だから何かがあったら一目散に逃げるかもしれない。そうでもしないと、一味は復活しないからな」


「俺たちは捨て駒と言うわけか?」


 ノンスの言葉を聞き、ラブアは笑ってこう言った。


「捨て駒? そんなわけないだろうが。何が何でも助けに行く。だから捕まっても、俺が来ることを待ってろよ」


「ああ。頼むぜ、相棒」


 と、ノンスはラブアにこう言った。




 今。ラブアはノンスたちよりも先に逃げた。だが、ノンスはいずれラブアが自分たちを助けに来ると考えている。しかし、このまま負けるわけにはいかないと思ったノンスは魔力を解放し、強く床を踏んだ。


「まだ私は負けていない! 船長が……ラブアがいずれ私たちを助けに来るが……その前に……一人でも多くシーポリスをぶっ殺す!」


 と言って、ノンスはサマリオに向かって無数の氷の刃を放った。サマリオが氷の刃に対応する隙に、ノンスは体中に残っている魔力を絞り出すかのように開放し、盾を構えた。


「喰らえ……オーロラシールドォォォ!」


 ノンスの叫び声の直後、盾からオーロラのような光線が放たれた。光線はサマリオに向かって猛スピードで飛んで行き、命中した。その後、サマリオがいた場所から大量の煙が発していた。


「やったか! やったぞ!」


 サマリオを倒したと思ったノンスは、歓喜の声を上げて喜んだ。しばらくして煙が晴れたのだが、そこにサマリオの姿はなかった。光線を受けて跡形もなく吹き飛んだのかとノンスは考えたが、その直後にサマリオの声が聞こえた。


「悪いな。あの程度の攻撃、簡単に見切ることができたよ」


 サマリオはそう言うと、ノンスの腹に剣を突き刺した。攻撃を受けたノンスはショックを受けた顔をしながら、サマリオを睨んだ。だが、力も魔力も失ったノンスはしばらくして気を失った。




 ノンスとの戦いを終えたサマリオは、カイトたちがいる場所へ移動していた。着陸した時、カイトたちが慌てているのを見て、サマリオはこう聞いた。


「どうかしたのか? かなり騒がしいが……」


 サマリオの声を聞いたメリスは、慌てながらこう言った。


「大変です! 私たちがいない間に、本部に何者かが現れ、ゼニマーネや最初に捕らえたトリガミヤワー海賊団の船員、ディスターソースを惨殺したということです! それと、本部に残っていた戦士の四分の三が……殺されました」


 メリスの言葉を聞き、サマリオは驚きの表情をしていた。その後、冷静になって今後の対応を考え、こう命令した。


「この戦いで負傷した者は治癒に専念してくれ。まだ動ける者は共に本部へ行き、犯人の確認をする。私は逃げたラブアを追いかける!」


 命令を聞いたシーポリスの戦士は敬礼をし、すぐに自分自身がする行動を始めた。そんな中、カイトがサマリオにこう聞いた。


「サマリオさん一人で敵のボスを追いかけるようですが、一人で大丈夫ですか?」


「大丈夫だ。私はまだ戦える」


 と言って、サマリオはシーポリス用のバイクに乗り、急いで走り去ってしまった。


 リメイクと言う形で今の現代に合わせて発売されるゲームも多々ある中、やっぱりオリジナルもよかった分があるので、どんな形でもいいから遊べる機会を増やしてほしい。今の子供たちにファミコン版や、スーファミ版のドラクエを遊ばせたらどんな反応をするのやら。特にスーファミ版のドラクエ3は思い出があるから、スイッチとかで遊びたいなー。Wiiのコレクション版持ってるけど。


 この作品が面白いと思ったら、高評価、いいね、ブクマ、感想質問、レビューをお願いします。ゲームのことを感想で聞いたら高確率で長文が返って来るのでよろしく。

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