サマリオVSオロス その2
サマリオに追い詰められたオロスは、人が多い広場に再び向かい、そこで戦おうとした。理由は一つ、他の人を戦いに巻き込みたくないというサマリオの考えをオロスは察したからだ。
「さーてと、ほいじゃあやりますか!」
オロスは魔力を開放し、周囲に炎を放った。その炎は周囲にいた人々にも命中した。
「ギャアアアアア!」
「た……助けてくれぇ!」
「うわあああああ!」
騒ぎ始めた人々を見て、サマリオは慌てて魔力を開放し、衝撃波を放って炎を消そうとした。しかし、サマリオの邪魔をするかのようにオロスが攻撃を仕掛けた。
「ハッハー! 他の連中を守るつもりか? そうはさせねーぞ!」
「この腐れ外道が!」
オロスを睨み、怒号を発したサマリオはオロスを殴り飛ばし、急いで戦いに巻き込まれた人を助けようとした。
「今助けます。待っていてください!」
「あ……ありが……」
その時だった。サマリオが助けようとした人にまとわりついている炎が急激に強くなり、破裂した。破裂した衝撃でサマリオは吹き飛び、壁に激突した。
「グハァ!」
「もう一つ伝えておくぜ、大佐様! 俺の炎は上手く使えば爆弾になるぜ! さーて、大佐様にこの場の連中を助けることができるかなー?」
立ち上がったオロスは魔力を発し、人々に付着した炎を利用して人々を操った。
「うわ! 体が勝手に!」
「誰でもいい、助けてくれ!」
「死にたくない!」
人々が悲鳴を発する中、オロスはサマリオに人々を近付かせた。サマリオは急いで火を消そうと動いていたが、その隙にオロスは炎を一斉に爆発させた。
「暗殺行為を望むディスターソースだが、こうなった以上これ位暴れないとな。俺は地味な暗殺はあまり得意じゃないんだ」
そう呟き、オロスは爆発で発した煙を見ていた。周囲には建物の残骸と人々の肉片などが散らばっており、爆発の威力がどれだけ強かったか、オロスは確認した。
「大佐様でも、この大爆発のど真ん中にいたら跡形もなくぶっ飛んじまったなぁ。ケケケ」
戦いに勝利したと思ったオロスだったが、煙の中から小さな火の刃が飛んで来て、オロスの右目に命中した。
「ギャアアアアア! 俺の右目が!」
「腐れ外道、そう簡単に私が死ぬと思うなよ」
煙の中からサマリオの声が聞こえた。サマリオは服が破れ、火傷を負ったのか肌が一部黒く染まっていた。サマリオの姿を見たオロスは苦しそうな声を上げて声を発した。
「グッ……どうやってあの中を生き延びた! お前は死んだはずだ!」
「爆発する間際、バリアを張ったのだ……お前は許さない。絶対に逃がさないぞ……」
サマリオは剣を構え、魔力を開放した。オロスは逃げようとしたのだが、サマリオは剣を地面に刺した。何をするつもりだとオロスは思ったが、その時に地面から火の手が現れ、オロスを掴んだ。
「ウオアッ! 地面を刺して火の手を俺の所に伸ばしたのか!」
「これで終わりだ。これ以上暴れたらどうなるか、お前でも分かるだろう?」
サマリオはオロスに近付いてこう言った。このままだとやられる。そう思ったオロスだが、運よく左手だけが動ける状態になっていた。そして、その近くに犬の散歩をしていた中年の女性が通りすがった。犬はオロスを見て騒ぎ始めた。
「ちょっと、メルちゃん! 今すぐ逃げますわよ!」
中年の女性は周囲の状況が危ないということを察し、急いで犬のメルちゃんを連れて逃げようとした。だが、オロスはメルちゃんに向けて火の棘を発して突き刺した。
「受け取りな大佐様! 犬の焼肉だ! 俺のおごりだぜェ!」
オロスはメルちゃんを火だるまにし、サマリオに向けて放った。サマリオは火だるまになったメルちゃんを受け止めて火を消そうとしたのだが、オロスはメルちゃんに着いた火を爆発させた。
「ああ! メルちゃーん!」
愛犬が爆死したことを目の当たりにした中年の女性は泣き叫んだ。火の手の拘束から免れたオロスは中年の女性に近付き、槍を振るって斬り刻んだ。
「うるせーんだよデブクソババア。テメーもあのクソ犬の所へ逝かせてやるぜ。俺って親切だろう? あの世で俺にお礼を言えよ」
その後、オロスは斬り刻んだ女性の体を火の棘で突き刺し、爆発の煙から姿を見せたサマリオに向けて放ち、爆発させた。
「ハーッハッハ! 残念だったな! テメーの優しさと真面目さが仇になったな! 他人を利用しないとこの世は生きていけないぜ! ま、死んじまったらどーもこーもないけどな!」
オロスは高笑いしながらこう言って、サマリオは死んだと思ってこの場から逃げようとした。しかし、目の前に魔力を開放したサマリオが現れた。
「な……」
動揺したオロスは動けなかった。その隙にサマリオは剣を振り下ろし、オロスの左腕を切り落とした。
「が……ギャアアアアア!」
オロスは着られた左腕を抱えながら、悲鳴を上げていた。サマリオはそのままオロスに接近し、剣を振り上げてオロスの右足を切り落とした、
「グアアアアアアア! 俺の右足が……」
「お前は許されない行為をした。無関係の人々を戦いに巻き込み、非情な行為を行った。多数の命を奪った罪、償ってもらうぞ」
「け……嫌だね。俺は殺しをするため、ディスターソースに入ったんだよ!」
オロスは最後の手段と考え、魔力を開放してサマリオに襲い掛かろうとした。しかし、片腕片足を失ったオロスは何もできず、サマリオの反撃を受けてしまった。
「が……あぁ……」
一閃されたサマリオは血を吐きながらその場に倒れ、動かなくなった。サマリオは剣を鞘に納めてこう言った。
「一応死なないようにて加減した。だが、お前が犯した罪は大きい。牢屋の中で一生反省して、後悔しろ」
戦いを終え、サマリオはオロスを背負ってシーポリスの署へ戻ろうとした。その前に、サマリオはこの戦いに巻き込まれて犠牲になった人々に黙とうをし、心の中ですまないと何度も呟いた。
ダメージを負ったセアンとサマリオは病室にいた。二人とも、自分たちの戦いで他の人が巻き込まれたことに対して深く落ち込んでいた。
「私って……まだまだ弱いな……」
「私もだ。まだ強くならねばいけないな……」
二人の落ち込み用を見て、カイトはどんな戦いになったのか騒動した。
「いろんな人が巻き込まれるほどの酷い戦いだったんだな……」
「どっちかって言ったら、二人が戦った外道がわざと他の人を巻き込んだ。ディスターソースの連中は殺しをするから、そのせいで常識がないのかもしれないわ」
と、ケアノスがカイトにこう言った。メリスとツリーはサマリオを励ます中、セアンはカイトに近付いた。
「カイト、私って弱いかな……」
カイトはセアンの言葉を聞き、少し考えてこう言った。
「そうかもしれないな」
この答えを聞いてセアンは驚いたが、カイトは続けてこう言った。
「弱いからこそ、強くなる可能性がある。セアンが弱いなら俺も弱い。こんな怪我がなければ、すぐにでもセアンの所へ行けた。いろんな人を助けることができた」
「カイト……」
「セアン、俺も強くなる。一緒に頑張ろう……それしか言えないや」
カイトの言葉を聞いたセアンは、泣きながらカイトに抱きしめた。そんな中、ツリーの携帯が鳴り響いた。
「ツリーさん、病室では携帯はマナーモードに」
「ごめんごめん」
メリスに叱られたツリーは、平謝りしながら携帯に出た。しばらく返事をしていたが、驚く声を発した。
「ようやくトリガミヤワー海賊団の場所が判明したのね! やーっとゼニマーネがもう少し詳しいことを話したのね! ディスターソースの騒動でビビったのね、了解了解! で、奴らの居場所は? ふんふん。分かったわ、今皆がいるから教えとくから!」
ツリーはそう言って、電話を切った。トリガミヤワー海賊団の居場所が分かった。その言葉を聞いたカイトはあと少しで騒動の原因と戦えると思った。
よくYouTubeを見ていますが、ユーチューバーの動画よりもゆっくり動画や5chの浮気された時の話やとんでもないぶっ飛んだ新人などの話の動画をよく見ます。そっちの方が面白いし、小説のネタが浮かぶ時もありますので。
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