シャケベルトの工場の正体
カイトたちがシャケベルトの工場の存在、謎の煙がそこから発していることを知った同時刻、倒れたメイトウザンの見張りをしているセアンとライアも、紫色の煙の存在を把握していた。それを見た二人は、気持ち悪そうな表情となった。
「変な煙だねー。何だか吸っただけで気分が悪くなりそう。防護服着ててよかった」
「もしかしたらさ、この島で蔓延してる病気の原因って、こいつが元なんじゃない?」
「かもね。色的に悪い色だし、絶対よくない薬品とか使って、何か物騒な物を作ってるよ」
そう話をした後、二人は煙の元を調べるために端末でこの辺りのことを調べた。数分後、端末を操作していたセアンはこの島にシャケベルトの工場があり、その工場が煙を発している所にあると知った。
「シャケベルトって変な会社の工場だね、あれ。何か悪いことでもしてるだろうなー」
「どうする? ここから攻撃を仕掛けてドカーンと一発ぶちかます?」
「止めておこうよ。カイトたちもこの煙のことを知っただろうし、向こうが先に動くと思うよ」
「うーん。そうだね。それじゃあこっちは引き続き見張りでもしますか」
と言って、会話を終わらせ、再び見張りを行った。
カイトたちは煙の元であるシャケベルトの工場へ向かい、中に入ろうとした。だが、入り口前は防犯カメラがいくつも存在し、目の前の壁は分厚く、無理矢理開きそうにないのだ。
「かなり頑丈だ。何やっても開かなそうだな。魔力を使ってやってみるか?」
「止めた方がいいわ。扉が手に触れた瞬間防犯システムが動き出すようになっているから、もう扉に手を振れたからシステムは動いているわ。魔力を使ったら、どうなるか分からないわ」
ラージュはそう言うと、扉の周りに細かい赤外線センサーがあることを告げた。それを知ったコスタは、呆れてこう言った。
「何をやっているかバレバレだと思うけど……そんなにしてこんな工場を守りたいのかな?」
「金のためでしょ。そして、権力を守るため」
ケアノスは呆れながらこう言った。すると、イックラーの秘書が現れてカイトたちにこう言った。
「ここは関係者以外立ち入り禁止です。もし、長時間ここにいるようなら通報します」
「はいはい。分かりましたよ。皆、行きましょう」
ラージュはそう言って、カイトたちを引き連れて戻って行った。秘書は戻って行くラージュたちの姿を見て、一安心した。
引き戻される中、ケアノスはこのままでいいのだろうかと思い、ラージュにこう言った。
「ちょっとラージュ、このままでいいの? この島を病から解放するって言ったのはあんたじゃない。このまま逃げるのは私もいい気分じゃないわよ」
「分かっているわよ、私も悔しいわ。でもねー。敵の守りが頑丈なのよ。無理矢理突破しようとしても、立派な防犯システムが邪魔をするから……」
ラージュは悔しそうにこう言った。だがそんな中、一台の黒い車が近くで停車した。そして、中にいた怖い顔の運転手が窓を開けて怒鳴った。
「おいコラガキ共! 道のど真ん中で歩くなアホンダラ!」
「すみません」
カイトが頭を下げて謝る中、ラージュは車の中にシャケベルトの工場の写真があったことに気付いた。
「ねぇ、あなたこれからどこへ行くの? 教えてほしいのですが」
「あぁ? 工場だよ。ガキ共には関係ないだろ。さっさと帰れアホンダラ!」
「それが関係大ありなのよ。私ったら運がいいわ~」
と言って、ラージュは大剣を装備して運転手の首筋に近付けた。突如現れた大剣を見て、運転手は鼻水を垂らしながら動揺した。
「あは……あはははははははは……」
「ねぇ? 私たちを車に乗せて、あの工場へ連れて行ってくれないかしら? いい返事を言わないとどうなるか……分かっているわよね?」
相手を誘惑するように、ラージュは色っぽい声を出してこう言った。命の危機を察した運転手は、すぐに後部座席の扉を開け、カイトたちを車の中に入れた。
イックラーは会長室から出て、工場内の視察を始めた。大きな音を立てながら機械は動き、周囲にいる作業員は機械に異変がないか見ていた。ちゃんと動き、働いていることを見届けたイックラーは、頷きながら呟いた。
「うむ。順調に進んでいるな。兵器用の毒ガスの製造が。あれの量産ができれば、我が社はがっぽり大儲けだ。ウヒヒヒヒ」
今、彼らが作っているのは兵器用で使う毒ガスの製造。これが謎の病の正体である。下院精した毒ガスはちゃんと管理されるのだが、作成過程で失敗した毒ガスを町に向けて放出していたのだ。毒ガスを外に放出するのは危険な行為だが、イックラーは下の町のことなど気にせず、邪魔だから捨てろと部下に伝えているのだ。そんな中、イックラーは毒ガスの売買を行う武器商人の到着を待っていた。
「さて、そろそろ武器商人が来るはずだ。こいつにいくら出すか楽しみだなぁ」
そう呟きながら、イックラーは部屋の中央を歩き回っていた。しばらくすると、呼び出し音が響いた。
「イックラー会長。武器商人のベノベノー氏が到着しました」
「やっと来たか! 待ちわびたぞ!」
イックラーはスキップしながら武器商人のベノベノーの元へ向かった。客人は接客室に通すようにいつも伝えているため、今回も接客室にいるだろうとイックラーは考え、急いで接客室へ向かった。だが、その途中で爆発音が響いた。響き渡るサイレンと作業員の悲鳴の中、イックラーは瓦礫から守るために、頭を腕で覆っていた。そんな中、状況を把握するため、大声で叫んだ。
「な……何だ! 一体何が起こった!」
「どうも、イックラーさん。私たち、ピラータ姉妹のラージュでーす」
煙の中から現れたのは、大剣を手にしたラージュだった。ラージュはボコボコにしたベノベノーをイックラーの元へ蹴り飛ばした。ベノベノーがボコボコにされた姿を見て、イックラーはこの騒動がラージュたち、ピラータ姉妹のせいだと把握した。
「ベノベノーさん、どうしてこいつらをここへ連れてきたのですか! こいつらは義賊海賊! ここで何をするか分からないのに!」
「連れてこないと命はないと思って……すいません、イックラーさん……ガク」
ベノベノーはイックラーの質問に答えた後、気を失った。その直後、ラージュはベノベノーを機械の方に投げ捨て、イックラーに近付いて襟元を掴み、彼を睨みながらこう言った。
「いろいろと聞きたいことはあるのですが、とりあえず煙を止めてくれませんか? あの煙がニュースなどになっている病の正体かもしれないので」
ラージュの迫力に押されながらも、イックラーは冷や汗をかきながらこう言った。
「ど……どういうことだ? 何のことだか分からないし、記憶にない。煙のことも私は分からないな」
「とぼけちゃダメだよ。あなたたちの悪行、この目で見たから。嘘を言っても無駄だよ」
と、コスタの言葉が聞こえた。その直後、コスタが放ったライフル弾がイックラーの股下の地面にめり込んだ。イックラーは悲鳴を上げて逃げようとしたのだが、近くの煙の中から武器を持ったカイトとケアノスが現れ、逃げ道を塞ぐようにイックラーに近付いた。
「いろいろとごまかしてももう無駄だぜ。悪いことをすると、後々で自分に返って来るもんだ」
「覚悟した方がいいですよ。下の町の惨状を私たちは知っていますので、手加減はしませんよ」
追い詰められ、もう終わったとイックラーは思った。だが、秘書がイックラーの危機を察し、慌てて電話を手にし、ある所に連絡を始めた。
「もしもし? シーポリスですか? 海賊が入って来て大変なのです! いいから早く来てください!」
この話の修正を書いている頃、モンハンサンブレイクをやりだしました。ポータブル時代からやってはいたんですが、昔を知っていると今のモンハンは別ゲーだよ。今のモンハンのハンターの動き、スパイダーマンみたいにぴょんぴょん跳ねるよ。昔じゃあ考えられないよ。
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