表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/430

ミッドナイトタウンバトル セアンVSワンシ


 ワンシはセアンに向かって走り、近付いた瞬間に裏拳を放った。セアンは上半身を後ろに反らしてワンシの攻撃をかわし、ハンドガンを構えた。しかし、ワンシはセアンを見て叫んだ。


「甘い!」


 ワンシは右足を前に出して力を込め、力強く左足を振り上げた。ワンシの左足はセアンのハンドガンに命中し、ハンドガンを高く宙に上げた。


「酷いことするねー。人の武器を蹴り飛ばすなんて」


「そんな物に頼るな。俺は自分の体、技を信じ、敵を葬った」


「だから? 今まで戦った海賊や賞金稼ぎが格下だったんじゃないの?」


「う……うるさい!」


 セアンの言葉を聞いたワンシは、苛立ちながら蹴り上げた左足を地面に下ろした。次に、左足を軸にし、左手の裏拳をセアンに放った。だが、セアンはワンシの動きに合わせてカトラスを動かそうとしていた。


「武器に頼るな。そんな物、俺の裏拳で破壊してやる!」


 ワンシの言葉を聞き、セアンはにやりと笑った。


「やれるもんならやってみなよ。どうなっても知らないよ!」


 セアンがこう言った後、セアンのカトラスとワンシの左手の裏拳がぶつかった。ワンシの左手の裏拳はカトラスの刃を受け止めていたが、刃は少しだけワンシの左手の甲にめり込んでいた。


「ぐ……グウッ!」


 これ以上左手を動かすと斬られる。そう思ったワンシは後ろに下がった。血が出ている左手の甲を見て、ワンシはすぐに治療した。


「なかなかやりおる……」


「そりゃー当然」


 と、セアンはワンシの目の前に移動してこう言った。セアンはカトラスを振るって攻撃をしたが、ワンシは体を動かしてセアンの攻撃を回避した。だが、セアンはカトラスの連続攻撃の中で回し蹴りを放った。セアンの蹴りはワンシに命中し、後へ吹き飛ばした。


「グッ! 蹴りを使うのか!」


「使えるもんは何でも使うよ。そうやって私は今まで戦って来た!」


 セアンはそう言うと、カトラスを構えてワンシに向かって走り出した。治療を終えたワンシはすぐに立ち上がり、魔力を開放した。


「本気で戦おう。俺の火を使った格闘技、受けてみるがいい!」


 と言って、セアンに向けて炎を纏った右手の拳を放った。セアンは顔を動かして攻撃をかわしたが、右手の炎がセアンに付着した。


「あっちゃぁぁぁぁ! 熱い! 熱い熱い!」


 セアンは叫びながら近くにあった石を使い、火を消そうとした。その隙にワンシはセアンに近付き、連続蹴りを放った。


「そらそらそら! 俺の蹴りがかわせるか?」


 隙だらけだったため、セアンはワンシの蹴りを受けてしまった。炎を纏った蹴りを受け続けたせいか、セアンは火だるまになってしまった。


「これで終わりだ!」


 と言って、ワンシはセアンを蹴り飛ばした。火だるまになったセアンは遠くの壁に激突し、深くめり込んだ。


「あ……あ……ああああああ!」


 火だるまになったセアンは、大きな声で悲鳴を上げた。ワンシは確実にセアンを殺すため、右手の拳に大きな炎を発した。


「これで確実に仕留めてやる!」


 そう言って、壁にめり込んだセアンに接近し、力を込めて殴った。右の拳がセアンに命中すると、炎は大きな音を立てて破裂した。




 ゼニマーネを追いかけているメリスは、大きな音を聞いて後ろを振り返った。


「誰かが……」


 カイトかピラータ姉妹の誰かがやられたと、メリスはそう思った。だが、ツリーがメリスに近付いてこう言った。


「皆がやられるわけがないよ。早くあのデブ野郎を追いかけないと!」


「え……ええ……」


 メリスはツリーに促され、ゼニマーネを追いかけることを優先した。しかし、心の中でカイトたちの無事を祈った。




 ワンシは周囲の砂煙を払い、セアンの死体を確認しようとしていた。


「少しやりすぎたな。騒ぎにならなければいいが」


 そう言いながら、ワンシは勝利によって鼻歌を歌いだした。そして、砂煙の中から黒い何かを見つけた。


「ほう。かなり黒焦げになったようだな」


 黒い何かを見つけたワンシは、それに近付いて手にした。だが、それは布のような物だった。


「な……何だこれは?」


「シーポリスから貰った隠密行動用のスーツだよ。結構防御力があるって聞いたから、本当みたいだね」


 後ろからセアンの声が聞こえた。その声を聞いたワンシは驚きつつ後ろを振り返った。だが、セアンはワンシに向かってカトラスを振り上げた。その一閃はワンシの体に深い傷を付けた。


「ぐあああああああ!」


「酷いことをするね。おかげで余計セクシーな姿になったじゃない。カイト以外の野郎にこんな姿は見せたくないけど」


 ワンシはセアンの姿を見て、今のセアンが下着姿になっていることを確認した。それを見て、ワンシは炎が付着したスーツを脱ぎ捨て、大きなダメージを受けることを防いだと察した。


「ぐ……ハレンチな姿になることを考えないのか?」


「考えたよ。私だってそれなりに羞恥心はあるよ。さてと、それじゃあ少し本気を出しますか」


 と言って、セアンは魔力を開放した。ワンシはすぐに立ち上がって構え、セアンがどう来ても対処できるようにした。


「覚悟してね」


 セアンはそう言って姿を消した。突如姿を消したため、ワンシは驚いたが、すぐに冷静になって魔力の探知を始めた。


「姿を消しても魔力で場所は分かる……そこだぁ!」


 セアンの場所を探知し、ワンシは左の拳を放った。だが、そこにセアンの姿はなかった。


「なっ! 何故だ!」


「バカだね。早く動くからあんたの攻撃なんて楽にかわせるよ」


 セアンはそう言うと、カトラスを振るってワンシに攻撃を仕掛けた。攻撃を受ける中、ワンシは傷を受けても攻撃を止めようとしたが、セアンは左手に魔力を発し、風を飛ばした。


「ウオッ!」


 風を受けたワンシは後ろに飛び、体勢を崩してしまった。その隙にセアンはカトラスを構えて接近し、ワンシの腹を斬った。


「ガハッ!」


「勝負あり。これ以上は攻撃しないよ」


 腹を斬られたワンシは、両膝を地面に着いた。だが、ワンシはまだ勝機を捨てていなかった、ワンシは両手を前に突き出し、炎を発した。


「うおっ! 危なっ!」


 ワンシの攻撃が来ると察したセアンは上にジャンプして炎をかわした。ワンシの炎は遠くの建物に命中し、燃やし始めた。


「ぐ……攻撃をかわされるとは……」


「あんたのせいで大火事になっちゃうじゃん。どうしてくれんの?」


「そんなことを考えたつもりはない!」


 ワンシは立ち上がった後、セアンを睨んだ。


「下着姿になって身軽になり、動く速度が上がったのか」


「まーね。あと、動きやすいから攻撃もよくできるし」


「フッ。なら全裸になって戦うか?」


「やだね。私の裸はカイトだけにしか見せないよ。あんたみたいなおっさんに見せたくないね」


 セアンはそう言って、ワンシを睨んだ。ワンシは深く呼吸をした後、上着を脱いで服を投げ捨てた。


「何? 私とエッチなことをするつもり?」


「そんなわけがあるか。お前は俺のタイプじゃない。お前は俺にいいアドバイスを教えてくれた」


 その言葉を聞き、セアンはワンシの行動を察した。


「私みたいに身軽になって戦うみたいだね」


「これで動きやすくなった。さぁ、戦いを続けよう」


 と言って、ワンシは猛スピードでセアンに接近し、攻撃を仕掛けた。セアンはカトラスを振るってワンシの攻撃を防御したが、ワンシは後ろに下がった。


「喰らえ!」


 ワンシは右の肘に魔力を込め、セアンに急接近し、右の肘をセアンの腹に命中させた。


「ガッハァッ!」


 攻撃を受けたセアンは、大きな声で悲鳴を出した。苦しむセアンを見ながら、ワンシは左手でフックを決め、右ストレートでセアンを殴り飛ばした。セアンは後ろの壁に激突した後、苦しそうな声を上げた。


「ぐ……うう……」


 セアンは起き上がりながら、ワンシが迫って来るのを確認した。だが、右肘が命中した腹から激痛を感じていた。


「こりゃ……本当にまずいな……」


 そう言った後、セアンは深いため息を吐いた。


 バトル展開なので、セアンたちがボロボロになるシーンが多発します。今回戦う敵はちょっと強いってイメージで作りました。外道を書くたび、前に書いていた幼なじみと一緒に異世界転生の裏ギルドの連中や、異世界革命物語の悪人共もノリノリで書いていたなと思い出す。


 この作品が面白いと思ったら、高評価、いいね、ブクマ、感想質問、レビューをお願いします! 修正作業も頑張るのでぜひ応援お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ