ミッドナイトダウンバトル
ツリーのくしゃみでカイトたちの存在がばれてしまった。だが、あっという間にトリガミヤワー海賊団の団員を倒した。しかし、取引の現場には強者がいた。
メリスは周囲を見回し、ゼニマーネが車に乗り込む光景を見た。すぐに追いかけようとしたが、その前に敵が現れた。
「邪魔だ!」
メリスは剣を持って敵を追い払おうとしたが、セアンが目の前の敵に飛び蹴りを放った。
「強そうな奴は私たちが相手をする。メリスとツリーはあのデブを追いかけて!」
「分かった。あとで合流しましょう!」
「気を付けてー」
会話後、メリスとツリーは逃げだしたゼニマーネを追いかけた。セアンは二人がその場から離れた後、飛び蹴りを放った相手を睨んだ。
「立ちなよ。まだ動けるでしょ?」
「ああ。お前、いい足を持ってるね。今の飛び蹴り、結構効いたよ」
セアンの飛び蹴りを受けた敵は瞬時に立ち上がり、手足をぶらぶら動かした。
「だけど、俺の技には敵わない」
と言って、敵は魔力を開放した。その時、敵の手足に炎が発した。
「俺はトリガミヤワー海賊団の戦闘員、ワンシだ。俺の体術でお前を殺す」
「ヤンキーのような格闘技で人が殺せるわけがないじゃん」
「自慢じゃないが、俺はこの技で何百人もの海賊や賞金稼ぎを始末してきた。殺しの数じゃあお前には負けないぜ」
そう言った後、ワンシはセアンに向かって走り出した。
コスタはショートソードを振り回して目の前の敵の攻撃を仕掛けていた。
「あんたの強さは噂通りだね。今までこんなに強い奴と戦ったことはなかったよ!」
敵はそう言うと、マントとフードを外した。下の顔を見て、コスタは驚いた。
「あなた……おばあさんだったの!」
「そうだよ。見た目だけで判断しちゃあいけないよ、小娘!」
老婆はそう言うと、二メートルほどある棒を装備し、振り回しながらコスタに襲い掛かった。コスタはショートソードを使って棒の攻撃をさばき、ショートソードに魔力を込めて斬撃の衝撃波を放った。だが、老婆は棒を素早く動かし、弾丸から身を守った。
「重たそうな棒を持って、そんな動きができるなんて……あなた、本当におばあさん?」
「ケッケッケ。自分が若いと思えば、若いのよ。お前みたいな小娘に負ける私じゃないよ」
老婆はこう言って、鋼鉄の棒を振り回してコスタに襲い掛かった。コスタは体を動かして攻撃をかわし、高く飛び上がった。
「せああっ!」
掛け声と共に、コスタは上空からショートソードを振り下ろした。だが、女は再び棒を使って攻撃を防御した。
「チッ」
「悪いわね、そんなしょぼい剣じゃあ私の棒は壊れないよ」
コスタは舌打ちをして、後ろに下がった。武器を構えなおすコスタに向かって、女はこう言った。
「私は棒使いのローロー。ババアと思って戦ったら、死ぬほど痛い目に合うよ」
ケアノスはトリガミヤワー海賊団の団員と思われる太った男に目を付けられていた。太った男は剣を振り回してケアノスに攻撃を仕掛けているが、その攻撃は素早く、急所を確実に狙うほど正確な攻撃だった。
「ブヒッ! ブヒブヒッ! 君は俺のタイプだ! 君を半殺しにして連れ帰って、エッチなことをしてやる!」
男の声を聞いたケアノスは魔力を開放し、レイピアを振り上げて男の剣を破壊した。
「あなたみたいな奴に、私は抱かれたくないわ!」
「ブヒッ、君に拒否権はないよ。今日から君はこのオンサルの性奴隷だ!」
オンサルはそう言うと、新しい剣を取り出してケアノスに斬りかかった。まだ剣があるのかとケアノスは思いつつ、もう一度剣を破壊しようと動いた。
「また剣を壊すつもりかい? 残念だけど、さっき君が壊した剣は安物だ。この剣は本気で戦う時に用意した、僕のとっておきの剣だ!」
ケアノスの動きを察し、オンサルはこう言った。何を言っているのだとケアノスは思い、レイピアで剣を攻撃した。だが、レイピアの刃先に剣が命中した瞬間に、レイピアの中の魔力が拡散した。
「なっ! 魔力が散った!」
「僕の剣はちょっと特殊でね。切れ味はいいけど、魔力を弾く鉱石でできているのさ。だから、魔力を纏った攻撃は簡単に防御できる!」
オンサルの言葉を聞き、ケアノスは厄介な剣だと思った。
ライアは目の前の男を見て不安に思っていた。男はかなりやせていて、強い風でも吹いたら飛ばされるのではないかとライアは思った。
「あんた、本当に私と戦うつもり?」
「戦わないなら、戦場に来ない」
「はぁ、戦う気はあるのね」
ライアは男にそう言った後、ナイフを構えて男に接近した。
「やせっぽっちでヒョロヒョロしてそうだけど、敵である以上容赦はしないから!」
「敵に容赦はしないのは、私も同じですよ」
男はそう言うと、足を素早く動かしてライアに反撃を行った。ライアは蹴りが来ると察し、体を後ろに反らして攻撃をかわした。だが、男の足はライアの頬をかすった。
「どうです? 私の蹴りの威力は?」
と、男はにやりと笑ってこう言った。ライアは頬に熱いものを感じたため、手で触って確かめた。手には、血が付着していた。
「蹴りの威力で頬を切るって……」
「私の蹴りは早すぎるため、まるで剣でも振るったかのような一撃になります。私の名前はシャム。この足で、何人もの敵を殺してきました」
シャムはそう言うと、静かに魔力を開放した。
「さぁ、殺しの時間ですよ」
と言って、シャムは猛スピードでライアに接近した。
ラージュは目の前の男を見て呆れていた。相手を見下すような目と態度、服は派手でとても闇取引に来たという感じではなかった。
「あなた、さっきのマントとローブを付けた状態の方がよかったと思うわ。今のあなたの姿、とても痛々しいわ」
「おいおい。そんなことを言うなよチャンネー」
あの男はチャラ男だ。ラージュはそう思いつつ、大剣を力強く振るった。チャラ男は驚きの声を上げながら攻撃をかわした。
「おいおいおい。いきなり攻撃するのは反則だと僕ちゃん思うのよ~。ビビッておしっこ漏らすかと思ったぜ~」
「下品なことを言う口は、一生開かなくしてあげるわ!」
ラージュは大声を発し、チャラ男の口に向けて大剣を突き刺そうとした。だが、チャラ男はしゃがんでラージュの攻撃を回避し、猛スピードでラージュに接近し、胸を揉んだ。
「ヒャアッ!」
「ウッヒョー! 超デカパイじゃーん! これを毎回揉みしだいて夢の世界へ行きたいぜー」
「あんたが逝くのは死の世界よ!」
怒鳴り声を上げながら、ラージュは大剣を振り下ろした。だが、怒り任せの攻撃は簡単に避けられてしまい、チャラ男はラージュの背後に回った。
「チャンネー。動きが鈍いぜ。そんなデカい武器を使うから遅いのよ」
「うるさい男ね。私がどんな武器を使おうが、私の勝手よ」
「あっそう。じゃあ僕ちゃんから一言、女に大剣は似合わない!」
と言って、チャラ男はラージュに向けて裏拳を放った。いきなり裏拳を放たれたため、ラージュは攻撃を受けて後ろの建物に向かって吹き飛んだ。
「チャンネー。今のあんたじゃ僕ちゃん……ティンパには勝てない。ここで僕ちゃんに屈して一生僕ちゃんの大人のおもちゃとして生きていくなら、生かしてあげるよ~」
ティンパの言葉を聞いたラージュはゆっくりと立ち上がり、口の中の血を出し、こう言った。
「悪いけど、あんたのような男に屈する私じゃないわ。覚悟しなさい」
カイトは刀を振るい、敵に先手の攻撃を仕掛けていた。だが、敵はカイトの動きを察していて、どんなに刀を振るっても刃は敵に当たらなかった。
「クソッ! 早すぎる!」
「早すぎる? ヒェッヒェッヒェッ! 私が早いんじゃない、あんたが遅いんだよ!」
敵の声を聞き、カイトは自分が戦っている相手が老婆だと察した。
「俺の敵ってばあちゃん? マジかよ、戦いにくいな……」
「だーれがババアじゃ! 私はまだ若いよ!」
カイトの言葉を聞いた老婆は怒り、フードとマントを脱いだ。老婆はカイトを睨み、こう言った。
「私はガーネ。ババアと言ったクソガキ、お前は確実にこの毒手で殺す!」
ガーネはそう言って、カイトに接近した。カイトは仕方ないと思いつつ、ガーネに攻撃を仕掛けた。だが、ガーネはカイトの攻撃をかわし、左の手刀でカイトの右胸付近を攻撃した。この攻撃を受け、カイトはガーネの左の手が紫色に染まっていることを知った。
「な……何だ……その手は……」
「私はちょいと特殊な体質でねぇ、いろんな毒を体内に宿しているのさ!」
カイトの言葉にこう答えた後、ガーネはカイトの右胸付近から左の手を引き抜いた。攻撃を受けてすぐ、カイトは目まいを起こした。
「ま……マジか……」
カイトが片膝をついた後、カイトは吐き気を感じた。これが毒のせいだと思い、カイトはガーネがどれだけ強いのか把握した。
次回からバトル展開が続きます。今回出てきた敵キャラとの戦いを二話ずつ書くので、その分長いです。個性的な敵キャラを考えたと思うので、どれだけ暴れることができるか、刮目していてください。
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