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ミッドナイトタウンバトル ライアVSシャム


 シャムが放った強烈な一撃により、ライアは時計台の時計にめり込んだ。抜け出そうと動き出すライアの前に、シャムが現れて魔力を開放した。


「これで終わりです。さっさと死んでください」


 シャムは右足を高く上げ、発した魔力を右足に溜めた。シャムの右足は白く輝きだし、ライアを照らした。


 この一撃を受けたら本当に死ぬ。


 ライアはそう思い、この状況を打破するために魔力を発した。


「そんな魔力を出しても私には敵いませんよ」


「黙っていなよ、ガリガリ野郎!」


 ライアは叫び声を上げながら強風を発した。シャムは片足で立っていた状態なので、突如発した強風にあおられ、バランスを崩した。


「えっ、ちょっ、おっとっと……おっと……」


 思わず声を漏らしたシャムだったが、しばらくして彼は時計台から足を滑らせた。


「嘘……」


 シャムがこう呟いた後、悲鳴を上げながら落ちて行った。ライアは魔力を抑えて深呼吸をし、その場から立ち上がった。


「ふぅ……何とかなった……けど、戦いは終わってないね」


 ライアは下を見て、地面に着地していたシャムを見て呟いた。シャムは足の痺れを我慢しながら、上を見上げていた。


「酷いことをするなぁ。この高さから落ちたら普通の人は死ぬって」


 シャムはこう言った後、魔力を開放して高く飛び上がった。ライアは飛んで来たシャムを見て、構えていたナイフを振るった。


「喰らえ!」


 魔力を込めたライアのナイフが、シャムに襲い掛かった。シャムは宙に浮きながら、蹴り技でライアのナイフを防御した。


「グッ! こんな時でも足で!」


「足技は私の十八番なので」


 シャムはそう言うと、襲い掛かったライアのナイフの刃の上に立ち、そのままライアの顔面に蹴りを入れた。蹴り飛ばされたライアは奥へ吹き飛び、瓦礫の中に入ってしまった。


「しまった、やりすぎた。これじゃあ死体を確認できない」


 瓦礫の中に入ったライアは死んだと思ったシャムだったが、瓦礫の中から衝撃波が飛んで来た。シャムは衝撃波をかわし、目の前に現れたライアの斬撃をかわした。


「グッ! この攻撃でもダメなの!」


「当たり前です。どんな動きが来るか大体予想できます。だから、対処をするのもたやすい」


 シャムはライアの髪を掴み、左ひざでライアの腹を攻撃した。強烈な膝蹴りだったため、ライアは嗚咽した。


「苦しそうな声ですね。もう少し苦しい目に合ってもらいましょう」


 と言って、シャムは何度もライアの腹に攻撃を仕掛けた。しばらくして、シャムはライアの髪を引っ張ってライアを引きずり、時計台の外へ放り出した。


「落下した時の痛みをあなたも味わいなさい」


 シャムは落下するライアを見て、小さく呟いた。だが、途中でライアは魔力を開放し、シャムに向かって突進を仕掛けた。


「このまま落ちてたまるか!」


「しぶとい人ですね」


 シャムはライアの突進をかわし、襲い来るライアのナイフの衝撃波をかわした。そして、ライアの着地を狙って動き出し、シャムは目で追えない速度で飛び蹴りを放った。速さのせいで勢いがある飛び蹴りはライアに命中し、再び時計台の外へ吹き飛ばした。


「これでもう助からないでしょう」


 この攻撃で確実にライアは下に落ちる。そう思ったシャムだったが、ライアは勢いを付けてさらに遠くへ吹き飛び、時計台から離れた高台の壁に足を付けた。そして、そのまま壁を走って地面に降りた。その動きを見たシャムはため息を吐いた。


「はぁ、まだ生きているのですか」


 と言って、シャムは時計台から飛び降りてライアの元へ向かった。


 一方、ライアはシャムをどうやって倒すか考えていた。シャムの蹴り足は刃のように切れ味があり、相手の動きを察知できるほどの戦いの経験がある。ライアにとってかなりの強敵だが、どこかに弱点はあるはずだとライアは考えた。


 しばらく考えていたが、その時にシャムがライアに接近した。


「いい加減死んでください」


 呆れたような表情のシャムがライアに蹴りかかった。ライアはシャムの蹴りをしゃがんでかわしたが、ライアの頭上にシャムの足があった。


「しゃがんでかわすと思いましたよ」


 と、シャムはそう言ってライアの頭の上にかかとを落とした。強烈な痛みがライアを襲ったため、ライアはその場で倒れた。


「うぐ……あああ……」


 小さな声でライアは悲鳴を上げた。頭を触ると、生暖かい感触がした。手を見ると、手の平には血が付着していた。


「ま……まずい……」


 シャムのかかと落としで大きなダメージを負ったとライアは判断した。その時、シャムの鋭い蹴りがライアの脇腹に命中し、遠くの壁に吹き飛び、壁にめり込んだ。


「ガアアアアアアアッ!」


 壁に激突した時、壁のレンガや建物の骨組みで使われた木や鉄骨がライアを襲った。


「ウグッ……うう……」


 傷だらけのライアは後ろに下がり、シャムから離れようとした。しかし、シャムは猛スピードでライアに近付いた。


「私から逃げることはできませんよ。無駄ですよ」


 その時、ライアはシャムの姿を見た。シャムはやせ細った体系で、上着はノースリーブ、下着はジャージのようなズボン。そして、靴底が薄そうな靴を履いていた。


 シャムはライアを殺すため、歩きながらライアに接近した。すると、突如シャムは痛そうな顔をした。


「イツッ! 何か踏んだ!」


 と言って、シャムは左足の底を見た。その時、ライアはにやりと笑った。シャムの弱点を見つけたからだ。


「あんた、最後の最後で運が尽きたね」


「む? 何を言う?」


 ライアは魔力を開放し、巨大な竜巻を作って建物を破壊した。シャムは発生する強烈な砂煙を目から守るため、両腕で目を覆った。しばらくして、砂煙は収まったが、目の前にいたライアの姿は消えていた。


「どこに行った?」


 シャムは歩いてライアを探そうとしたが、突如シャムは足に激痛を感じた。


「グウウッ! まさか……」


 シャムは足元を見て察した。周囲には釘やガラス、鋭利な形となった瓦礫が散乱していた。


「しっかりとした靴を履けばよかったが……そんな物、高く飛び上がれば意味がない!」


 シャムは飛び上がって移動しようとしたが、近くにあった釘やガラス片がシャムの動きに合わせて動き、シャムの靴底に命中した。


「グアアアアアアッ!」


 攻撃を受けたシャムは悲鳴を上げ、落ちて行った。その時、下に落ちていた鋭利な物がシャムを襲った。


「グワアアアアア! クソ! こんな目に合うとは……」


「靴底が弱点だったね。あんた、ちゃんと靴を買いなよ」


 と、柱の上に座っていたライアが苦しむシャムにこう言った。




 ゼニマーネとトリガミヤワー海賊団の取引妨害に失敗し、戦闘状態になったと把握したサマリオは、急いで取引現場へ向かっていた。


「セアンたちが戦っていると思われる。早く援護に行くぞ!」


 サマリオは部下にこう言うと、魔力の衝突とセアンたちの魔力を感じた。


「セアンとコスタが大きなダメージを受けたかもしれない。他の皆は戦っているのか」


「メリスさんとツリーさんは一緒ですか?」


「別の所で魔力を感じる。逃げた奴を追っているのだろう。二手に分かれよう」


 その後、サマリオは優秀な部下にメリスとツリーを任せ、サマリオはセアンたちの元へ向かうことにした。


「戦闘は激しくなっているかもしれない。常に武器を持ち、魔力を開放できるようにして移動しろ」


「はっ!」


 部下たちの返事を聞き、サマリオは行動を始めた。現場へ向かう中、サマリオはセアンたちの無事を祈った。


「皆、無事でいてくれよ」


 と、小さくサマリオは呟いた。


 今回の話を考える前、テレビでジャッキーチェンやブルースリーの映画がやっていたため、よく見ていました。なので、アクション映画みたいな町中での追いかけっこや、一対一の激しい戦いを書きたいと思って、今回の話を考えました。あれ? これ、前にも書いたような気がするけど……気にしない。


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