ケアノスVSクリース
カイトとメリスは受けた傷の手当てをされていた。カイトの手当てを行っていたシーポリスの戦士はカイトに話しかけていた。
「この前は毒を受けて、今回は火傷と腹の貫通。これだけ傷を受けても生きてるだなんて奇跡ですよ」
「それか、魔力が強いかです。カイトさんは我々より、魔力が強いからその分生命力が強いんでしょう」
「ははは……とりあえず、治療してくれてありがとうございます」
カイトは照れながらこう言っていたが、傷が痛んだせいで声を上げた。コスタは心配そうな顔をしてカイトに近付いた。
「カイト、大丈夫? ライフルのスコープで戦いの様子を見てたけど、また大きい傷を受けたね」
「体は少ししか動けないけど、意識ははっきりしているよ。でも、これって慣れちゃあいけないよな」
「そうですよ。自分に防御力があると思って傷を受け続けていたら、いずれ命を落としますよ」
と、メリスがこう言った。カイトは確かにと呟き、コスタはカイトの方を見た。
「カイト、もし何かあったら……息を吹き返すためにいろいろとやるから」
「優しく頼むな、その時は……」
カイトは苦笑いでコスタにこう言った。その時、船の方から魔力を感じた。カイトたちは船の方を見て、ケアノスたちの無事を祈った。そんな中、コスタはスナイパーライフルを持って立ち上がった。
「私、援護をしてくる」
「では、私たちも向かいます!」
「我々もお供します!」
立ち上がったコスタを見て、シーポリスの一部の戦士たちも銃を持って立ち上がり、コスタと共に高い所へ向かった。
ケアノスは目の前の敵、クリースと激しいレイピアの付き合いを行っていた。頻繁にレイピアの刃がぶつかり合うが、時折刃はケアノスやクリースの体をかすっていた。
「グッ!」
「チィッ!」
クリースは目の前に魔力で作った水を出し、破裂させてケアノスとの距離を開けた。ケアノスは水が破裂する前に後ろに下がり、風の刃を作ってクリースに向けて放った。
「風の刃か! こんな攻撃、私に通じぬぞ!」
と言って、クリースは宙に浮く分厚い氷の盾を生み出し、ケアノスが放った風の刃を防いだ。風の刃を受けた氷の盾は傷ついたが、壊れて崩れることはなかった。クリースは宙に浮いている氷の盾を見て、どこからケアノスが攻めてくるか考えた。
「来るとしたら……上!」
クリースは上を見て、奇襲してくるケアノスを発見した。ケアノスは奇襲をすると知られたが、それでもケアノスは攻撃を決行した。
「奇襲するつもりか、盾を足場にして奇襲すると考えていたぞ!」
「その位私も分かるわよ!」
ケアノスはレイピアに魔力を注ぎ、クリースに向かってレイピアを突いた。クリースは魔力のバリアを張って攻撃を防御したが、ケアノスの一撃はバリアを貫いてクリースに命中した。
「グフッ!」
レイピアの一撃はクリースの腹に命中した。ケアノスがレイピアを抜くと、クリースの腹から血が流れた。
「グッ……うう……」
「苦しむふりは止めたら? まだ戦えるでしょ?」
ケアノスはレイピアをクリースに向けてこう言った。クリースはケアノスたち、ピラータ姉妹の戦い方を調べていた。相手を深く傷つけるが、殺しはしない。それか、戦えないと判断したら降参を促すこともクリースは知っていた。なので、クリースはやられたふりをしていたが、その演技もすぐにばれてしまった。
「安い演技ね。そんなんじゃあ女優にもなれないわよ。幼稚園児のお遊戯の方がまだましよ」
「これ以上ぼろくそに言わないでよ、ブチ切れるじゃない!」
と言って、クリースは巨大な氷の棘を発し、ケアノスに向けて放った。ケアノスはジャンプして攻撃をかわしたが、氷の棘はそのまま船の上を通り過ぎ、遠くの岩に命中し、崩壊させた。
「ほー。すごい威力ね。あれを喰らえば私もお陀仏ね」
「私の力を甘く見ないことね」
クリースはケアノスが目をそらした瞬間、巨大な氷の棘を無数に発した。ケアノスは周囲に風を発し、飛んで来る氷の棘を受け流したが、小さな氷の棘がケアノスの腹に命中した。
「ウッ!」
「でかい棘だけじゃないわよ。小さい棘も作れるわ。威力は劣るけど、相手の腹をえぐるにはちょうどいい大きさよ」
攻撃を受け、吐血するケアノスを見ながらクリースはこう言った。ケアノスは腹に刺さった氷の棘を引き抜き、クリースの方に向けて投げた。
「あら。投げて攻撃するつもり? 投げるだけじゃあ簡単に避けられるわ」
笑いながらクリースはそう言って、顔を動かした。しかし、クリースに近付いた瞬間氷の棘は破裂した。破片は物凄い勢いで飛び散り、クリースの体に食い込んだ。
「グウウッ!」
攻撃を受けたクリースは後ろに下がったが、バランスを崩して転倒した。その隙に受けた傷を治療したケアノスは風を発したレイピアを振り上げ、倒れたクリースに向けて振り下ろした。
「しまっ……」
レイピアから発する風の中に無数の刃が発し、扇風機のように動いていた。この攻撃を受けたら体がバラバラになると考えたクリースは動いて攻撃を回避しようとしたが、その前にケアノスのレイピアが近付いていた。
「チィッ!」
クリースは舌打ちをした後、攻撃を受ける覚悟で魔力を解放し、少しでも受けるダメージを抑えようとした。その直後、レイピアの風はクリースに命中し、中にある風の刃がクリースを傷つけた。ケアノスはクリースが逃げないよう、レイピアを下に抑えていた。
「ググググ……ウグゥゥゥゥゥゥ!」
傷つけられる中、クリースは何とかこらえた。しばらくして風は収まった。ケアノスは荒く呼吸をしながら倒れるクリースを見て、小さく呟いた。
「しぶといわね……」
「そんな簡単に倒れてたまるか……」
クリースは立ち上がった後、レイピアを手にしてケアノスに接近した。攻撃が来るだろうと思ったケアノスはレイピアを振り上げ、クリースのレイピアの刃を弾いた。だが、クリースは態勢を整え、反撃でレイピアを突いた。ケアノスは攻撃をかわして反撃しようとしたが、クリースは左手をケアノスに向けて、風の刃を放った。
「キャアアアアアア!」
風の刃を受けたケアノスは悲鳴を上げながらマストへ吹き飛び、激突した。ケアノスはすぐにクリースの元へ向かおうとしたが、クリースはケアノスに近付き、ケアノスに向けてレイピアを向けていた。
「覚悟しな」
「覚悟するのは……あんたの方よ!」
ケアノスは左手に魔力の塊を作り出し、床に向けて放った。魔力の塊は破裂し、ケアノスとクリースの足場を崩した。
「なっ……ああああああ!」
「悪いわね、あんたらの船を壊しちゃって!」
ケアノスは落下しながら、クリースにこう言った。
ラブアは船の揺れを感じ、ため息を吐いた。
「仕方ない……緊急事態だからな」
そう言って、ラブアは近くのトランシーバーを手にし、小さく呟いた。
「予想通りの展開となった。俺は先に逃げる。皆、後で合流しよう」
その後、ラブアはトランシーバーを破壊し、船長室にある本棚に近付き、本をどかした。本棚の奥には、スイッチがあった。ラブアがそのスイッチを押すと、本棚の横にあった鹿のはく製が動き出し、隠し扉が現れた。ラブアはその道を歩き、隠し部屋へ入った。そこには、小さなゴムボートがあった。
「達者でな、皆」
そう言って、ラブアはゴムボートに乗り込んで発進させ、海賊船から脱出した。ラブアは周囲にいるシーポリスに気を付けながらゴムボートを動かし、人の気配がない場所へ移動した。
「さて……これからどうするかな……」
そう呟きつつ、ゼニマーネが持っていた不思議な力を持つ宝石、アップボディを見た。
前はよくガンプラを作っていたけど、転売ヤーのクソ野郎のせいで高値が付いたり、なかなか売っていない状況が続くので今年に入ってからは一個も作っていません。部屋に置くこともしないと言うか、置く場所がないので作るのはもう止めようと思っているけれど、なーんかたまに作りたくなるし、オリジナルのガンプラも考えちゃう。ビルドファイターズみたいに自分で作ったガンプラを動かしてバトルすることができれば嬉しいんだけど。
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