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ミッドナイトタウンバトル セアンVSワンシ その2


 ワンシから強烈な攻撃を受けたセアンは、迫って来るワンシを見ていた。


「痛みのあまり動けないのか。なら、そこでじっとしていろ。次の一撃であの世へ送ってやる!」


 ワンシの右足から炎が発した。その後、ワンシは高く飛び上がってぐったりとしているセアンを見て、宙で態勢を整えた。


「炎の蹴りでお前を殺す!」


 そう言って、ワンシは猛スピードでセアンに向かった落下した。この一撃でセアンを殺すことができる。と、ワンシは思っていた。しかし、攻撃に入る前の動作がセアンに時間を与えていた。この時間でセアンはこっそりと怪我を治療し、動けるまで回復していたのだ。動き出したセアンを見たワンシは、目を丸くして驚いた。


「何! あの傷で動けるのか!」


「ざーんねん! あんた、攻撃する準備で時間がかかりすぎだよ! その分、回復できる時間ができたんだよ!」


 セアンはカトラスを構え、落下してきたワンシに攻撃を仕掛けた。カトラスの一閃はワンシの右肩の下に命中し、深い傷を与えた。


「ガアアアアアアッ!」


 攻撃に失敗したワンシはその場で倒れ、何度も荒く呼吸をしていた。地面に倒れたワンシに対し、セアンはカトラスを突きした。ワンシはセアンが追撃を放つと予想していて、地面を転がりながらセアンの攻撃をかわしていた。


「グッ……まだ倒れないのか」


「倒れないよ。倒れたらそこで負けるからね」


 セアンはワンシにこう言うと、立ち上がったワンシに向かって飛び蹴りを放った。セアンの足はワンシの傷に命中し、更に深いダメージを与えた。


「ギャアアアアアアア!」


「まぁまぁ、大きなおっさんが女々しい声を上げちゃって~。もう倒れたら?」


 笑いながらセアンがこう言った。このセアンの態度に腹が立ったワンシは強い魔力を開放し、体中に炎を発した。


「ふざけたことを言うな! 俺をバカにするな、お前は確実にここでぶっ殺す!」


 と言って、ワンシは猛スピードでセアンに接近し、殴りかかった。だが、攻撃速度は最初の時よりも落ちていた。拳を振るう際、ワンシは痛そうな顔になっていた。


「グッ……うう……」


「さっき私が斬りつけた右肩の下あたりが痛いの? もう決着は見えた。諦めた方がいいよ」


「う……うるさい! 敵の言葉など、誰が聞くか!」


 と、苦しそうな声でワンシはそう言った。セアンはため息を吐き、後ろに下がった。


「無茶するのは止めなよ。これ以上暴れたら死んじゃうよ」


「負けたらどうせ殺される。ディスターソースに命を狙われる……」


 ワンシはそう言うと、もう一度深い深呼吸をし、セアンを睨んだ。ワンシの全身から放たれる炎は消えたが、ワンシ自身の魔力はまだ強いままだった。


「何をするつもりか分からないけど、右手で攻撃したら傷が深くなるよ」


「上等だ。お前を倒せるなら、この腕を失ってもいい」


「はぁ、何言ってんだか」


 セアンはため息を吐き、カトラスをしまった。セアンの態度を見て、ワンシは驚いた。


「どうして武器をしまう?」


「これ以上の戦いは無意味だからね。殴るなら早くすれば? ま、何をしようがあんたに勝機はないけどね」


「フン。言っていることとやっていることが矛盾しているぞ! 武器をしまったなら、お前は勝負を捨てたと考えよう!」


 セアンとの会話を打ち切り、ワンシはセアンを殴り殺すため、セアンに接近した。


「この一撃で! 終わらせてやる!」


 ワンシは右手に魔力を込めた。それに合わせ、ワンシの右手から強く、激しい炎が発した。その拳を見ても、セアンの態度は変わらなかった。


「余裕だな。だが、その余裕もここまでだ!」


 動じないセアンを見て、ワンシは勝ったと思った。しかし、最初にワンシが蹴り飛ばしたハンドガンがセアンの元に落ちてきた。それを見たワンシは驚き、一瞬だけ動きを止めてしまった。


「あんた、まだまだ甘いね」


 セアンはそう言って、ハンドガンの引き金を引いた。放たれた弾丸はワンシの腹を撃ち抜き、後ろの壁に命中した。腹を撃ち抜かれたワンシは全身の力が抜け、その場で倒れた。


「そ……そん……な……」


「残念だったね。ハンドガンを蹴り上げなかったら、こんな目には合わなかったのに」


「こ……こうなることを……予測してたのか……」


 ワンシの問いに対し、セアンは考えてこう言った。


「攻撃の手段として考えてたね。でも、これが決め手になるとは思ってなかった」


「そ……そう……か……敗因は……俺自身の……甘さ……か……」


 と言って、ワンシは気を失った。セアンはその場に座り、周囲を見回してこう言った。


「あーあ、誰か服貸してくれないかなー」




 コスタはローローの棒をかわしながら、スナイパーライフルを構える隙を伺っていた。だが、ローローの棒術は早く、隙がなかった。


「あんたのことは知ってるよ。スナイパーライフルを使うピラータ姉妹の次女、コスタ! 接近戦を挑んだのがあんたの運のツキだったねぇ!」


 ローローはそう言って、力を込めてコスタに殴りかかった。コスタは攻撃をかわそうとしたが、ローローは途中で棒の軌道を変え、コスタの脇腹に命中を与えた。


「グボォッ!」


 攻撃を受けたコスタは悲鳴を上げ、近くの壁に激突した。


「ぐ……うう……」


 壁にめり込んだコスタを見て、ローローは笑いながらコスタに向かって棒を連続して突いて攻撃した。


「ケーケッケッケ! 若いねぇ! まだまだ穴の青いクソガキだ! そんなガキが私を倒そうだなんて思ってんじゃないよ!」


 壁にめり込んだコスタは、棒の突き攻撃を受け付けてしまった。結果、コスタが着ているスーツがボロボロになってしまった。


「グフッ……はぁ……はぁ……」


 破れたスーツから見えるコスタの肌を見て、ローローは唾を吐いてこう言った。


「若いから肌がぴちぴちだねぇ。その肌を丸焦げにさせて、ボロボロにして殺してやるよ!」


「うるさいババアだな……」


 コスタはそう言って、破れたスーツを破り、ローローに投げつけた。ローローは飛んで来た破れたスーツを棒で切り裂いたが、その隙にコスタはスナイパーライフルを構えて発砲した。しかし、ローローは素早く棒を動かして飛んで来た弾丸を地面に叩き落とした。


「はん! そんな豆鉄砲が私に効くか!」


 と言って、コスタの方を向いた。だが、地面にめり込んでいたはずのコスタの姿が消えていた。


「なっ! どこに行ったんだい!」


 慌てたローローは、周囲を見回してコスタの姿を探した。その時、上から弾丸が降ってきて、ローローの左肩を撃ち抜いた。


「アッギャアアアア! このガキ! いつの間に!」


 ローローは建物の上を見て、スナイパーライフルを持っているコスタを睨んだ。コスタはスナイパーライフルを構え、ローローに向けて発砲した。ローローは高く飛び上がって弾丸をかわすと同時に、建物の上に乗り移った。


「ケッケッケ! この距離なら私でもあんたを殺すことができるよ! ライフルを使う卑怯者に私は負けないよ!」


「卑怯者? そんな安っぽい挑発で私が怒るとでも?」


 と、コスタはローローに言葉を返した。ローローは鼻で笑った後、棒を振り回し、コスタに向けた。


「覚悟しな、卑怯者の臆病者! ここがあんたの墓場だよ!」


「悪いけど、私は早死にしないよ。あんたの方が先に逝きそうだけど。寿命で」


 コスタのこの言葉を聞き、ローローは怒り出した。


「ふざけたことを言わない方がいいよクソガキ! 寿命が縮むよぉ!」


「ストレスが溜まっているのね。かわいそうに。余計にあんたの寿命を縮めさせて」


 と言って、コスタは更にローローを挑発させた。ローローの顔は真っ赤に染まり、怒りのあまり叫んだ。


「アンギャアアアア! こんのクソガキィ! あんたは必ず私がぶっ殺す!」


 これで相手は冷静でいられなくなった。と、コスタは心の中でこう思った。


 今回は一人一人の戦いを深く書いているため、一戦二話にしています。この戦いが終わっても、今の章はまだまだ続きます。バトル展開もまだたくさんあります。


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