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ピラータ海賊団+ウイークVS最強の騎士 その2


 カーキョイが呼び出した翡翠の騎士の正体はアディの父、トッポだった。アディのためにカイトたちはトッポを我に戻そうとするが、カーキョイの援護もあってか、トッポは無尽蔵の魔力を使ってカイトたちを追い詰めていた。そんな中、突如トッポの様子がおかしくなった。


「あれ? どうかしたのかな?」


 吹き飛ばされたセアンはトッポに近付き、様子を観察した。刀と剣の押し合いで不利になっていたカイトが、徐々に優勢になった。


「今だカイト! そのまま押し切れ!」


「うおおおおおおお!」


 ウイークの声を聞き、カイトは刀に力を込めた。だが、トッポの力が戻り、カイトを押し返した。


「や……やばい……」


「カイト!」


 セアンはトッポに攻撃を仕掛け、邪魔をしようとした。トッポはセアンの接近を察して魔力を発して吹き飛ばした。


「キャアッ!」


「セアンさん!」


 吹き飛んだセアンを見て、思わずアディは声をかけた。その声を聞いたトッポは、アディの方を見た。コスタとライアはまずいと思い、アディを物陰に隠そうとしたが、トッポはアディを見て動かなかった。


「隙あり!」


 動かないトッポを見て、ラージュが大剣を振るった。大剣の一撃はトッポに命中したが、痛がる素振りは見せなかった。その後、ウイークがラージュの動きに合わせて追撃を放った。それでも、トッポは痛がる素振りを見せなかった。


「グッ! ダメージを受けてねーのか!」


 ウイークはラージュと共に後ろに下がったが、トッポはアディの方を見て立っていた。そんな中、ラージュはあることを考えた。


「もしかして、アディ君がいるから……」


「そうか。何年かぶりに息子に会うことができたからそれで動けねーのか!」


 ラージュの考えを察したウイークがこう言うと、ラージュはその通りと答えた。


 攻略法を見つけた後、ラージュとウイークはトッポから下がっていたカイトとセアンに近付いた。


「トッポさんをどうにかする方法が見つかったわ。確実じゃないけど、多分これでトッポさんを開放できるかも」


「どうするの?」


「アディ君を使うのよ」


 ラージュの言葉を聞き、セアンは驚きの声を上げ、カイトは目を丸くして驚いた表情をした。


「アディ君を使うって……まさか戦わせるつもり?」


「話すだけでもいいわ。この戦いで、トッポさんはアディ君を見て動きを止めていたわ。もしかしたら、トッポさんにはまだ少し我があるかもしれない」


「うーん……まぁいいか。カイト、一緒にアディ君を守って」


「了解!」


 その時、後ろにいたコスタたちも合流した。その中には、アディもいた。


「私たちも一緒に行くよ」


「皆で守れば、どうにかできる!」


「お父さんを助けることができるなら……勇気を出す!」


 アディの言葉を聞き、セアンは頷いてこう言った。


「アディ君、私たちが守るから安心して! さぁ、行こう!」


 その後、セアンたちはトッポに向かって走り出した。


 トッポはセアンたちが迫って来るのを察し、剣を構えた。だが、セアンたちの中にアディがいることを知り、動揺を見せていた。


「動きが止まった! アディ君、何か言ってやって!」


 セアンがこう言った後、アディはトッポに近付いた。


「お父さん! 僕だよ、アディだよ! 分かる?」


 アディの声を聞き、トッポはアディの方を見た。そして、ゆっくりと口を開いた。


「ア……ディ……」


 トッポの声を聞いたセアンたちは、ラージュの言う通り少しだけ我があると察したが、カーキョイが光出した。それに合わせ、トッポは奇声を上げて剣を振り上げた。


「あの翡翠野郎! 親子の再会を邪魔しやがって!」


 カイトは刀を持って前に立ち、トッポの攻撃を受け止めた。その隙にコスタがカーキョイに向けて発砲した。


「邪魔するな! 邪魔するな! 邪魔するなァァァァァァ!」


 コスタは叫びながら何度も発砲した。飛んでくる弾丸に合わせてカーキョイは光ったが、コスタの相手をしていたせいで、トッポを操るタイミングを失ってしまった。


「アディ……アディ……」


 トッポは力を抜き、剣を地面に捨ててアディに近付いた。少しだけ我に戻ったと知ったセアンとケアノスはトッポに近付いた。


「そうだよ、アディ君だよ! ずっとあなたを探していたのよ!」


「少しでも我があるなら、話してあげて!」


 セアンとケアノスの声を聞いたトッポは、ゆっくりと腕を伸ばしてアディを触ろうとした。しかし、再びカーキョイが光出そうとした。


「趣味が悪いと思われるが、優秀な騎士を失いたくないのでな」


「なーにが優秀な騎士を失うだ? この悪趣味翡翠野郎が!」


 と、叫びながらウイークがカーキョイに斬りかかった。接近してきたウイークに対し、カーキョイは光を放ってウイークを吹き飛ばした。


「お前もなかなか素晴らしい強さの戦士だな。お前が翡翠の騎士となれば、あの男を開放してやってもいいぞ」


「悪いが、俺には家族がいる。家族を捨ててお前の部下になるかよ!」


 ウイークは双剣を構えて答えた。そんな中、トッポが苦しそうな声を上げた。


「グガッ! あ……ああ……うがああああああ!」


 トッポは頭を抱えて悲鳴を上げ、落ちていた剣を拾ってアディに斬りかかろうとした。


「危ない!」


 カイトはトッポの腹に目がけて拳を放ち、殴り飛ばした。後ろに飛んだトッポはすぐに立ち上がり、カイトに向かって走り出した。


「我に戻ってくれトッポさん! あんたの子供が目の前にいるんだぞ!」


 カイトはこう叫んだが、トッポは剣を振り上げてカイトに襲い掛かった。カイトは攻撃をかわしながら、操られたトッポとアディから距離を開けた。


「クッ……やっぱり倒すしかないのか?」


 カイトは刀を構えてこう言った。だが、トッポは苦しそうに呼吸をする中、傷ついた鎧を殴りだした。


「なっ……え? え?」


 突如トッポが鎧を殴りだしたため、どうかしたのかと思ったが、トッポはカイトの方を見た。


「鎧を壊してくれ……ここまで来たなら察しているだろ? この洞窟の騎士は鎧か兜を壊せば倒せると! 私が身に着けている鎧と兜を完全に壊せば……私は我に戻る!」


 トッポの声を聞いたカイトは、少し動揺したが、すぐに我に戻った。その時、セアンたちがカイトに近付いた。


「あと少しで我に戻るようね」


「アディ君のため、もうひと踏ん張り」


「この戦いも終わるわね」


「さーてと、後で食事にするよ。トッポさんと一緒にね」


「カイト、行くわよ」


 セアンたちは武器を構えた。それに合わせ、カイトも刀を構えた。そして、カイトたちはトッポに向かって走って行った。鎧に攻撃しているトッポは頼むと言うような表情をしたが、途中でカーキョイに操られ、カイトたちに向かって走って行った。


「また操られた!」


「ウイーク! 大丈夫?」


 セアンはカーキョイを妨害しているウイークにこう言った。ウイークはセアンの言葉を聞き、両手の剣を上げて大丈夫だと合図した。


「ウイークは大丈夫みたい。あともう少し、踏ん張るよカイト!」


「おう!」


 カイトとセアンは武器を構え、トッポの一撃を防いだ。


「コスタ! 鎧の壊れた部分に向かって撃って!」


「任せて」


 コスタは素早くスナイパーライフルを構え、鎧の傷付いた部分に向けて発砲した。発砲音を聞いたカイトとセアンは後ろに下がった。その直後にコスタの弾丸は鎧に命中し、入っていたひびが広がった。


「ケアノス、準備はできた?」


「もちろんよ!」


 ケアノスはレイピアに魔力を込めて、ドリル状に形成した風をトッポの鎧にぶつけた。ドリル状の風はうねりを上げて動き出し、トッポの鎧に傷を付けた。トッポは悲鳴を上げながら、ケアノスを睨んだ。


 翡翠の洞窟の物語もそろそろ終わり。予定通りにお盆あたりから修正作業が行えると思います。今の考えだけど、修正作業と一緒に更新もちょくちょくやろうかなと思っています。そん時はよろしく。


 この作品に対しての高評価、いいね、ブクマ、感想質問、レビューを心からお待ちしています。よろしくお願いします!

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