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またもや洞窟内で大ピンチ!


 翡翠がある洞窟に突入したカイトたちは、明かりを点けて奥へ向かった。奥からはモンスターの鳴き声が響いているため、アディは恐怖を感じていた。


「う……うわぁ……」


「怖いなら、私にしがみついていて」


 アディの近くにいるラージュは、優しくアディにこう言った。アディはその声の通りにラージュの服の裾を握った。その様子を見たカイトとセアンは話をした。


「ラージュは戦えないな」


「そうだね。アディ君を守るのも大事だし」


 そんな話をしていると、奥から人の悲鳴が聞こえた。カイトたちは武器を構え、声の主が来るのを待った。しばらくすると、何かから逃げている冒険家のグループが現れた。


「た……助けてくれぇ!」


「とんでもない化け物に襲われた! 仲間が一人バラバラに斬り刻まれた!」


「こんな所にいたら、死んじまう!」


 冒険家がこう言うと、上から大きなカマキリが現れ、冒険家たちを斬り刻んでしまった。


「あれはエスデレートカマキリ! 砂漠の洞窟にもいたのか!」


 カイトはエスデレートカマキリに襲われたことを思い出しながら、刀を振るった。ライアはナイフを使ってエスデレートカマキリと戦う中、カイトにこう言った。


「まさか、こんな所で生息しているとは思ってもいなかったよ。カイト、魔力を使って奴を倒すよ!」


「おう!」


 カイトとライアは同時に魔力を開放し、エスデレートカマキリに斬りかかった。だが、エスデレートカマキリは鎌を振り上げて接近したカイトとライアを攻撃した。


「うおっ!」


「おわっと!」


 攻撃をかわしたカイトとライアだが、刃が少しかすったためか、小さな傷ができていた。そんな中、コスタがエスデレートカマキリに向けてスナイパーライフルの引き金を引いた。放たれた弾丸はエスデレートカマキリの右肩を撃ち抜いた。


「急所を外した……」


 悔しそうにコスタはそう言ったが、ウイークがコスタの肩を叩いてこう言った。


「大丈夫だ。あれで奴の攻撃方法を一つ潰した。さて、俺も行くか!」


 ウイークは高く飛び上がり、エスデレートカマキリに斬りかかった。二つの剣を使って連撃を放つウイークに苛立ったエスデレートカマキリは、左腕の鎌で近くにいるウイークに斬りかかった。だが、カイトの刀がエスデレートカマキリの左腕の鎌を切り落とした。


「悪いな。お前の仲間と一回戦ったから、対策はあるんだよ!」


 カイトはエスデレートカマキリにそう言うと、刀を振り上げてエスデレートカマキリの頭上に落とした。その後、ナイフを構えたライアがエスデレートカマキリの頭を斬り始めた。


「これで終わり!」


 と言って、ライアは同時に二つのナイフを振り下ろし、強烈な一撃をエスデレートカマキリに放った。この一撃を受け、エスデレートカマキリは倒れた。


「ふぃー、この前みたいにならなくてよかった」


 カイトは汗を拭いながらこう言った。その時、奥から轟音が響いた。


「今度は何?」


 ケアノスはレイピアを手にし、奥を見つめた。しばらくすると、巨大なモグラヘビが現れた。


「カマキリの次はモグラヘビかよ。いろいろな奴がいる洞窟だな」


「その分かなり面倒だよ」


 と、大変なことになりそうだと予感したカイトとウイークはこう話をしていた。セアンは二人の横を通り過ぎ、カトラスを手にした。


「ボーっとしている場合じゃないよ。あいつの餌になっちゃう!」


「餌にされる前に、奴を倒さないと!」


 セアンの後ろにいたケアノスは魔力を開放し、風の衝撃波を放った。ケアノスが放った風の衝撃波はモグラヘビに命中したが、ダメージはなかった。しかし、モグラヘビはこの風の衝撃波に目を奪われたため、セアンの接近を許してしまった。


「隙あり!」


 セアンは勢いよくカトラスを横に振るった。カトラスの刃はモグラヘビの首に刺さり、そのまま深い傷を与えた。傷を受けたモグラヘビは鳴き声を上げながら暴れまわり、近くにいるセアンを振り落とした。だが、カイトが落下するセアンを受け止めた。


「ありがとう。助かったよ」


「何とかなった。それより、何かやばい状態だな」


 カイトは傷を受けて暴れまわるモグラヘビを見ながらこう言った。その後、カイトはセアンを連れて急いでコスタたちの元へ戻り、暴れまわるモグラヘビの様子を見た。しばらくして、モグラヘビの動きは止まり、その場に倒れた。


「倒したの?」


 戦いの様子を見ていたアディは、ラージュにこう言った。ラージュは倒れたモグラヘビを観察し、アディにこう返した。


「倒したみたい。とりあえず、無事になったわ」


 戦いが終わった後、カイトたちは武器を持ちながら奥へ向かった。しばらく歩く中、ウイークがこう言った。


「さっきのモグラヘビ、かなり大きかったな。奴が開けた穴があるかもしれないから、注意して歩いてくれよ」


「ああ。分かった」


 ウイークの話を聞いたカイトはこう答えた。だが次の瞬間、カイトとウイークの体のバランスが崩れた。


「へ? まさか……」


「言った直後でこんな展開?」


 二人の足元には地面がなかった。その結果、道を踏み外した二人はそのまま穴へ落ちてしまった。


「カイト!」


「ああ……またリティーヒの洞窟と同じような展開に……」


 落下するカイトを見て、セアンは悲鳴を上げ、ケアノスはため息を吐いた。




 落下したカイトとウイークは、地面にめり込んでいた。しばらくして、二人は同時に起き上がった。


「イテテ……また穴に落ちちゃったよ……」


「またって……似たようなことを体験したのかよ」


「リティーヒの洞窟の時に。あの時はラージュがいたから、怪我をしても大丈夫だったけど……」


 カイトはウイークの顔を見て、残念そうにため息を吐いた。カイトのため息を聞いたウイークは、笑いながらこう言った。


「大丈夫だって! 俺も一応治療はできる! だから、怪我をしても気にするな!」


 この言葉を聞いたカイトは、リティーヒの洞窟で怪我をした時、ラージュが治療と言って下着姿になってハグをしたことを思い出した。もしかして、自分が怪我をしたらウイークも似たようなことをするのではと思ったカイトの顔面は、真っ青になった。


「どうして顔が青くなる?」


「リティーヒの洞窟の時に、ラージュが下着姿で俺を抱いて治療したから……」


「俺が野郎相手にそんなことをするわけねーだろうが! 俺が抱くのは女の子だけだ! 俺にはそんな趣味はない!」


「よかったー」


 カイトは安堵の息を吐いた後、何かの気配を感じた。ウイークもこの気配を感じており、剣を手にしていた。


「何かいるな。こっちは落っこちてまだ体中が痛いのに」


「確かにそうだ。だけど、相手は待ってくれないようだ」


 カイトがこう言った後、奥から翡翠の騎士が三体現れた。


「あの騎士かよ。今度は三体」


「数も状況的にも不利だな。一度逃げるか?」


「逃げる? 後ろに逃げるってわけか? 後ろは壁だぞ」


 ウイークがこう言った後、カイトは魔力を開放し、水を発して凍らせて道を作った。


「後ろに逃げるわけじゃない。前に逃げる! とにかく敵から離れよう!」


「その案に大賛成! うっし、早く逃げよう!」


 二人はカイトが作った氷の道を使い、前の方へ向かった。騎士の後ろに回り込んだ二人は同時に魔力を開放し、巨大な魔力の衝撃波を騎士に向けて放った。


「よっしゃ、命中!」


 二人が放った衝撃波は騎士に命中したが、倒れていた騎士はゆっくりと立ち上がり、二人に向かって走り出した。


「これでも倒れないか」


「砂漠で戦った奴の時より動きが速い。注意しよう!」


 二人がこう話をしていると、騎士は二人に斬りかかった。二人は攻撃をジャンプしてかわし、それから騎士から距離を取った。


 面倒な戦いになる。


 カイトは騎士を見ながら、心の中でこう思った。


 よく二手に分かれる小説だと俺自身思います。まぁ、そう簡単に話が進んだらつまらないので。この作品は主にピラータ姉妹とカイトの六人パーティーです。前に書いていた、幼なじみと一緒に異世界転生と同じ数です。六ってのは海外では不吉な数字ですが、二人三組。三人二組にもできる優秀な数字です。もし、話を考えていてレギュラー数や話を広げるのに詰まったら、この話を思い出してください。


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