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運命との出会い?


 光り輝く光景の後、カイトが目にしたのは星々が輝く夜空だった。周囲を見渡し、困惑しながら呟いた。


「平原? 暗くて分からないな……ん?」


 しばらく確認すると、少し離れた所に明かりがあった。きっと町か何かあるのだろうと思ったカイトは町に向かって歩き始めた。日本に似た地と聞いていたが、平原らしき場所には明かりを照らす物はなく、車なども通らなかった。本当に日本に似た世界なのかとカイトは思っていたが、近くの草むらから何かの音がした。


「何だ? 誰かいるのか?」


 カイトは刀を持って周囲を見ると、三匹の狼が現れた。狼は低い声を上げ、カイトに向かってゆっくりと歩いてきた。


「狼? おいおい、ここじゃあ普通にいるのかよ」


 驚きながらカイトがそう言うと、群れの一匹が叫び声を上げてカイトに襲い掛かった。カイトはすぐに刀を鞘から抜き、居合の形で狼を一閃した。刀の使い方を知らなかったカイトだったが、神の一部である女性から授かった刀の知識のおかげで、戦いには困らないとカイトは察した。


「すごいな。最初は焦ったけど、何故か知識がある。神の力ってすごいな。これなら戦えるぞ」


 そう呟いていると、別の狼が襲い掛かった。カイトは右手で持つ刀を振り、襲ってきた狼を再び一閃した。斬られた狼の体は二つに裂け、地面に落ちた。


「ふぅ……二匹目も何とかなった……」


 狼を一閃した後、カイトは生き残った狼を睨んだ。狼はカイトの視線に気付き、走って去ってしまった。


「逃げたのか? ふぃー、何とかなった」


 カイトはそう言って刀を鞘に納めた。気配を感じないため、無事に危機を乗り越えたとカイトは思い、灯がある方へ向かおうとした。その時。


「ダメだよ。あのベルードウルフ、仲間を呼んで襲ってくるよ」


 突如、女の子の声が聞こえたのだ。先ほどまで気配がなかったのにと思いながらカイトは身構えると、空からツインテールの少女が現れ、カイトの目の前に着地した。


「えーっと、確かこの辺りだったよねー、変な光が発したの。ねぇ君、その光を見た? 空に迫るくらいの高い光。結構目立ってたから、いろんな人が見てたと思うけど」


 少女の話を聞き、カイトは転生した際にこの場で光が発したと推理した。転生のことを少女に伝えようとしたが、マンガや小説のような出来事が現実で起こるはずはなく、このことを言っても信じるわけがないだろうと思って言うのを止めた。


「い……いやー、俺も分からなくてさー」


「本当?」


 と、少女は顔をカイトに近付けてこう聞いた。その時の少女の目はカイトが嘘をついていると語っているかのようだった。この少女をごまかすことは不可能だと判断し、カイトは少女に真実を言うことにした。


「ごめん。あれは嘘だ。本当は、俺がここに転生した時にできた光……だと思う。あの中にいたからどのくらい光っていたか分からないけど」


「転生? うーん……何だか分からないけど……ちょっと待ってね。今から君のことを調べるから」


「え? 俺のことを調べるって……」


 困惑するカイトだったが、それに構わず少女はカイトの観察を始めた。しばらくし、不思議そうな声を上げながら、少女はカイトの体中を触り始めた。


「くすぐったいと思うけど、じっとしてねー」


「あひゃひゃひゃひゃ! ちょっと、ゆっくりやって! おわっ! 股間を触らないでくれ!」


「ごめんごめん。結構立派だね」


「感想を言うのは止めてくれ!」


「ごめーん。でも、もう少しで終わるからちょっと待ってね。うし、大体わかった」


 調べ終えたと告げた少女はカイトから離れ、こう結論した。


「見た目や体に異常はないけど……まぁ不思議な子ってことでいいよね。魔力はあるし、体つきも普通。君が話したことが真実かどうかはあとで判断するから。それと……結構私好みの顔だね。このままホテル行く?」


「ああ。まぁそんな感じで……最後の一言が気になるけど。ホテルって……」


 カイトがこう言った直後、再び狼の唸り声が響いた。周囲を見渡すと、そこにはニ十匹ほどのベルードウルフがいた。カイトは少女の言う通り、生き残った一匹が仲間を呼んで逆襲に来たと察した。


「クッ、本当にやって来た!」


「ほら、私の言う通りあの狼、仲間を連れてきたでしょ。厄介なんだよねー。あの狼、勝てないって察すると仲間を連れてくるの」


「それは分かったけど、やばいだろこれ。餌にされると俺たち」


「大丈夫。あんなの雑魚だから、秒で片付けできるよ」


 少女はそう言うと、腰に携えてあるカトラス状の剣を右手に装備し、ハンドガンを左手に装備した。


「私、結構強いから。あんなのに負けないよ」


 その直後、ベルードウルフの一部が少女に向かって襲い掛かった。だが、少女は左手を動かし、ハンドガンでベルードウルフの喉を撃ち抜いた。そして、迫ってきたベルードウルフをカトラスで一閃した。


「つ……強い……何だこの子……」


「君! ボーっとしていると、やられるよ! その変な剣は飾りなの?」


 少女の声を聞き、カイトは刀を手にしようとした。だが、その前にベルードウルフが迫ってきた。


「しまった……」


 死ぬ。カイトがそう思った瞬間、突如放たれた弾丸がカイトに迫ったベルードウルフを撃ち抜いた。


「セアン、やっぱりあそこに向かってたよ」


「もう。やっぱり抜け出して、ここにいたのね」


 と、スナイパーライフルを構えた少女と、メガネの少女が現れた。顔を見ると、ツインテールの少女と似た顔をしていた。


「え? 知り合い?」


「姉妹だよ。ありがとコスタ、ケアノス! 助かったよ~」


「助かったよ、じゃないわよ、セアン。いろいろ言いたいことはあるけど、先にこいつらを倒さないと。あのベルードウルフ、まだ来るつもりよ」


「私に任せて!」


 と、上空からナイフを持った少女が現れ、あっという間にベルードウルフを蹴散らしてしまった。


「つ……強すぎる……」


「こう見えて私たち、かなり強いから」


 と、別の少女がこう言った。その少女の手には、注射器が握られていた。


「あの、その注射器って何ですか?」


「治療のためよ。でも、いらないようね」


「大丈夫だよ、ラージュ。私がいたから、この子には傷は一切ないから」


「あらそう。せっかく新しい治療薬を試そうと思ったのに。残念」


「なんか物騒な言葉が聞こえたけど」


「えーっと……まぁとりあえずこの場を切り抜けて、何とかしたらいろいろと話すよ。じゃ、私たちもやろうか」


 セアンと呼ばれた少女は、カトラスと拳銃を持ってベルードウルフに攻撃を始めた。カイトも刀を持ち、ベルードウルフと戦いを始めた。




 数分後、戦いを終えたカイトは刀を鞘に納め、セアンにこう言った。


「ありがとう。えーっと……確か名前は……」


「私はセアン。ここで皆を紹介したいけど、狼の死体まみれで自己紹介をするのは嫌だし、アラヤーダンの宿に戻って話しようよ」


「セアンの言う通り。こんな所で自己紹介だなんてヤダ」


「私も同じ意見。でも、無口なコスタが初見の人に口を開くなんて珍しいわね」


「ま、いいじゃない? この子、見た目悪くないし」


「早く戻りましょう。私も早くこの子の名前を知りたいし」


 と、セアンたちは話を始めた。丁度このタイミングで月明かりがセアンたちを照らした。セアンたちの顔を見て、カイトは目を丸くして驚いた。


「あの……何か似たような顔だけど……」


 カイトの話を聞き、セアンはそうだと言ってカイトに近付き、こう言った。


「実は私たち、五つ子なの。驚いた?」


「ああ。双子とかはあったけど……五つ子とは……」


 と、カイトはセアンにこう言った。


 第二話にしてこの作品のヒロインが初登場です。最初の章はヒロインであるセアンたちの紹介となります。カイトの紹介は最初の時にやったから、いいかなーって思っています。


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