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ケアノスVSクリース その2


 船の下まで吹き飛ばされたクリースは、背中の激痛を感じながら立ち上がった。背中を触ってみると、木の破片が背中に突き刺さっていたことを察した。


「グッ……ウウウ……グウッ!」


 クリースは無理矢理背中に刺さった木の破片を引き抜き、すぐに魔力を使って止血した。その直後、棘のような風の魔力がクリースに向かって飛んで来た。


「あいつは無事なのか!」


 この攻撃はケアノスが仕掛けたと察したクリースは、急いで柱の裏に隠れた。周囲がうす暗く、見えにくいせいかケアノスの攻撃は柱から外れていた。


「暗いせいで外したのね……でも、状況としてはこっちも同じか」


 周囲を見ながら、クリースは呟いた。ケアノスの攻撃が収まった後、クリースは察知されないように静かに早く動き、前の柱の裏に隠れた。クリースはケアノスに気付かれないように接近し、一撃で仕留めようと考えていた。


 一方、ケアノスは深く呼吸をして魔力を抑えていた。その後、目をつぶって冷静になり、クリースがどう動くか考えた。


 一つ目として、魔力を抑えて行動し、奇襲する。


 二つ目として、攻撃した際に発した魔力を探知し、そこから場所を探知して遠距離攻撃。


 三つ目として、船の上に戻って仲間を連れて攻撃を仕掛ける。


 この三つを考えた。ケアノスは上を見て、下に移動して少し時間が経つが、クリースの影が上へ向かって移動する姿を見なかったため、三つ目の考えは消えた。攻撃をした際、遠距離攻撃を仕掛けてこなかったので、二つ目の考えはないと思ったが、落下した際に着地を失敗し、怪我をして攻撃をすることができなかったとケアノスは思った。


 その時、ケアノスは思い出した。攻撃を仕掛ける前に、少しだけクリースの魔力を感じたことを。


「あの時、傷の手当てをしたのね」


 ケアノスは小さく呟いた。その後、周囲を見回しながらケアノスは後ろに下がった。すると、柱の裏に隠れながら移動するクリースの姿を見つけた。


「なっ!」


「みーつけた!」


 ケアノスは一つ目の考えが的中したと思い、レイピアから風の魔力を発して攻撃した。


「クソッ!」


 柱を破壊しながら飛んでくる風の魔力を見て、クリースは火の魔力を発して風の魔力をかき消そうとした。だが、柱を破壊し続けたせいか、途中で威力を落とした風の魔力は途中で消えた。


「はん! 破壊した時の衝撃を計算に入れていなかったようだな! そのおかげで、攻撃を受けることはなかった!」


「いーや、これで十分よ。あんたの目をごまかすにはね!」


 と、後ろからケアノスの声が聞こえた。声を聞いたクリースは急いで後ろを振り返ったが、ケアノスはクリースに向けてレイピアを突いた。ケアノスのレイピアの刃はクリースの腹を貫いた。


「グハァッ!」


「さーて、これでおしまいね。あとは念入りに!」


 その後、ケアノスは何度もレイピアでクリースの体を突いた。無数の傷を受けたクリースは悲鳴を上げつつも、魔力を解放してバリアを張ろうとした。しかし、連続攻撃の前に受けた腹の傷が痛み、そのせいで魔力を思うように使うことができなかった。


「グウッ……ここで……終わるわけには……」


「残念、最後の手は使わせないわよ!」


 ケアノスはクリースが魔力を解放して逆転を狙うと考えた。考え通りにさせないため、ケアノスは魔力を解放し、クリースの右肩にレイピアを突き刺した。


「ギャアアアアアアアアアア!」


 レイピアの刃がクリースの右肩を貫いた直後、ケアノスは魔力を解放した。そのせいでレイピアの刃に纏っていた風の魔力が破裂し、物凄い勢いで後ろへ吹き飛んだ。クリースは柱を壊しつつ後ろへ吹き飛び、船を貫いて放れの岸に激突した。


「ふぅ、何とか大きなダメージを受けずに勝てたわね」


 吹き飛んだクリースを見ながらケアノスはこう呟いた。その直後、周囲から轟音が響いた。ケアノスはやりすぎたと呟きつつ、上へ向かった。




 カイトとメリスの治療を行いつつ、コスタは戦いの様子を見ていた。


「うわー……やりすぎだよケアノス」


 ケアノスが戦っていたクリースが船を貫いて吹き飛ぶ様子を見て、思わずコスタは呟いた。その直後、船の周りの木片が徐々に崩れていく光景を目の当たりにした。


「え……嘘でしょ? 船が崩れる!」


 コスタの言葉を聞き、カイトとメリスは薄目で船の様子を見た。


「うわ、本当だ。何で船が壊れたんだ?」


「多分ケアノスが暴れたんだと思う。ブチ切れた時の魔力じゃないけど……本気を出したみたい」


「皆大丈夫かしら? あと戦っているのは……ライアとラージュ、サマリオさん?」


「ああ……セアンはどこにいるのか分からないけど……多分無事だな」


「カイトの言う通り、無事だよー!」


 カイトたちが話をしていると、カイトの後ろからセアンが抱き着いてきた。いきなり抱き着かれたため、カイトはバランスを崩して倒れた。


「カイトもコスタもメリスも無事でよかったー! 他の皆はまだ船にいるの?」


「ケアノスたちはまだ船にいるわ。それとセアン、そろそろカイトから降りなさい。またダメージを負ったから」


 コスタの言葉を聞き、セアンは気を失っているカイトを見てしまったと呟いた。


 その後、カイトの再治療を手伝いつつ、セアンは様子を見ているコスタにこう聞いた。


「ねぇ、今どんな状況?」


「まだ戦っているわ」


 と、コスタは真剣な顔でセアンにこう答えた。セアンは近くにいたシーポリスから望遠鏡を借り、船の戦いの様子を見た。




 ライアはあと少しで船が沈むと察し、素早くケモンとの戦いを終わらせようと考えた。同じようなことを、ケモンも考えていた。


「船が沈む前にお前をぶっ殺してやる!」


 ケモンは回転しながらライアに向かって飛んで行った。爪の周りに雷が発しているため、これを受けたら感電して動きが鈍くなると考えたライアは、防御するよりも回避しようと考え、飛び上がった。回天を止めたケモンは両手の爪を上空にいるライアに向け、魔力を爪に込めた。


「上に逃げたのが不正解だったな! 喰らえ、ライジングクローショット!」


 ケモンがこう叫ぶと、爪のような形の電撃が放たれた。ライアは両手のナイフに魔力を込め。強めの風の刃を発した。それを見たケモンはにやりと笑った。


「そんな刃でライジングクローショットを壊すことができないぞ!」


「壊すわけじゃないっての!」


 ライアはそう言いうと、風の刃はライジングクローショットに命中し、上空へ向きを変えた。ケモンは口笛を吹きながら呟いた。


「壊すためじゃなく、破裂した時の衝撃で向きを変えたのか」


「そういうこと!」


 そう言いながら、船の上に着地したライアは素早くケモンに襲い掛かった。ケモンは爪を盾にしてライアの攻撃を防御し、近くにいるライアを蹴り飛ばした。ライアは後ろに下がって態勢を整えようとしたが、追撃をするためにケモンが走り出していた。


「逃がすわけねーだろうがよぉ!」


 叫びながらケモンは右手の爪を使い、ライアの右の脇腹を突き刺した。


「グフゥッ!」


 痛みをこらえるライアの顔を見て、ケモンはにやりと笑った。


「痛そうな顔だねぇ。もっと痛みを感じさせてやるよ!」


 と言って、ケモンは右の爪を引き抜いた後、左の爪をライアのへその近くに突き刺した、


「ガハァッ!」


「とどめは海の生き物に任せるとするぜ!」


 腹に傷を負ったライアに向け、ケモンは強い蹴りを放った。蹴り飛ばされたライアは海へ向かって吹き飛び、そのまま落下した。水しぶきを見て、ケモンは大声で笑った。


「ケヒャヒャヒャヒャ! あのピラータ姉妹って言ってもあまり強くなかったなー! たった二本のナイフで私に敵うわけねーだろうが!」


 と言って笑っていたが、海の中から小さな風の刃が飛んで来て、ケモンの右目に命中した。


「アッギャァァァァァァ!」


 攻撃を受けたケモンは、右目を抑えながらその場で転げまわった。その直後、海に落ちたライアが船に着地した。


「何度もお腹を突き刺さないでよ、野蛮女! 徹底的に攻撃してやる!」


 と言って、ライアは右目を抑えて自信を睨むケモンに睨み返した。


 もう10月です。クソ早いよ時が流れるの。でも、メタルギアのコレクションが出るのでちょっと楽しみ。2はクリアしていないけど、3はめっちゃやった。本当に面白かったなー。


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