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巨大な騎士との戦い


 カイトとウイークは巨大な騎士と遭遇していた。ウイークが囮となり、カイトに弱点を探すように伝えた。カイトはウイークの助けを借り、騎士にある隙間を見つけた。


「あそこから中に入ることができる!」


 カイトは魔力を使って巨大な騎士に接近し、背中に張り付いた。騎士が激しく動くため、スムーズに登ることはできなかったが、何とか隙間に到着し、中に入ることができた。


「ここが騎士の中か……」


 中に入ってカイトは暗い、熱い、息苦しいと心の中で文句を言った。文句を言っていたら進まないと思い直し、小さな懐中電灯を点けた。


「何もないな……」


 汗を拭いながら、カイトは呟いた。鎧の中は何もなく、どうやってこの騎士が動いているのかカイトは気になった。その後、カイトは周囲を見回してどこかに動力があるか調べ始めた。だが、それらしい物は見えなかった。


「上か?」


 カイトは上を向き、高く飛び上がった。鎧はかなり大きいせいか、なかなか上部まで届かなかった。だが、しばらく飛んでいると、緑色の光が見えた。


「何だ、ありゃ?」


 カイトは近くの足場に到着し、緑色の光を観察した。その光は心臓の鼓動のように動いており、その周囲には緑色の管がいくつも繋がっていた。


「あれが動力みたいだな」


 カイトは魔力を込めて刀を構え、衝撃波で動力を破壊しようとした。しかし、緑色の光が強く輝いた。


「ウワッ! クソッ、俺の存在を察したのか!」


 カイトは目を開いて周囲を確認し、何か起きたか確認した。カイトの周りには、緑色に光っている人型の光が存在していた。


「何者だ……って、答えるわけがないか」


 この光が何者か、大体察しているカイトは光を見て、刀を構えなおした。しばらくして、緑色の光はカイトに襲い掛かった。カイトは攻撃をかわし、刀を振るって緑色の光を一閃しようとした。だが、緑色の光は飛び上がってカイトの斬撃をかわし、地面に着地してすぐにカイトに向けて左のフックを放った。カイトは左腕で防御して少しでもダメージを防ごうとしたが、その選択は間違えていた。緑色の光のフックはとても素早く、反撃を仕掛ける隙がなかった。何度もフックを受けたせいで、カイトの左腕の痛みは強くなっていた。


「この野郎!」


 カイトは叫びながら左腕を振り払い、近くにいた緑色の光から離れようとした。だが、カイトの動きを察した緑色の光は後ろに下がり、周りながらカイトに接近した。


「何をするつもりだよ!」


 カイトは刀を構えなおして反撃の構えを取り、緑色の光の動きを観察した。緑色の光はカイトに接近すると、右足で回し蹴りを放った。周りながら近づいてきたためか、蹴りの威力は上がっていた。刀で蹴りを受け止めたカイトだったが、後ろに吹き飛んでしまった。


「グッ! 強い……」


 カイトは刀を下に垂らし、深呼吸して態勢を整えた。そんな中、緑色の光は再びカイトに襲い掛かった。カイトは魔力を開放しようと構えたが、急に地響きが起き、二人の態勢が崩れた。




 外では、ウイークが両手に剣を持って荒い呼吸をしていた。目の前にいる大きな騎士は右足を斬られ、バランスを崩していた。


「こいつで倒れてくれねーかな……」


 と、ウイークは小さく呟いた。だが、倒れる寸前に斬られた足が光出し、切り口をくっつけてしまった。


「嘘! そんなのありかよ!」


 傷が再生したと知ったウイークは目を開けて驚いたが、そんな場合じゃないことを察してすぐに我に戻り、魔力を込めた。


「斬るのが駄目なら、溶かすのはどうだ!」


 ウイークは高熱の炎を放ち、騎士の左足を溶かそうとした。だが、翡翠が光出し、ウイークが発した炎を吸収してしまった。


「ウッソ! これもダメなの!」


 炎による攻撃も無駄だと察したウイークは、騎士の攻撃を避けるために後ろを向いて逃げた。ウイークは騎士から距離を取り、周囲を見回した。カイトの姿がないことを察し、カイトが騎士の中に入ったことを知った。


「後はカイトの動きを待つか?」


 ウイークは中にいるカイトの行動を待つかどうか考え始めた。だが、そんな中でも騎士はウイークに襲い掛かった。




 地響きで転倒したカイトは、緑色の光に攻撃されないようにすぐに立ち上がった。緑色の光も転倒していたせいか、攻撃をしてこなかった。


「あいつも同じ状況か」


 カイトは刀を構え、片膝をついている緑色の光に近付いた。すると、緑色の光の右足のつま先から光が伸び、カイトの左肩に刺さった。


「ガアッ!」


 カイトは悲鳴を上げながら後ろに下がり、左肩から流れる血を抑えた。


「グッ……そんなの、ありかよ?」


 悔しそうにカイトはそう言って、近付いてくる緑色の光を睨んだ。


 緑色の光は強い。これまで戦ってきた敵よりも、厄介だとカイトは考えた。このままだと確実に倒される。その前に、騎士の動きを止めるとカイトは考えた。


「戦っている場合じゃないな!」


 カイトは魔力を開放し、上部の緑色の光に向かって飛び始めた。カイトの動きを察した緑色の光は、カイトを追いかけた。


「やっぱりあれが大事なのか! あれを壊せば、こいつは止まるってわけか!」


 焦るように動き出した緑色の光を見て、カイトが上部の緑色の光が大事な物だと察した。少しして、カイトは近くの足場に降り、近付いてきた緑の光に対して魔力を放った。


「これを受けて落ちろ! そんでもって、二度と俺に近付くな!」


 魔力の波動を受けた緑色の光は後ろに吹き飛び、下へ落ちて行った。一番下まで落ちたことを確認したカイトは再び上に向かって移動したが、下から緑色の光が迫って来た。


「もう追いついたのかよ! 早すぎる!」


 カイトは魔力を開放し、急いで上に向かった。動く緑色の光に接近したカイトは急いで刀を構え、その緑色の光に突き刺した。刀が突き刺さった直後、緑色の光から粒子のようなものが流れ出た。


「ウゲッ! 何だ、こりゃ! 口の中に入った、オゲェッ!」


 カイトは粒子を浴びる前にすぐに逃げ、流れ出る粒子が収まるのを待った。数分後、流れ出る粒子の量は減り、それと同時に緑色の光は弱くなった。


「これで倒したのか?」


 と、カイトは小さく呟いた。




 ウイークは突如動きが止まった翡翠の騎士を見て、何が起きてもいいように二つの剣を構えていた。


「何が起きたか分からんが、何かあったらぶっ飛ばすぞこの野郎!」


 と、大声でウイークは叫んだ。だが、翡翠の騎士はそのまま崩れるように倒れ、動かなかった。


「あれ? 死んじゃったのか?」


 不審げにウイークは翡翠の騎士に近付き、鎧を叩いた。すると、翡翠にひびが入り、崩れた。


「おわっ! 簡単に崩れちゃったよ!」


 崩れた翡翠を見てウイークは驚いたが、すぐに我に戻ってカイトを探し始めた。


「カイトー! カイトー! どこにいるんだー!」


「ここだー!」


 少し離れた所からカイトの声が聞こえた。少しして、カイトが走りながらウイークに近付いた。


「よかった、無事だったか」


「何とかな。やっぱり奴の弱点は鎧の中にあったよ」


「そいつを倒したのか。でかした! よくやった!」


 と、言いながらウイークはカイトの頭をなでた。


 戦いが終わった後、二人は崩れた翡翠の騎士を椅子代わりにして座って休んでいた。


「ふぃー……ちょいときつかったな」


「ああ。このまま奥へ行って、似たような奴と襲われたら命が足りない」


「確かになー。二人だけじゃ強敵相手はきついなー」


 二人が話をしていると、後ろから来た冒険家や海賊が現れ、カイトとウイークを追い越した。


「あいつら、まだいたのか!」


「命を知らない奴らだな。何かあるか分からないし、俺たちも行くか?」


「そうだな。無駄に散る命を見捨てられない!」


 その後、カイトとウイークは急いで立ち上がって走り始めた。


 あと少しでお盆休みとなります。お盆休み中の予定としては、昨日話した訂正作業を行おうと思います。長期休みなら、訂正作業と更新作業をやれると思いますので。


 訂正作業に入ったら更新できる日が少なくなると思いますが、応援よろしくお願いします。高評価、ブクマ、いいね、感想質問、レビューをお待ちしています。

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