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カイトVSヤーソン


 カイトはガーネとの戦いを思い出し、戦い方を変えようと考えていた。そんな中、ヤーソンは二丁の銃を使ってカイトに攻撃を仕掛けていた。カイトは弾丸をかわしているが、壁に当たった弾丸は跳ね返ってカイトに襲い掛かる。カイトは周囲に氷の壁を張って身を守る中、ヤーソンが使う弾丸が跳弾であると察した。


「めんどい相手だな」


 カイトは氷を溶かしてヤーソンを睨み、刀を構えた。それに対し、ヤーソンはにやりと笑ってカイトを睨み返した。


「おいおい。そんな変な剣で俺に斬りかかるつもりか? 俺に近付く前に、弾丸で穴まみれにさせるぜ?」


「やれるもんならやってみろよ」


 カイトは言葉を返し、ヤーソンに向かって走り出した。


「そうかい。それじゃあ言葉通りやってやるよ!」


 ヤーソンは二丁の銃を構え、カイトに向かって発砲した。カイトは走っている途中で魔力を開放し、素早く動いて飛んでくる弾丸をかわした。


「チッ!」


 弾丸をかわされたと察し、ヤーソンは舌打ちをしながらリロードを始めた。その隙にカイトは猛スピードで接近し、ヤーソンに向かって刀を振り下ろした。振り下ろされる刀を見たヤーソンは、急いでバリアを張ったのだが、魔力を開放した状態のカイトの攻撃力は上がっているせいで、急いで張ったバリアは簡単に壊された。


「なっ! 俺のバリアが!」


「このままぶった斬ってやる!」


 カイトは叫び声を上げながら、刀を振り下ろした。この一撃を受けたヤーソンは後ろに下がりながら吐血していた。


「グハァッ! このガキが……」


 血を吐きながら、ヤーソンは怒りの声を上げていた。カイトの一撃はヤーソンに深い傷を与えていた。何とか動こうとするヤーソンだったが、動くたびに受けた傷から血が流れた。カイトは急いで魔力の水を発し、ヤーソンの足元を濡らした。


「何! お前、何をするつもりだ!」


「動きを封じるだけだ」


 ヤーソンの問いに対し、カイトはこう答えてヤーソンの足元を凍らせた。


「な……あ……」


「もう一発喰らっとけ!」


 ヤーソンの動きを封じたカイトは、もう一度力強く刀を握り、ヤーソンに向かって刀を振り下ろした。




 遠くで遠距離攻撃隊と一緒にいるコスタは、望遠鏡で戦いの様子を見ていた。隣にいるシーポリスも同じように望遠鏡で戦いの様子を見ていて、興奮しながら叫んでいた。


「うほー! カイトさんのあの一撃! すげーな、あれで二丁拳銃の奴もノックアウトですね!」


「ふぅ。とりあえず一人は片付いたみたいだ」


 シーポリスは安堵したような声でこう会話をしていたが、コスタはため息を吐いていた。


「まだ終わってないわ。魔力を感じることができる?」


 コスタの言葉を聞き、シーポリスはできると返事を返し、ヤーソンの魔力を感じた。


「あれ? 倒したと思ったのに、まだ魔力が……」


「ちょっと待て。深い傷を負ったよなあいつ? なのに何で魔力が強くなっているんだ!」


「油断しない方がいいわ。今カイトたちが戦っている奴は恐らく……あの時の夜、私たちと戦った奴よりも強いかもしれない」


 コスタの言葉を聞き、シーポリスの戦士の中に緊張感が生まれた。




 カイトは魔力が上がったヤーソンを見て、刀を構えていた。深い傷を負ったヤーソンはゆっくりと立ち上がり、傷から血を流しながらこう言った。


「よくもここまでやってくれたな。お前は俺の手でぶっ殺す」


 そう言った後、ヤーソンは二丁の銃を何度も発砲し、カイトに攻撃をした。カイトは弾丸をかわし、跳弾して跳ね変えてくるだろうと考えたが、今回の攻撃は違っていた。発砲した弾丸はしばらく動いた後、その場に止まった。


「なっ! 弾が止まった!」


 驚いたカイトはこう叫んだが、すぐに魔力を使って弾丸が止まっていると理解した。この後の展開として、魔力を使って弾丸を動かし、攻撃をするだろうと予想したカイトは早く弾丸を叩き落とそうとしたのだが、その前に弾丸が動いた。


「クッ!」


 弾丸が動いたことを察したカイトは高く飛び上がり、弾丸をかわそうとしたが、弾丸は一瞬止まってカイトの方に向きを変え、再び動いた。


「やっぱり狙って来るか!」


 宙にいるカイトは魔力を使い、猛スピードで船の上に着地した。だが、その時にヤーソンはカイトに向かって発砲した。カイトは体を横に回転させて弾丸をかわしたが、上から降って来た弾丸がカイトの腹を撃ち抜いた。


「フフフ。苦戦しているな! 今から楽にしてやるぞ。喜べよ」


 腹から血を流すカイトを見て、ヤーソンはこう言った。だが、カイトは倒れる寸前に刀に魔力を注ぎ、そこから光線を放った。


「何!」


 予想外の展開のため、ヤーソンは驚いて動きを止めてしまった。その時にカイトが放った光線はヤーソンの腹を撃ち抜いた。しかも、カイトの斬撃を受けた傷に光線が命中し、そのせいで激しい痛みがヤーソンを襲った。


「グアアアアアアアア! こんな……こんなことがァァァァァァ!」


 痛みをこらえることができないヤーソンは、その場を転がりまわりながら痛みをごまかそうとした。その隙にカイトは受けた傷を治し、刀を構えた。


「悪いな、俺は簡単に倒れるわけにはいかないんだ!」


 刀を構えたカイトはヤーソンに接近し、攻撃を仕掛けようとした。だが、ヤーソンは魔力を開放して立ち上がり、右手に炎を発してカイトに接近した。


「倒れてたまるかって気持ち、俺も同じだよ! お前をこの場でぶっ殺す!」


 ヤーソンは右手をカイトに当て、強い火を発した。体中に火が回ったことを察したカイトはすぐに魔力を開放し、水を発して体中の火を消した。だが、ヤーソンはこうなることを予想し、左手に火の刃を発していた。


「残念! そうなるだろうと俺は予測していたよ!」


 そう言って、ヤーソンは左手の火の刃でカイトの腹を貫いた。




 メリスの援護をしていたコスタだったが、シーポリスの悲鳴を聞いて驚いていた。


「何かあったの?」


「か……カイトさんが……敵の攻撃で腹を……貫かれました!」


 シーポリスの声を聞いて、コスタは急いでカイトの方を望遠鏡で覗いた。そこには、ヤーソンの左手の火の刃で貫かれているカイトの姿があった。


「カイト……」


「うわあああああ! カイトさんが死んじゃったァァァァァァ!」


「そんな……こんなことってありかよ!」


「オイオイオイオイオイオイ、どうすりゃあいいんだよ? あの敵、深手は負ってるけどすぐに回復するぞ!」


 シーポリスたちは悲鳴を上げているが、コスタはため息を吐いた。


「静かにして。カイトはあれくらいの攻撃じゃあ死なないわ」


 コスタの声を聞いたシーポリスたちは黙ったが、一人の戦士がコスタに近付いてこう言った。


「でも、刃っぽいものが腹を貫通しているんですよ! あれじゃあ流石に……」


「カイトは何度も腹を貫かれてるわ。私たちも同じような攻撃を受けているし」


「え? 普通死ぬんじゃないんですか?」


「鍛えればどうにかできるわ。ほら、カイトの魔力を感じないの?」


 コスタに言われた通り、シーポリスはカイトの魔力を探知した。深い攻撃を受けたはずのカイトの魔力は、徐々に強くなっていたのだ。


「本当だ……魔力が強い……いや、強くなってる!」


「相手もバカね。接近すれば、相手の攻撃を受ける確率が高いのに……それに、銃を使うのに接近戦を挑むのはバカがやること」


 コスタはそう言って、スナイパーライフルを動かして引き金を引いていた。シーポリスの戦士はコスタの言葉を聞き、すぐに援護作業に戻った。




 ヤーソンは炎の刃でカイトの腹を貫いた瞬間、勝利を確信していた。しかし、腹を貫かれたはずのカイトはまだ強い魔力を発していた。


「オイオイ……この攻撃で死ぬはずじゃあ……」


「悪いな……こんな攻撃で俺は死なない」


 と言って、カイトは左手を動かしてヤーソンの頭を掴んだ。


 次回、ついに200話を迎えます。異世界革命物語の時は仕事が忙しくて週2しか更新できなかったので、毎日更新することができませんでした。今はその反省を生かし、何が何でもで可能であれば更新するというスタイルでやっているため、ほぼ毎日更新できています。これからも応援よろしくねー!


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