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病に侵された島


 ある日、セアンたちピラータ姉妹は海上で見かけた賞金首の海賊、メイトウザンを発見し、攻撃を仕掛けていた。襲われたメイトウザンも倒されるかと思い、反撃をしていたが、反撃をしても無意味だと察し、逃げようとした。それを察したセアンは、カイトに向かって叫んだ。


「カイト! 奴らの船の下を狙って! 船に穴が開いたら、逃げ足を止められる!」


「分かった、任せろ! 試したい技があるんだ、丁度いい!」


 カイトは魔力を開放し、刀の刃に水を纏わせた。そして、強く刀を振り下ろして水の刃を発した。水の刃は激しく回るためか攻撃力があり、メイトウザンの船の下に命中し、大きな穴をあけた。それを見たセアンは、声を上げて驚いた。


「わーお! いつの間にこんな技を考えたの? すごい威力!」


「いろいろと考えたんだ。魔力が手足のように使えるなら、こういうふうに使えるかもなって」


 と、カイトはセアンにこう言った。


一方、カイトの攻撃が船に命中し、傷から海水が侵入してきたことを察したメイトウザンの船長、オウサは慌てて部下にこう言った。


「船に穴が開いたぞ! 何が何でも水が入って来るのを防げ!」


「分かりやした! 任せてください、船長!」


 部下たちは慌てて船の修理に向かったが、今の海は波が荒く、予想以上の海水が中に入ってきた。


「ダメです、どんな手を使っても水が船内に入ってきます!」


「防ぎようがありません! ギャア! また水が入って来た!」


「オゲェッ、口の中に入った! どうにかしてください!」


「何が何でも修理しろ! 砲撃種はヴィーナスハンドが追って来られないように大砲を放て! 航海士、近くの島を見つけ次第すぐにそっちに向かうよう指示しろ!」


「はい! すぐに見つけます!」


 メイトウザンの船は、攻撃を受けて大パニックとなっていた。その隙を狙い、マストの上にいるコスタは慌てるメイトウザンの手下たちに攻撃を仕掛けた。


「グアッ!」


「アアッ!」


「撃たれた!」


「どうかしたか! クソッ、今度は狙撃か! こっちが慌てる中、狙撃しやがって! そこまでするか普通!」


 狙撃によって部下が倒されていることを察したオウサは、この状況をどう打破するか考えた。だが、どう考えても答えは見つからなかった。そんな中、航海士が島を見つけ、大声でこう言った。


「右手前方に島がありました! 今すぐそっちへ向かってください! 今向かえばピラータ姉妹から逃げることができます!」


「でかした! 野郎共、島に着くまでの辛抱だ! 何が何でも船を守り抜け!」


 その後、メイトウザンの船は発見した島へ向かって移動した。それを見たセアンは、左手に持つハンドガンで狙いを定めていた。


「逃がさないよ! 撃ち落としてやる!」


「セアン、その銃って向こうまで届くのか?」


 カイトの質問を聞き、セアンは少し考えてこう言った。


「無理だ。コスタのライフルも届くかどうか分からないし……うーん、しゃーない。追いかけてあの島で奴らを捕らえよう」


 セアンはケアノスたちに島に向かうと指示をし、武器をしまった。カイトは次の戦いのため、刀を鞘に納めてリラックスしていた。


「カイト、奴らとの戦いはまだ終わってないから、気を抜かないでね」


「ああ、分かった」


 いつもはカイトにベッタベタのセアンだが、いざとなれば船長として、的確な指示や状況判断を行う。いつもこの位真面目だったらいいのにとカイトは思った。


 その後、着陸の支度をするため、カイトとセアン、コスタは船内に戻った。怪我をした時に治療をするため、ラージュが船内で待機していたが、ラージュは神妙な表情で今朝届いた新聞を見ていた。


「どうしたの、ラージュ? そんな顔をして」


「あの島のことだけどね……まぁ、これを見た方がいいわ、そっちの方が早い」


 と言って、ラージュは机の上の新聞をカイトたちに見せた。新聞には、サンライト島で謎の疫病が発生と書かれていた。


「サンライト島? 聞いたことがない島だなー」


「奴らが逃げた先の島よ。今、謎の疫病が発生して大パニックなのよ」


「さっきニュースでやっていた。新種のウイルスか、現存のウイルスが変わったか分からないけど、かかったら高熱や嘔吐下痢、手足が痙攣するって。ウイルスに免疫がないと、死ぬ恐れもあるらしいよ」


 ケアノスとライアが近付いてこう言った。その言葉を聞いたセアンは本当に大変だなと呟いたが、ケアノスはセアンに近付いてこう聞いた。


「セアン、あいつらを追いかけてサンライト島に向かう? ウイルスが発生している以上、こっちも被害が及ぶ可能性があるけど」


「うーん……どうするかな……奴らを倒したいってのもあるけど、皆が病気になって足止め喰らうのも嫌だなー」


 謎の病が発生するサンライト島へ行くかどうかを聞かれ、セアンは悩み始めた。だが、ラージュがセアンの代わりに答えた。


「私は行くわ。医者の一人として、病に苦しむ人を見捨てるわけにはいかないわ」


「ラージュは行くつもり満々か……どうしようかな……」


 ラージュの言葉を聞き、セアンは再び考えた。だが、何を言ってもラージュは答えを変えないことを理解し、セアンはこう言った。


「分かった。とりあえずラージュは病の謎を解き、私らでメイトウザンを捕まえよう」


 その言葉を聞き、ラージュは小声でありがとうと言った。




 カイトたちより先にサンライト島に到着したオウサとその部下は、息を切らせながら砂浜を走っていた。


「こ……ここまでくれば奴らから逃げられるだろう。早く人がいる所へ向かって、補給をしつつ、新しい船を手に入れよう」


「そうですね。でも、ここに住んでいる連中が難色を示したらどうします?」


「無理やりやらせるさ。こいつを見せれば、どんな奴も顔を真っ青にして俺たちの言うことを聞くだろう」


 と、オウサは剣を見せながらこう言った。海の方を見て、ヴィーナスハンドの姿が見えないと確認し、何とか逃げ切ったと考えたオウサは、安堵の息を吐いた。だが、数名の部下が突如苦しみだし、その場に倒れた。


「おい、どうした? 疲れたのか? そんなに大げさなことをしなくても、町に入ってすぐに宿屋に行くぞ。それまで我慢しろ」


「船長……きゅ……急に体に異変が……腹も痛い……吐き気も……」


 そう答える部下だったが、熱が出ているのか顔が赤くなり、腹痛と吐き気を訴えた。そして、手足が急に震えだした。


「な……何だ、その症状は? さっきまでなんともなかっただろ。一体何があった!」


「分かりません……何でいきなりこうなったのか……ウッ!」


 部下は言いかけている途中で、這いながらオウサから離れた。他の部下も次々と苦しみだし、草陰や岩場へ向かった。部下たちが急に苦しみ始めたのを察したオウサは、いきなり起きた異変に怯えていた。


「何が起きている? さっきまで健康だったのに、急に……」


 オウサはそう呟くと、異臭を感じた。変な臭いだなと思ったその時、突如手足の震えが始まった。そして、急に腹痛と吐き気を感じ、その場で膝をついた。


「な……何で……まさか……」


 オウサが苦しそうに呟いた直後、急に強いめまいと頭痛を感じた。両膝を地面に付いた状態でも苦しかったためか、オウサはその場に倒れ、そのまま意識を失った。


「船長が……何で……」


「この島は危険だ! 何が起きているか分からないけど、俺たちだけでも逃げるぞ!」


「船長と他の皆は……」


「ほっとけ! とにかく俺たちだけでも逃げよう!」


倒れたオウサを見た部下は、慌てて逃げようとしたが、カイトによって大きな損傷を受けた海賊船は動かなかった。そして、残った船員たちも具合が悪くなり、その場に倒れた。


 俺の話はたまーに現実にあった事件や、問題を元ネタにしています。今後、俺が書いた話が今後現実で起きるってことがあるかもしれません。その時は予想でも予言でも何でもありません。偶然です。


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