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ヘドロコウモリとの戦い


 後から洞窟にやって来たギドランドと遭遇したセアンたちだったが、それと同時にヘドロを放つ汚いコウモリ、ヘドロコウモリとも遭遇した。


「ヒッ! た……たたた……助けてくれぇ!」


 ヘドロコウモリを見たギドランドは、悲鳴を上げながら走って行った。コスタはギドランドを止めようとしたのだが、その前にギドランドは去ってしまった。


「あ! あーあ……どっか行っちゃったよ、あのオッサン」


「無視だよ。多分ああいう奴はしぶとく生き残るから。それより、先にあのコウモリを倒すよ!」


 セアンはコスタにそう言った後、ハンドガンを使ってヘドロコウモリを撃った。ヘドロコウモリは飛んでくる弾丸に向けて、大きなヘドロを吐いた。


「ウェッ! 気持ち悪い!」


 ヘドロを放つ様子を見ていたライアは、気持ち悪そうにこう言った。ヘドロコウモリが放ったヘドロは、セアンの弾丸を包み込んでそのまま地面に付着した。


「うーわ……結構重いヘドロだね。私の弾丸が封じられたよ」


「そんなことを言っている場合じゃないわ、セアン! あいつ、あんたを狙っているわ!」


 ケアノスの声を聞き、セアンはカトラスを構えた。ヘドロコウモリはセアンに攻撃を仕掛けるため、牙を向いて猛スピードで突っ込んで来た。その間に入り、ヘドロコウモリを斬ろうとしたケアノスだったが、セアンがこう言った。


「大丈夫だよ、ケアノス! あいつは私がぶった斬る!」


「無茶しないでね」


 ケアノスの言葉を聞き、セアンはタイミングを合わせてヘドロコウモリに向かってカトラスを振り下ろした。カトラスの刃が当たる寸前、ヘドロコウモリは軌道を変えた。だが、刃を完全に避けることはできず、ヘドロコウモリの羽に傷ができた。


「翼に命中したか……」


 攻撃を終えたセアンは後ろに下がって様子を見たが、ヘドロコウモリは頬を膨らませ、小さなヘドロを連続で吐き出した。弾丸のように吐き出されるヘドロを見たセアンは、飛んでくるヘドロをかわし始めた。


「汚いなー。当たったら汚れるのに」


「モンスターが人の言葉を理解することができるわけがないじゃない」


 と、言いながらラージュがセアンの横に立ち、ヘドロコウモリに向かって大剣を振り下ろした。大剣の刃はヘドロコウモリに命中し、大きなダメージを与えた。


「やった! 命中!」


「まだよ。あいつはまだ生きている」


 ラージュは起き上がるヘドロコウモリを見て、セアンにこう言った。その時、起き上がる動作に合わせるように魔力をナイフに込めたライアが飛び上がり、ナイフを振り回した。


「これを喰らえ!」


 ライアのナイフから、刃の衝撃波が放たれた。衝撃波はヘドロコウモリに命中し、再び地面に叩き落とした。続けて、レイピアに魔力を込めたケアノスが接近し、攻撃を始めた。


「これだけ突けば、奴の動きも鈍るはず!」


 素早く攻撃を終えたケアノスはすぐにアディの元に戻り、コスタに向かってこう言った。


「コスタ! 今のうちに奴の翼を撃って!」


「了解!」


 返事をしたコスタはヘドロコウモリの両翼を狙い、スナイパーライフルの引き金を引いた。放たれた弾丸はヘドロコウモリの左の翼に命中し、そのまま体を通って右の翼を撃ち抜いた。ヘドロコウモリは悲鳴を上げ、周囲に大量のヘドロを吐いた。


「うわっ! 汚い!」


「げえっ! ヘドロが腕に着いた!」


「うわあ! 服が汚れた!」


 近くにいたライア、ラージュ、そしてセアンが悲鳴を上げた。汚れた服を見たセアンは、怒りの形相でカトラスを構えた。


「このコウモリ野郎!」


「落ち着いてセアン! またヘドロを浴びるわよ!」


 ケアノスはそう言ったが、セアンは言うことを聞かずにヘドロコウモリに向かって行った。その時、ヘドロコウモリはセアンに向けてヘドロを放った。再びヘドロを浴びてしまったセアン。その隙にヘドロコウモリは足の爪を立てて、セアンに襲い掛かった。


「うぐぁっ!」


 体に爪が刺さったセアンはそのまま吹き飛び、後ろに下がった。後ろに吹き飛ぶ中、セアンは体に引っ付いたヘドロコウモリを引き離そうとしたが、ヘドロコウモリは足の爪に力を込めているため、引き離すことはできず、体にめり込んだ足の爪は更に食い込んだ。


「ぐううっ! この……」


「落ち着いて、セアン!」


 近付いたラージュが、ヘドロコウモリに向かって大剣を振り下ろした。だが、ラージュの一撃は回避され、ヘドロコウモリはラージュに向かってヘドロを放った。ヘドロはラージュの顔に命中し、一瞬だけラージュの視界は封じられた。


「ううっ! これじゃあ前が見えない!」


「ラージュ!」


 近くにいたセアンはラージュに襲い掛かろうとするヘドロコウモリに向けて、カトラスを振り下ろした。だが、その前にヘドロコウモリはラージュの左肩に嚙みついた。


「グウッ!」


 ラージュは噛みついたヘドロコウモリを引き離そうとしたが、その前にヘドロコウモリはラージュの左肩付近の肉を噛みちぎった。


「ギャアアア!」


「このコウモリ野郎!」


 激痛に耐えるラージュに襲い掛かるヘドロコウモリを見て、セアンはカトラスを構えた。その時、謎の目まいがセアンを襲った。


「ぐ……どうして……」


 セアンは頭を抑えながら考え、ヘドロコウモリが放ったヘドロに毒性の物質があることを察した。


「あのコウモリ……汚い真似をする……」


「私に任せて!」


 と言って、ライアがヘドロコウモリに襲い掛かった。ライアがヘドロコウモリと戦っている隙に、セアンはラージュを連れてケアノスの元へ戻った。大きな傷を受けたラージュを見て、ケアノスは急いで治療を始めた。


「少し待っていてね、包帯を用意するから。アディ、手伝って」


「うん」


 ケアノスはアディと共にラージュの治療を始めた。その時、ラージュはにやりと笑ってこう言った。


「ケアノス、私の言うことを聞いて。奴を倒す方法を見つけたわ」


「倒す方法? あのまま叩けば楽に倒せると思うけど」


「それじゃあ時間がかかる。それに、奴のヘドロには毒性の物質がある。目まいが起きているの。セアンも恐らく同じ状態」


「そう……で、方法は?」


「アディ、あなたって火の魔力が使えるわよね?」


 ラージュにこう言われ、アディは右の手の平に小さな火を出した。


「これが役に立つの?」


「十分役に立つわ。さ、これに火を付けて」


 と言って、ラージュは下に落ちていた木の枝をアディに見せた。アディは木の枝の先端に火を付けた。その時、コスタが接近した。


「何をするつもりなの、ラージュ?」


「あいつのヘドロの臭いの中に、ガスの臭いがしたの。もしかしたら、ヘドロの中にガスのような可燃する物質があるわ」


「分かった。それで火を付けてドカーンって一発やるつもりだね」


 セアンの言葉を聞き、ラージュは頷いた。その後、話を聞いたコスタは火の付いた木の枝を手にした。


「私が投げる。皆、下がっていて」


 コスタは前に出て、ヘドロコウモリと戦っているライアに向かって叫んだ。


「ライア、アイツを爆発させるから下がって!」


「爆発! あいつを爆散させる方法があるの!」


「ヘドロにガスのような物質があるみたい! それに火を付ければ爆発するかも!」


「分かった、ちゃんと狙ってね!」


 コスタはナイフを振るってヘドロコウモリをひるませて、飛び蹴りで後ろに蹴り飛ばした。


「今だよ!」


 ライアの言葉を聞き、コスタは火が付いた木の枝をヘドロコウモリに向かって投げた。火が付いた木の枝は回りながら宙を舞い、ヘドロコウモリの口の中に入った。その直後、ヘドロコウモリの体内のヘドロに火が付き、体内で大爆発が起きた。


「やった!」


 ヘドロコウモリを倒したのだが、爆発の瞬間にヘドロコウモリの中にあったヘドロが周囲に飛び散り、セアンたちに付着した。


「……水浴びしたい」


 セアンはヘドロを落としながら、小さく呟いた。その時、後ろに下がったライアが叫んだ。


「皆! 水場があるよ!」


「でかした!」


 ライアの言葉を聞いたセアンたちは、急いで水場へ向かった。




 一方、洞窟の奥へ向かったカイトとウイークは、オイルビーフの群れに追いかけられていた。


「た……助けてくれぇ!」


「まさか、オイルビーフの住処があるとは思わなかった!」


 二人は悲鳴を上げながら、走って逃げていた。


 俺はゲームが好きだ。よくゲームネタを小説にぶち込む。今回のようにロ〇サガネタも入れるし、前に書いていた『異世界から勇者が現れた!』の主人公、アルスはド〇クエ3の攻略本で付けられた主人公の名前だし。探せばいろいろとある。その位ゲームが好きです。


 皆の応援が俺の力になります。評価、ブクマ、いいね、感想質問、レビューをお願いします。よろしくねー!

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