セアンVSタカイハ
ゼニマーネを殺すため、シーポリスの所にやって来たタカイハだったが、ゼニマーネ抹殺を失敗し、騒動になってしまった。シーポリスの戦士を惨殺していると、騒動を察したセアンが現れ、タカイハに襲い掛かった。攻撃を受けたタカイハは襲い来るセアンを見て、魔力を開放して叫んだ。
「かかって来いよピラータ姉妹! この俺に蹴り喰らわせやがって、ぶっ殺してやるよ!」
「あんたみたいな快楽殺人者が私を倒せると思わないで! あんたはここでぶっ倒す!」
セアンはハンドガンを発砲し、タカイハに襲い掛かった。迫ってくる弾丸を見て、タカイハは氷の壁を作り出して防御した。
「カイトみたいなことをするなー」
「カイトか。仲間のミヤギを倒した奴か。そうか……奴もここにいるのか」
ゴイチ王国でカイトが戦ったディスターソースのメンバーだったミヤギの名を聞き、セアンはカトラスを向けてこう言った。
「あんた、ディスターソースのメンバーなの?」
「そうだよ。ミヤギの奴はカイトにやられた後、その処分を受けた」
「仲間に殺されたってわけか……」
セアンはため息を吐いてこう言うと、タカイハが剣を持って襲い掛かった。
「俺たちにとっては、負けたら死あるのみ! 俺は死にたくねーから、出てくる敵を殺さなきゃならねーんだよ!」
「だったら、そんな組織に入らなかったらよかったのに!」
「仕方ねーだろ。俺は殺しが好きなんでな!」
と言って、タカイハはセアンに向かって剣を振り下ろした。その際、セアンは剣の刃が濡れていることを察した。そして、騒動の現場に到着した時、戦士たちの死体が爆発に巻き込まれたと思うようにバラバラになっていたことを思い出した。
「まさか……その水は……」
セアンは攻撃を受け止めてすぐに後ろに下がり、態勢を整えた。タカイハは舌打ちをし、指を鳴らし。その時、周囲にあった水しぶきが爆発を起こした。
「水蒸気爆発。それを利用して爆殺しようと思ったのによー」
「それで戦士たちを殺したんだね。お前……」
セアンは静かに怒りを爆発し、魔力を開放した。セアンの魔力を感じ、タカイハの背筋にサメ肌が発したが、すぐに笑みを見せた。
「興奮してきたよ。たまにお前みたいな化け物と出くわすから戦いは止められねぇ!」
「あんたみたいな変態がいるから、戦いはなくならない。こんな意味のない戦い、すぐに終わらせる!」
セアンは強風を発し、タカイハを吹き飛ばした。風によって吹き飛ばされたタカイハは遠くの高台に激突し、めり込んでしまった。
「グハァッ! いいねぇ、いいねぇ! この感覚! 強敵相手なら、俺も本気を出せるってわけだ! 面白い戦いになりそうだねぇ!」
タカイハは高台から移動し、追撃のため迫って来るセアンを見た。セアンはタカイハがあまりダメージを負ってないことを知り、ハンドガンを構えた。
「これでも喰らえ!」
セアンはハンドガンを三発放ったが、タカイハは剣を振り回して飛んでくる弾丸を切り落とした。
「そんなしょぼい攻撃で俺を攻撃するなよ! もっと派手に行こうぜ! 派手によぉ!」
タカイハはセアンを挑発するような口調でこう言った。セアンは呆れたような顔をし、ため息を吐いた。
「呆れた。あんた、頭のネジがぶっ飛んでるんじゃない?」
「そうでもしねーと殺しを楽しめないだろ? お前ももっと戦いを楽しめよ!」
タカイハは笑いながらこう言った。セアンはカトラスに魔力を溜め、勢いよく振り下ろした。巨大な魔力の刃が発し、タカイハに向かって放たれた。それを見たタカイハは歓喜の口笛を吹き、笑った。
「すげーでけーな! 戦いってのはこうでないと!」
タカイハは剣に魔力を発し、屋根に突き刺した。その時、下から衝撃波が発してセアンが発した巨大な魔力の刃に命中した。二つの衝撃波がぶつかった後、その姿は消えていた。
「衝撃波をかき消したのね。面倒なことをする」
「ケケケケケ! 俺もすげー技使うだろ? それじゃあこっちから行くぜ!」
そう言ってタカイハはセアンに向かって飛びかかり、剣で攻撃を仕掛けた。セアンはカトラスで最初の一撃を防御し、それからタカイハの攻撃をかわし続けた。
「オラオラ! 俺の斬撃はそう簡単に避けれねーぜ!」
「自信たっぷりにそう言ってるけど、私あんたの攻撃かわしてるよー」
「悪いねぇ、俺の攻撃は斬撃だけじゃないんでねぇ!」
タカイハの言葉を聞き、セアンはタカイハが何を考えているか察した。後ろを見ると、小さな水滴が宙を舞っていた。その直後、水滴は爆発を起こした。セアンは魔力を開放して爆発を防御したが、勢いが強くて吹き飛んでしまい、近くにいたタカイハも爆発の爆風で吹き飛んだ。
「グウッ!」
建物の上から地面に落下したセアンは、急いでタカイハの姿を探した。その時、周りに人だかりができた。
「あんた、上から降って来たよね? 何が起きたんだい?」
「一体どうしたんだ? 剣と銃を持って危険じゃないか」
「おーい。誰か来てくれー」
周りの人たちに危険だから下がってと言おうとしたセアンだったが、上から見下すように見ているタカイハの姿に気付き、とっさに大声で叫んだ。
「危険だからここから逃げて! やばい奴がいる!」
セアンの叫びの直後、危険な状態だと察した人たちは逃げようとした。しかし、タカイハはその前に水滴を周囲にばらまき、爆発させた。
「ケケケケケ。底辺のクソ野郎共を爆殺するのは楽しいねぇ」
爆発した際に発した煙を見ながら、タカイハはこう言った。
オロスは町の一部分で上がる煙を見て、呆れながらタカイハに電話を始めた。
「おいタカイハ。俺たちディスターソースはブラッディクローでどんな組織か忘れたのか?」
「暗殺と役立たず共の処理だろ? 仕方ねーだろ。今、ピラータ姉妹のセアンと遭遇した。静かにクールに殺せって言われたら難しくてやってられねーぜ」
「俺たちの存在は表の世界じゃああまり知られていない。こんなバカ騒ぎを起こして俺たちの存在が公になれば、お前は殺されるぞ」
「だとしたら、返り討ちにするだけだ」
タカイハの答えを聞き、オロスはため息を吐いた。
「バカ野郎。仲間同士での殺し合いは止めろ。仲間を殺す時は失敗して処分する時だけだ」
「そんな細かいこと、気にしなくてもいいじゃねーか」
「細かくない。本当にバカな奴だな、お前は……」
「バカな奴って言うなよオロス。これ以上俺を罵倒するとお前を殺すぞ」
「やれるものならやってみろ。お前みたいな単細胞は楽に倒せる。だが、今は罵倒合戦をしている場合ではない。お前はこのまま逃げろ」
「逃げろ? この俺に逃げろって言うのか? もう少しこのクソみたいな町で暴れさせてくれよ」
「派手に暴れた結果、お前は目を付けられている。騒動が収まるまでどこかに隠れていろ。ゼニマーネは俺が殺す。仕事をした後、お前を回収してこの町から去る」
「お前の言うことを聞けってか? 嫌だね。ケケケケケ」
「はぁ……人の言うことを聞けバカ。これ以上暴れると、確実に上から処分されるぞ。お前の実力で、上の奴らと戦ったらどうなるか理解してるよな?」
オロスの言葉を聞き、タカイハはため息を吐いた。
「しゃーねー。上の奴らと戦っても俺は殺されるだけだ。お前の言う通り、逃げるわ」
「そうしろ。それじゃあ大人しくどこかで……」
その時、電話の向こうから何かの衝撃音と、タカイハの悲鳴が聞こえ、電話が切れた。オロスはタカイハの身に何かがあったことを察した。
「あのバカ、確実に獲物を殺さなかったな」
そう呟いた後、オロスは急いでゼニマーネを殺し、タカイハを連れて帰ろうと思った。
水蒸気爆発で、マリオRPGのあいつを思い出す方がいるかもしれませんが、タカイハの技の元ネタはあいつだと思ってください。俺自身も今回の話を書いている時、このことを思い出したので。と言うか、水蒸気爆発を使う奴の名前なんだっけ? ずいぶん前にやったから忘れちゃった。
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